そのなかで、政治を前に動かす変化もつくりつつあります。 たとえば、「二重ローン」の解消をめざすとりくみです。 わが党は、大震災にあたっての 「第2次提言」で、国の責任で債権を金融機関から買い取る機構をつくり、債務の減免をはかるという提案をおこないました。 この提案にもとづいて国会質問をつみかさねるなかで、 野党間で協力の流れがおこり、 参議院本会議で賛成多数で法案が可決されたということをご報告したいと思います。 衆議院でも可決・成立させ、すべての事業者に支援がゆきわたる制度とするために全力をつくしたいと思います。
“住民合意を尊重した復興”かの、はげしいせめぎあいが起こっています。 国民のなかに 「人と人との絆を大切にしたい」 という連帯の思いが広がっているとき、そうした思いを真っ向からふみつけにしようとする勢力がいます。 政府と宮城県は、日本経団連のシンクタンクの青写真にそって、大企業が自由勝手に沿岸漁業に参入できるようにする 「水産特区構想」なるものをもちだしてきました。 船を失い、漁港も、加工業も、流通業も破壊されるもとで、漁業者のみなさんが一体になって必死に再建しようとしているときに、漁業者のみなさんを追い詰め、絆を分断して、 大企業にもうけ口を提供する。 卑劣な政治は許すわけにまいりません。
先日、私は、全漁連が開催した、 「水産特区」緊急全国集会に参加しました。 全国の漁業者の深い怒りに包まれた集会となりました。 宮城県漁協の阿部力太郎理事長は、 「家や船、漁具を失った漁業者は避難生活を送りながら立ち直ろうとしている。 その苦しい時期に、なにゆえ漁場を企業に与えることを可能にする水産特区をつくらなければならないのか」 と、切々と訴えました。 岩手県漁連の大井誠治会長は、こう訴えました。 「われわれは三つの涙を流した。 大津波で壊滅的打撃を受けた悲しみの涙、 多くの励ましや支援をうけている感動の涙、 『水産特区』構想による『不安と混乱を招く憤りの涙』だ」 私が、「漁業者の絆を分断し、企業が強引に土足で浜に入ることに断固反対」と訴えますと、 温かい拍手が何度も起こりました。 共産党の委員長が、全国の漁業者のみなさんの前で話すのは史上初めてであり、深く心が通じた思いがいたしました。 日本共産党は、漁業者のみなさん、国民のみなさんと手を携え、日本の漁業、東北の漁業を守るためにがんばりぬくことをお約束したいと思います。 ◆安全神話の崩壊 ◆89周年講演 |