通用しなくなった政治

第一に、今回の結果は
「財界中心」
「日米軍事同盟中心」と
いう「二つの政治悪」を
特徴とする自民党政治
そのものが、もはや
通用しなくなり、
その崩壊過程が始まった
ここに今回の総選挙の
歴史的意義があることを
強調したいと
思うのであります。

大企業栄え、国亡ぶ

「大企業が栄えれば、
国が栄える」の掛け声で
半世紀を超えて異常な
「財界中心」の政治が
つづけられました。

派遣・パートなど
不安定雇用が、
働く人の3人に1人、
にまで広がりました。

懸命に働いても
貧困から抜け出せない
「働く貧困層」と
よばれる人々が
1000万人を超えました。

医療、年金、介護、
障害者福祉など、
社会保障が危機に
ひんしています。

農林水産業と
中小零細企業が
衰退に追い込まれ、
地域経済と地域社会が
崩壊しつつあります。

一握りの大企業は
巨額の儲けをあげたが、
国民の暮らしからは
安心も希望も奪われ、
貧困と格差が社会を覆った

「大企業栄え、国亡ぶ」
これが自民党政治の帰結
だったではありませんか

「反省」いわせた国民

9月5日、朝日新聞に
掲載された連載
「新政権 わたしは
こう見る」の第1回
「財界と政治」で
経団連政治対策委員長の
大橋光夫氏がインタ
ビューを受けています。

聞き手が「経済界は、
自民党の長期政権下で、
意思決定に深く
かかわってきました。
自民党大敗は、
経済界への批判でも
ありませんか」と
聞いたのにたいして、
大橋氏は「経団連も
反省し、変わる努力を
する機会だ」。

日本経団連に「反省」を
いわせたのは、
主権者・国民の力で
あります。

自民党の真の敗因は、
働く人々を
ないがしろにし、国民を
犠牲にして、自らの
もうけにだけ
熱中する財界・大企業を
応援する政治にあった、
そうした政治を
同じように続ける事は、
もはや通用しない、
この事を財界・大企業は
肝に銘じるべきだと
いいたいのであります。

居直りの麻生首相

日米軍事同盟を絶対化し
軍事で事を構える事しか
考えない「軍事偏重」の
政治が、変化しつつある
世界で通用
しなくなりました。

その象徴が、イラク戦争
への態度です。

8月17日に行われた
日本記者クラブ主催の
党首討論会で、
私が「この政権は
いよいよ終わりだな」と
痛感した一場面が
ありました。

麻生首相は、
「イラク開戦支持は
誤りではなかったか」と
問われ、「それなりの
成果は出た」と最後まで
居直りの態度を
変えなかったのです。

「戦争仲間」達は去った

ブッシュ前大統領が
「大統領在職中の最大の
痛恨事」とのべ、
イラク戦争反対を掲げた
オバマ大統領が
誕生しました。

イギリスでは、米国と
ともに開戦に加わった
ブレア首相が辞任に
追い込まれました。

オーストラリアでも、
開戦に加わった
ハワード首相が
選挙で大敗し、
代わって登場した
ラッド政権が
イラクからの撤退を
すすめています。

「戦争仲間」たちは
すっかり歴史の舞台から
去ったではありませんか

世界はすっかり変わって
しまっているのに、
その変化が目に入らない

21世紀の世界はもはや、
一つの超大国の思いの
ままになる世界では
ありません。

米国いいなりに
「軍事同盟中心」
「軍事偏重」を
つづける政治は、今日の
世界では通用しないと
いうことは、いまや誰の
目にも明らかでは
ないでしょうか。

■新しい政治探求
◆87年記念講演