国連憲章を踏まえた憲法

憲法9条は
どうやって生まれたか。

1945年6月、国連憲章で
2度にわたる世界大戦の
惨禍をふまえて「武力
の行使、武力による
威嚇」を厳しく
禁止しました。

翌46年11月に公布された
日本国憲法第9条は、
国連憲章のこの立場を
踏まえながら、
「戦争放棄」と一切の
「戦力保持の禁止」を
明記しています。

日本国憲法9条には、
国連憲章を踏まえつつ、
さらに前に向かっての
飛躍があります。

恒久平和主義徹底
への飛躍があります。

非核の願いこもった宝

アジアで2千万人、
日本国民で310万人という
甚大な犠牲とそれへの
反省が、憲法9条を
生み出す土台となった事
はいうまでもありません

私は、もう一つ事情が
あると思います。

国連憲章が決められた
1945年の6月の時点では、
人類はまだ原子爆弾を
知りませんでした。

7月に初の実験が行われ
8月に広島・長崎に原爆
が投下されました。

原子爆弾によって、
20万人を超える無辜の
人々の命が
一瞬にして奪われ、
美しい二つの都市が
一瞬にして廃虚と化し、

幾世代にもわたる犠牲を
こうむりました。

この地獄を、世界の
どこでも二度と繰返して
はならないという
強い思いが、憲法9条と
いう宝を生み出した。

私は、歴史のこの事実を
強調したいと
思うのであります。

内閣発行の新憲法解説

ここに日本国憲法が
公布された1946年11月に
内閣が発行した
『新憲法の解説』と
題する冊子があります。

憲法第2章
「戦争の放棄」の
意義について、
次のようにのべています。

「一度び戦争が起これば
人道は無視され、
個人の尊厳と
基本的人権は蹂躙され、
文明は抹殺されてしまう。

原子爆弾の出現は、
戦争の可能性を
拡大するか、又は逆に
戦争の原因を
終息せしめるかの
重大段階に到達した
のであるが、識者は、
まず文明が
戦争を抹殺しなければ、
やがて戦争が文明を
抹殺するであろうと真剣
に憂えているのである。

ここに於て本章の有する
重大な積極的意義を
知るのである」

昔は政府もずいぶん
良い事をいっています。

世界史的な意義ある条文

原子爆弾の出現によって
文明と戦争は両立しえ
なくなった。

「文明が
戦争を抹殺しなければ、
戦争が文明を抹殺する」

そういう恐るべき現実が
目の前に生まれました。

文明の力によって
戦争を抹殺しよう。

戦争を放棄し、
陸・海・空軍、一切の
戦力を放棄しよう。

それを世界に
先駆けて実行しよう。

こうして私たちの誇る
日本国憲法第9条が
生まれたのであります。

憲法9条には、
「二度と戦争を
起こしてはならない」と
いう決意とともに、
「核戦争を絶対に
阻止したい」という
願いが込められており、
世界の人々に
呼びかけたところに、
この条文の
世界史的な意義が
あるということを、
私は訴えたいと
思います。

■変化見えない自公政権