苦しみに
共感してきた党
評論家・元外交官
小池 政行さん
回復感じてない

 憲法問題では、安倍晋三首相が96条改訂を持ち出した。
 慶応大の小林節教授など9条改憲派からも反発を受ける結果となりました。

 テレビ朝日系の世論調査(5月25日、26日)で、注目すべきは、「景気回復を感じていない」と答えた人が70%に達していることです。
株価など見せかけの経済対策ではなく、給与が増えない限り、経済は絶対に回復しません。

抜け出していない
育児は女性の発想

 首相が成長戦略の一環として打ち出した「女性の育休3年」も、「育児は女性のもの」という発想から抜け出していません。
私が外務省で担当していたノルウェーなどでは女性が育児休暇をとった場合、給与の7割が保障されますが、男性はおよそ85%と育児休暇をとりやすくしており、男性を育児に取り組む努力をしています。

国防軍より
生活の安心を

 これから、高齢化社会を迎えますが、必要なのは「国防軍」ではありません。
政府を信頼して、安心して人生を終えることです。
国民一人一人が健康を保ち、仕事を持つなど社会と接触を保つことができる―。
そういう社会が求められています。
大阪で母子餓死事件があっただけに、痛切に感じています。

他党にない巨大な力

 日本共産党は人の苦しみに共感して行動してきた政党だと思います。
「なんでも反対」だというステレオタイプ(紋切り型)飲み方をされがちですが、反対どころかよりよい社会にするためのプログラム、人を殺さない社会、暮らしやすい社会を訴え続けてきた党だと思います。

 32万人の党員は、ほかの政党にはない、巨大な力です。
党員一人が有権者一人に語りかければそれだけで60万、70万です。
この組織力をフル稼働すれば、必ず成果を得られるはずです。
(聞き手 竹下岳)


13年6月8日
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