人間の尊厳の問題
元参院議員
元西武百貨店社長
水野誠一さん

新党さきがけから比例代表で参院議員に当選。
2001年に静岡知事選に立候補
かつて原発容認
の私が心配になり

 私はかつて原発を容認していました。
変わるきっかけになったのは、中部電力の浜岡原発の問題でした。

 浜岡原発は父・水野成夫(故人、フジサンケイグループの創始者)が誘致したものです。
父は、故郷の浜岡町を説得したのです。

 その後、私は、東海地震の発生が近いことや浜岡原発付近に活断層がいくつもあることを知り、非常に心配になりました。

地震学者の警告

 石橋克彦神戸大学名誉教授ら地震学者は“直下型の地震で、原発自体が数メートル隆起する”と警告していました。配管が破損し、メルトダウンが避けられません。
私は浜岡原発は停炉すべきだと考えて静岡知事選に出ました。

 使用済み核燃料を処分する場所がありません。浜岡原発では、プールに冷却中です。

 放射能は1万年レベルで残ります。子孫まで迷惑をかけることになる。
現代のわれわれが責任を持たないといけない。問題解決は、人間の尊厳にかかわる問題です。

 大飯原発も再稼動すべきではありません。

マスコミの偏り

 日本経団連など財界は再稼動の方針を打ち出しました。
この背後には、原発をめぐる利益構造があると思っています。

 マスコミも「電力が足りない」と報道しました。
私たちが大飯原発再稼動反対の記者会見をしても取材に来ない。
私はツイッターで「正当な主張や活動の取材が赤旗や日本農業新聞だけというのが、マスコミの限界だ」とつぶやきました。

 いたずらに危機感をあおるつもりではありませんが、事実はクールに伝えなければ、マスコミの役割は果たさない。

 マスコミが"偏り”、「赤旗」は真理を正しく理解している。
TPPの報道もちゃんとやっている。

 私は、人に言わせると右寄りの人間だそうです。
共産党支持者でもありません。
しかし、人間として「おかしい」と思うところの価値観が一緒であれば協力し合えると思うのです。

聞き手・三浦誠記者

日曜版7月1日要約

◆原発ゼロヘ向けて
◆今日は植木