関係会社に依頼

九州電力玄海原子力発電所2、3号機の運転再開に向け、
経済産業省が主催した佐賀県民への「説明番組」で、

九電が関係会社の社員らに運転再開を支持する文言の電子メールを番組に投稿するよう組織していたことが、
関係者の証言や内部文書などでわかりました。

県民の原発への疑問や不安に答える番組で、
九電が“やらせ”メールを組織することは
県民の世論をゆがめることになり、重大な問題です。

「メール送れ」の指示

地元ケーブルテレビやインターネットで視聴できる説明番組「しっかり聞きたい、玄海原発」は6月26日に生中継で行われました。

番組は、同省原子力安全・保安院や資源エネルギー庁の職員4人と大学教授が、国側が選んだ県民代表7人に安全性の説明や疑問に回答するというもの。

 関係者の証言などによると、
番組前の23、24日に九電の関係会社の社内ミーティングや社内文書で、

「九州電力から、このようなお願いが来ている」として、
「運転再開に賛成する電子メールを放送時間中に番組に送れ」と
指示が出されました。

 その際、関係会社の管理職は
「自宅からインターネットに接続して、番組の流れにあわせて運転再開を容認するメールを送るように」と
方法を説明。
文言について「一国民の立場で意見や質問を書くように」と、求めたといいます。

仕組まれた容認論

26日の放送では、放送中に届いた視聴者からの11通の電子メールやファクスが読み上げられました。

「福島の事故の収束見通しがつかない中で、運転再開すべきでない」と
する反対意見がある一方、
「原発廃止で産業が海外流出し、子どもたちがどうなるのか、次の世代のことが心配」などといった容認論も目立ちました。

 資源エネルギー庁によると、
同番組にはメールが473件、ファクスが116件よせられたといいます。

九電の関係会社は福岡など九州各地にあります。
ファクスでは、佐賀県外からの投稿が発覚してしまうため、
電子メールでの投稿を呼びかけたものとみられます。

 本紙の取材にたいし九州電力は
「そのようなことを関係会社に依頼するようなことは一切しておりません」としています。

許せない誘導

 日本共産党の武藤明美県議の話
 県民の率直な疑問に答えるべき番組が、運転再開の容認のために、九電関係者の声で誘導しようとするのはとんでもないことです。

実際に番組を見た県民から不満もあがっています。
この番組が県民への説明にならなかったことは明らかだと思います。

11年7月2日
赤旗日刊紙要約


◆核廃絶と原発
◆玄海原発官官接待
◆こんにちは植木