急流の河底の岩盤上に天然につくられた甌穴(おうけつ)は,地質的にも地形的にもいろいろの自然条件に支配されて,長年かかってつくられるものである。東城川の甌穴は,第三紀中新世(2300万〜500万年前)の泥岩・砂岩・礫岩などの層からなる河底に,約3.5kmにわたって直径20cmから2mに及ぶ30個以上の甌穴群が8群存在しており,このうち東城川大橋から上流400m,下流300mが指定されている。甌穴の分布が他地域に比べて広域で,量・質ともに豊富で学術的に価値の高いものである。