ニコッと笑う赤ん坊の顔

人の背丈ほどに伸びた
高粱畑の中。

ニコッと笑いかけてきた
子供の顔が
今でも忘れられません。


1歳を過ぎたばかりと
思われる赤ちゃんでした

赤ちゃんの傍らには
脇腹から血を流した
母親が倒れていました

赤ん坊は血に染まった
おっぱいを小さな手で
撫で回していました。

母の手はシッカリと
赤ん坊の足を
つかんでいました。

嫌な気持ち吹っ切って

「肝がぞっとした。
怖気づいたが嫌な気持ち
を吹っ切って
その場を離れた」

板倉清さん(87)
=千葉市=は山東省での
罪業を振返りました。

「自分の手でやった
(殺した)
初めての人だった。

心は次第に麻痺して

1941年6月4ヶ月の
初年兵教育を終えて
初めての実戦に出た時の
ことでした。

当時21歳。
帰った後、頭に浮かんだ
のは出兵のとき
小さかった妹の顔でした

残虐行為は毎日のように
繰り返されました。
心は次第に
麻痺していきました。

■リーベンクイズ(日本鬼子)