「震災で変わった! オンナの生き方」という特集を放映しました。 「変わる結婚観」――「被災地から遠く離れた大阪でも、震災の後、結婚相談所に入会希望する人が殺到。 ……ある30代の女性は、 『震災前は、守られたいという意識が強く、結婚してラクになりたいという気持ちがあった。 被災地の人たちの、相手の身を第一に考えて行動する姿を見て、守られるだけではなく、 守れるようになりたいと思った』と話していました」
『何かしたい、逃げちゃいけない』と奮いたちました。 仲間と協力して、被災地にドライアイスを送る活動に参加。 『前だったら、どうせダメだろうという気持ちでやる前から消極的になっていたと思います。 参加してみて、あきらめるよりやってみようという気持ちになりました』と話していました」
何となく避けてきたご近所づきあいのイメージが、震災で一変したと言います。 幼い子どもを持つ彼女は、震災の日、隣の家に住む年配の女性に親子ともども助けてもらうという出来事を経験しました。 それ以来、子どもの安全を守るには、住民同士の助け合いが大切だと感じ、自治会活動にボランティアで参加します。 すると、それまで見えていなかった隣近所の人たちの素顔が少しずつ見えてくるようになり、ご近所づきあいを見直すきっかけになったのです」
私は、ここには大切な変化があると思います。 そこに共通しているのは、 「人と人の絆を大切にしたい」という思いです。 同じような変化は、みなさんの身近にも感じられるのではないでしょうか。 国民は、これまで「自己責任」論をおしつけられて、 ばらばらにされてきました。 ところが、津波で、家族も、家も、街も失った、東北地方の人たちを目のあたりにして、 1人では何もできない、みんなで力をあわせることこそ人間社会の本来のあり方ではないか。 こういう思いが広がっているのではないでしょうか。 多くの国民が救援募金をよせ、 ボランティアにとりくんでいます。 いま、 「自己責任」論を国民的にのりこえ、 温かい社会的連帯を求める大きな変化が、 生まれているのではないでしょうか。 ◆苦しみに心を寄せて ◆89周年講演 |