家族を結びつける携帯

 我が家の娘2人と息子1人が就職して3年ほど経った。
 長女が東京、長男が長崎、次女が福岡とバラバラだ。
 家族全員が揃うのは正月だけになった。

 この家族(メンバー)を結び付けているのが、私の嫌いな携帯電話である。
 家族の誕生日が近づくと、長女から「何月何日は○○の誕生日だから、忘れないでメールをするように」と電話がかかってくる。
 そこで「誕生日おめでとう」のメールを送ることになる。
 すると彼らから簡単な近況を伝える返事が返ってくる。
 それだけである。

 今は妻と二人だけの生活だが、私の活動を支えてくれる妻には、母の日と誕生日に花束を贈ることにしている。

 
息子と酒を飲みたい

 こうした家族にも私にとって一つの不満がある。
 それは28歳になる息子が私と酒を飲んだことが無いことだ。

 久しぶりに帰ってきたかと思えば、「同級生と食事に行く」と言って出かけてしまう。帰ってくるのは深夜だ。
 妻も食事の予定が立たないと嘆いている。

 考えてみると、人が社会に出れば親元から離れ、社会(先輩や友人など)によって育てられる。
 当たり前のことだが、子離れできない自分が恥ずかしくなるときがある。

困難な方向を選べ

 娘二人と息子は運良く就職できたが、派遣切りで職を追われる多くの若者達がいる。
 私の若い頃は「正社員が当たり前」だった。
 こうした時代に「若者達」「奴隷工場」「人間の条件」など社会派監督の映画に感動し、一方で娯楽”やくざ”映画を見ながら労働運動にも参加した。

 考えると楽しい青春だった。

 ところで、息子達にも今の社会の矛盾に目を向けて欲しいと思っている。
 そして、困難にぶつかったときは、迷わず困難な方向に進んで欲しいものである。

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