平和への思い重ねて

体験を通した平和への
思いを「放浪記」に
重ねて語りました。

「戦争だけは、いちばん
になくしてほしい。
平和な国であるだけで、
それだけでいいんです」
と―。

目の敵にされて

森さんは、1935年に
時代劇映画の娘役として
デビュー。
「世の中は軍国調、浮つ
いた感じのするものは
目の敵にされました。」

身に覚えの無い
「売春容疑」で警察の
取調べを受けた事も
あります。芸能人の一人
として「見せしめ」の
対象にされたのです。

検閲が強まり、
自由に映画が製作できな
くなり、歌手を目指した
が、検閲で「感傷的過ぎ
る」とされ、デビュー盤
は日の目を見ず……。


戦地慰問・結核で帰国

太平洋戦争が始まると、
慰問団の一員として、
旧満州、シンガポール
等を巡業しました。

南方戦線では、一瞬の
違いで爆撃を逃れ、
命拾いした事もあります

44年、肺結核を患い、
帰国します。

若い人に伝えたいこと

若い人に語るとしたら、
「一つ言いたいと
すれば、やはり
戦争のことです。

戦争さえなければ、
あとは自分でシッカリ
考えておやりなさいと。

人を殺すことだけは、
やめたほうがいい」

本の結びにも
「戦争を知る人は、
幸せの根底にあるものは
平和だともっと大きな声
で言うべきだといつも
思っています。

平和でなければ、
誰も幸せになれない
のですから。」