浜岡原発をとめた力

 5月、中部電力・浜岡原発が停止に追い込まれました。
浜岡原発をとめた力はどこにあるか。
菅首相の力ではありません。
1967年に計画がもちあがって以来、
一貫して反対をつらぬいてきた住民運動の力であり、
第一歩の勝利であります。
静岡市で5千人の大集会がもたれ、
「永久停止・廃炉」を実現するまでがんばりぬきたいと思います

 政府は、小手先の姑息な「対策」なるものをほどこしただけで「安全宣言」をおこない、
電力会社に再稼働を要請しました。
この「対策」なるものがいかにひどいものか。

「水素爆発対策」として原子炉建屋に穴をあけるドリルを用意させたというのです。

炉心が溶けて、
水素爆発をしそうな原子炉建屋に、
いったい誰がよじのぼってドリルの操作をするのでしょうか。

テストの資格・能力

 政府は、追加の「安全テスト」――「ストレステスト」をやると言いだしました。
この「テスト」をやるのはいったい誰でしょうか。
電力会社と、原子力安全・保安院と、原子力安全委員会です。

大事故を起こし、
収束もできない、
資格も能力もないことが証明された3人組ではありませんか。

「テスト」をするどころか、
「テスト」されなければならない側ではありませんか。

 無責任な取繕いで原発を再稼働させることは、断じて認めるわけにはいきません。


九電のやらせメール

 とんでもない問題がもちあがりました。
九州電力の「やらせメール」問題です。
「やらせメール」には「例文集」というのもありました。

「電力が不足していては、夏の『熱中症』が大変に心配です。
犠牲になるのは、弱者である子どもや年配者」。
「弱者の味方」を装った卑劣なものです。

 この問題は、九州電力の関連会社の方から、
共産党福岡県委員会に、
「これはあまりにひどい」と告発が寄せられました。
「しんぶん赤旗」は慎重に事実関係を確かめたうえで、
スクープ記事を掲載しました。
他の新聞もだいたいのことはつかんでいたようですが、
九州電力に否定されると、
みんな載せなかったのです。

載せたのは「しんぶん赤旗」だけでした。
国会で、笠井亮議員が追及しました。
海江田経済産業大臣は、
「そんなことが本当だとすれば許されない」といい、
その夜、九州電力は緊急記者会見を開き、
「やらせメール」の事実を認めました。

日本共産党ならではの「草の根から国会」への連携プレーでウソをあばき、玄海原発の再稼働をストップさせた。

闘い前進させよう

 中部電力や四国電力管内の国主催のシンポジウムで、
原子力安全・保安院が、
賛成質問などを要請していたことが、明らかになりました。

原子力を規制すべき保安院が、
「やらせ」を要請するなど言語道断、
文字通りの自殺行為であります。

「保安院」どころか“不安院”に身をおとした原子力安全・保安院は解体し、推進機関である経済産業省から文字通り独立した原子力の規制機関をすみやかにつくれ。
このことを強く求めたいと思います。

 「やらせ」問題は、
不正な世論操作をやらなければ、
「原発は安全だ」と住民を説得することができない、
原発がいかに危険なものであるかを、自ら証明したのが
「やらせ」にほかなりません。

 国民の声、日本共産党の活動が、政府と電力会社をここまで追い詰めたことに確信をもって、たたかいを前進させようではありませんか。

◆危険性の本質
◆89周年講演