守るべきは誰か
説明に驚いた学生
三重短期大学法経科
准教授 三宅裕一郎

 小さい頃、軍服姿の大叔父の遺影を見つけ”どういう人なのか”と興味をもちました。海軍航空兵だった大叔父はグアム島で戦死し、家族も厳しい境遇に置かれたと知りました。
大叔父の軍事郵便が大量に残っています。
家族への強い思いが偲ばれます。

 ”やはり戦争はしてはならない。
戦争をしないでこられたのは、9条がギリギリ機能してきたからだ”と考えるようになりました。

権力に守らせる
立憲主義置去り

 本学の最初の授業で「憲法を守るべきは誰か」と問うと必ず「国民」「私たち」という答えが返ってきます。
憲法99条で憲法用語義務を負っているのは
「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」だと紹介すると驚くわけです。

 国民主権、平和主義、基本的人権等を権力に守らせるという立憲主義は暗記偏重教育で置き去りにされています。

ダレトク?

 武力による安全保障は賢明でも完全無欠でもなく、多くの生命や市民的自由が犠牲を被ることは9.11事件で実証済みです。
9条改憲勢力は、平和的対話による問題解決の努力も尽くさず、目先の出来事への近視眼的な側面ばかりを主張していると感じずにはおられません。

 改憲賛成の学生もいますが
「改憲でダレトク(誰が得するのか)?」と問いかけ、戦争ができる国になれば軍需産業や恐怖政治、その支持を受ける保守勢力などの「既得権益」層は得をするが、市民が得をするのではないという視点を提示すると納得してくれます。

9条を見習え
ハーグ平和会議

 1999年のハーグ平和市民会議が採択した国議会は自国刻政府に戦争をさせないための決議をすべきだ」というものです。
改憲論の勢いが強いように見えますが、世界の流れには全く逆行しています。

(聞き手・林信誠)


2013年3月29日
赤旗日刊紙要約

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