全集落に関電マネー

 人口9000人の大飯町。
関西電力の大飯発電所があります。
この町には、長年巨額の寄付金が流れ込んできました。
町は寄付金の出所は公表していません。
しかし、「関電マネー」であることを否定する人はいません。

 町内63地区の集落全てに「関電マネー」が注ぎ込まれる仕組みまでありました。

集落ぐるみの買収

 1986年に関電からと見られる5億円の寄付金を、町は基金を設けて銀行に預け、利子を集落に配布する仕組みを編み出しました。
町は「町民指標活動支援基金条例」を制定しました。

 各地区に最大で180万円ほどの自由に使える金額が転がり込みます。
祭りや旅行、清掃など原発に反対の人でも参加しなけらばならない行事に使われます。

「住民不安を抑え込むのが狙いでした。まさに、集落ぐるみの買収です」
大飯町の猿渡巧日本共産党町議は、厳しく批判します。

関電さまさま

 66年に揚水発電建設の話が持ち上がりましたが、05年に計画は頓挫しました。

 ある議会関係者の証言。
 「計画頓挫に伴い関電は迷惑料として、町に1億5千万円を支払うといってきました。
関電は表沙汰になれば、他の自治体も要求してくるので、表に出ないようにしてほしい、と言ってきたのです」

 美浜町には、
06年度の一般会計に、12億3千万円、
07年度は10億2千万円の寄付金が入りました。名前がない匿名寄付金です。

 同町では、04年8月、3号機で11人の死傷者を出す蒸気漏れ事故が発生しました。
しかし、知事が了承して、07年2月には営業運転が再開されました。

 同町の女性(54)は語ります。
 関電がお金を寄付し、地域の有力者を取り込んでいる。
企業も関電関係ばかりで、お金をあてにできるのは関電しかない。
美浜町では“関電さまさま”なのです。


11年9月1日
赤旗日刊紙要約

◆1億円ずつ頂いた
◆原発の深層
◆核兵器廃絶と原発
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