橋下氏は“選挙で勝った者が、教育の目標を決めるのは当たり前だ”といいます。 これこそが、「政治権力は教育を支配してはならない」という憲法の教育についての原則に違反です。
教育は「本来人間の内面的価値に関する文化的な営み」で、 「党派的な政治的観念や利害によって支配されるべきでない」とし、 「教育内容に対する国家的介入についてはできるだけ抑制的であることが要請される」と明確に述べています。 ところが橋下氏は、府民の教育への不満や「橋下人気」を最大限利用して、露骨な政治支配、競争原理の徹底と脅しや統制という、時代逆行の教育体制を持込もうとしているのです。
「英国の改革は格差も拡大した」と指摘されても「私は格差を生んでよいと思っている」と開き直っています。 2月26日に大阪で開かれた集会では、安倍晋三元首相と松井一郎知事が同席し、意気投合。 侵略美化教科書の採択運動にとりくむ「日本教育再生機構」の八木秀次理事長が「条例案は安倍先生の志を受け継ぐもの。 大阪の動きは『戦後レジームからの脱却』の大阪版」と激賞しました。
不起立の教師が「混乱を招いた」とおわびしたといいます。 「『ルールを守らないなら教師をやめろ』という人もいました。 学校側は『式をぶち壊した』といいましたが、なんの混乱もなかったし、生徒たちも頑張った。 卒業式は誰のためのものかと思いました」 大阪市と府が入学・卒業式などで「君が代」の起立斉唱を教職員に強制する条例を強行したことで、事態はエスカレートしています。 起立しない教員がでたある府立高校の卒業式。 来賓の「維新」府議が祝辞そっちのけで「ルールを守れない教員がいることをおわびします」と発言。 ブログでも「残念な卒業式」と書き、卒業生らから「あんな失礼なあいさつをした人は初めて」「最後の思い出の卒業式をぶち壊された」と抗議が殺到しました。
「生徒のためのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の口元を監視する。何と醜悪な光景だろう! 橋下氏は独裁も必要と言っているそうだが、なるほど『密告の奨励』は独裁政治につきものである」 「君が代」は、「日の丸」とともに侵略戦争の象徴として扱われた歴史から国民に強い批判があり、強制することは憲法19条の思想・良心の自由、内心の自由への重大な侵害です。 「公務員の規律の問題」「いやなら公務員をやめろ」とすり替える橋下氏の論法も成り立ちません。
ここ数年、大阪では小中学校で授業をする先生が長期に配置できない“教育に穴があく”事態が、広がっています。 A中学校「3年生の理科の先生が病気で休み、1年生の先生で対応した。 1年生は他の科目で埋めている」 B中学校「病休中の数学の先生の代わりが見つからず、校長が数学を教えている」 C小学校「5年生の担任が配置できず、教頭が代行している」
橋下知事が正規の教員を減らし、臨時の教員を大量に雇用した結果、臨時教員の登録者数が底をついてしまったといわれています。 大阪教職員組合の調査によると、教員の数と子どもの数との比較で、大阪の教員は全国平均より5429人も少なくなっています。 少人数学級の進展という点でも、この4月から大阪が全国でも最も条件が悪い府県の一つとなりました。 大教組の小林優書記長は「子どもたちのための教育条件をボロボロにしておいて、教職員攻撃をやっているのが橋下さんです」と話します。 大阪府委が提言 ◆橋本改革と教育 ◆今日は植木 |