原発利益共同体

日本の政治の二つの歪(ゆが)みが横たわっています。

 第一は、日本経団連も深く関与しての「原発利益共同体」ともよばれている利権集団の存在であります。

 原発は、1基つくるのに5千億円もかかるといわれるビッグビジネスです。これでもうけている勢力は誰か。
電力会社、原発メーカー、大手ゼネコン、鉄鋼・セメントメーカー、大銀行など、財界の中枢を構成する大企業です。
この勢力が、原発推進の政党・政治家に政治献金を配り、代弁者にしたてあげる。
特権官僚と癒着し、
官僚を操り、
官僚は電力会社に天下りして巨額の報酬を得る。

大学に巨額寄付

 一部「有名大学」の研究などに巨額の寄付をばらまき、
御用学者をつくりあげる。
原発事故が起こった後も、彼らは恥知らずにもテレビに登場し、
「ただちに健康に影響はないと考えられます」とか、
「原子炉格納容器の健全性は確保されていると考えられます」とか、
無責任な発言をくりかえしました。

安全神話の製造元

電力会社は、巨大メディアを巨額の広告費で買収し、
「共同体」の仲間に引き入れました。

 これらの「原発利益共同体」は、あらゆる異論を排除する「原子力村」とよばれる閉鎖集団をつくり、「安全神話」の製造元となり、国民をウソで欺いて原発を推進し、巨額の利益をむさぼってきました。
外国特派員協会での講演で、これに“原子力村のペンタゴン”という名前をつけました。

被害と賠償の共同責任

「ペンタゴン」とは「五角形」のことですが、
財界、政界、官僚、御用学者、巨大メディアによる“ペンタゴン”であります。
パンフレット(『「原発ゼロ」の日本を』)の表紙のデザインとなっている「五角形」の意味はそこにあります。

 私は、「原発利益共同体」の一員として、国民を欺いて利益をむさぼり、大もうけをしてきた勢力に強く求めます。

まず、その罪を深く反省することを求めます。
そして、原子力災害の被害にたいする共同責任と、賠償への共同の負担義務を果たすことを強く求めるものであります。

◆大手新聞社に猛省を
◆889周年講演