3月21日。春分、秋分(9月23日)の日を中日に、その前後各三日をあわせて7日間。春の彼岸、秋の彼岸といい、人々は先祖のお墓参り、供養します。こうのような風習は随分古くからあるようです。しかし、彼岸の期間が今日のようになったのは、幕末の弘化元年(1844)からで、それまでは春分、秋分の翌日が彼岸の入りであったと定まっていませんでした。

 いずれにしても春分、秋分に近いところでお墓や寺院に参詣するほか、農事や生活の上で重要な目安になっていました。ことに「暑さ寒さも彼岸まで」というように、厳しい寒暑もこの頃になるとしのぎやすい陽気になります。

 また彼岸の中日には太陽が真東から昇って、真西に沈む。その太陽が沈んだ彼方に極楽浄土があると信じられてきました。たとえば大阪では、四天王寺の西門が極楽浄土の東門に当たるとされ、彼岸の中日の夕日を拝む人が参集し、その風習は今日もなお続いています。

*このお彼岸に欠かせないお菓子が、春には“ぼた餅”、秋には“おはぎ”がありご先祖さまにお供えをします。