タフネスロード6

「ふと、ご自身の劣等コンプレックスに気づくあなたへ」

コンプレックス(Complex)とは、ラテン語でCom一緒にplex折り重なると言う意味から「観念複合体」と訳されています。つまりある事象から発生した強い情動を中心として無意識の内に他の様々な感情が過去の体験や思考と共に集合した状態を言います。中には、その時に反対感情を出して意識している事を認めようとしないこだわりを持ったりします。特にコンプレックスの代名詞とも取れる“劣等コンプレックス”を維持している人は、周囲の人々が関心を持たない様な些細な事でも自身が深読みし、自身を「劣っている」と意識する場面となると【不安】や【恐怖】が生じます。そして、逃避したり過剰反応を見せたり、攻撃反応を示したりします。時に「恥をかかされた」と相手をいつまでも妬んだりする場合もあります。

 ところで「劣等性」と言う言葉も使われます。生来の又は事故などにより身体機能の不全があれば、それが「劣等性」ですが、だからと言って「劣等感」を持つとは限りません。劣等感とは、自分が他と比べ劣っていると感じ、みっともないとか恥ずかしいとか身の置き場の無い感じを持つ事です。そして、その劣等意識が高く、社会的な適切行動に影響が生じていたり心身症が発症していたら“劣等コンプレックス”を維持しているのではないかと疑う事になります。

さて、一般的に劣等意識を持つ要素にはどの様なモノがあるのでしょうか?

身体的特徴として、表面化してない部分もありますが、身長や体格、肌の色、毛髪や体毛の性質や多寡、顔の造作やシミ・ソバカス・ホクロ等の有無、歯並びの悪さや多汗症体質それに口臭・体臭のキツさも他者の目を気にしたり、周囲から遠ざかる原因になる事があります。身体部位が標準と違うと自身が判断し“おかしい”と思われるのではないかと人目を避けてしまう事もあります。又、些細な事で顔が赤面する事に恐怖を感じて行動を制限してしまう人もいます。その他に様々な体験の有無、学歴や資格取得の有無、結婚・離婚歴、収入や役職など希望との差違に劣等意識を持つ人もいます。その他、努力では変えられない事、例えば、生まれた地域や家業や両親の離婚とかいじめられた体験等々…努力で変えられるものであれば努力し、変えられないものは諦めるしかありません。その当然の『摂理』を受け入れる事が大切です。

努力で変えられる事でも、環境が整わなければ、その努力さえできず、【今は】諦めるしかない事もあります。それ以上の大切なモノに時間と資金を費やす決断をした結果なのですから。「人は誰でも平等で同じでなければならない!」と考えるから比較が生じ、恥ずかしく悲しくなり、時にその怒りを内に溜め込むか、弱い者に発散してしまうのです。又、自分は「こうでなければ恥ずかしい」と考えるから現実が苦しくなるのです。今のあるがままを認めることは出来ませんか?
自分を肯定的に捉えている人は笑顔が多く素敵です。グループの中で、その事が話題になると予測しても緊張しません。

“苦労人”と呼ばれる人は「その事だけで人間は評価されない」と言う事を良く知っている人です。
「みんな違ってみんな良い」すべては「個性」だと知っているのです。

そういう人は、自身も他人をその要素だけで評価する事がありません。

 逆に学歴や役職位や標準との差違だけで他者を評価している人は寂しい人です。特別扱いして貰いたい愛情欲求が強いか?権威への憧れが強いのかも知れません。しかし、その些細な要素だけで人をさげすみ、天狗となり、引いては周囲から浮いてしまいがちになります。人それぞれに「努力出来ない事情もある」と言う事に気づき、人格を尊重する事が望まれます。

もし、ご自身の“劣等コンプレックス”に気づく事があれば、どうぞ生活相談室をお訪ね下さい。いつでも、心を楽にするお手伝いをしております。


タフネスロード7


 「メンタルタフネスになる為のココロの整え方」
     〜 心の免疫力を高めよう 〜
 もし、あなたが人前でスピーチをするとして、どの様なことを考えるでしょうか? 次の中で一番近いモノを選んでみましょう。
@みんな感じの良い人達だ。興味を持ってくれたら嬉しいな。
A何だか気難しそうな人達が多いな。でも質問には丁寧に答えよう。
B何だか気難しそうな人達ばかりだ。答えられない質問が出たら心配だ

さて、Bを選んだとしたら、無駄な緊張からストレスを溜める性格と言えましょう。人は、その状況の困難さではなく、それをどのように受け留めたかで、ストレスの強弱が決まります。タフな方は、肯定的で客観的で多選択的で、そして柔軟な考え方をします。
年配の方々のタフネスのイメージは、「男は黙って○○ビール」の三船俊郎さんや高倉健さん、菅原文太さんだったかもしれません。無駄口を叩かず、黙って堪え忍び、愚直で真っしぐらな感じとでも言いましょうか。
あなたの“メンタルタフネス”は如何なイメージですか?
『何事にもひるまず、弱音を吐かず、くじけず、へこたれず、投げ出さず、こつこつと最後までやる』そんな感じでしょうか?
でも本当は、少し違うようです。「何事にも囚われの無い、柔軟な考え方が出来る人」つまり、次の様な「認知の歪み」の無い人こそが“メンタルタフネス”なのです。

A些細なことにもこだわる完璧主義                
B ごく僅かな現象でも過度に一般化する    
C根拠の無いことを否定的に推論する       
D悪い出来事を自分に結び付ける    

E情報の選択がいびつで一方的  
F先々を推論し結論を決めつける       
G些細なことでも拡大解釈をする     

H重要な事を過小評価する    

I理屈より好嫌の感情で決めつける             

J「こうすべきだ」と価値観を押しつける     
K オール・オア・ナッシングで決めてしまう

L 自他の責任の所在に偏りがある


更に、人から認知の歪みが有ることを指摘されてもひるまず落ち込まず、あるがままを認められる人です。
囚われのない考え方の持ち主は、頑張る事はしますが、頑張り過ぎて壊れる事にはなりません。手の抜き方も心得ていますし、いざとなれば、他人に頼ることも厭いません。自分に湧き出る自然な感情を大切にし、涙を流すことも恥ずかしいとは思いません。「あるがまま」を認めているのですから。
そんな人は、

「人事を尽くして天命を待つ」
 「人間万事塞翁が馬」

の心境を心得ています。

一生懸命に努力はするが、「不可抗力」もある。世の中、何が起こるか予測し難い。だから、『自分は今、最大限の努力はする。しかし、後は天命に委ねるだけだ』と言う気持ちを持っています。幸も不幸も同じように訪れるが、「物の取りようで如何様にも考えられるモノだ」とも知っています。この様な方は、物への執着も少なく、他人に対しても寛大です。
何故、そのような境地に至るのか?それは幼少期より沢山愛され、大切にされ、重要だと思われ、裏切られても慰めてくれる友がおり、小さな独自の成功体験を重ね、それでも為し難い喪失感に遭遇した経験のたまものでしょう。依存したり、回避していてはタフネスには至りません。頭ごなしに怒る人も決してタフネスではありません。弱みを見せまいとする虚勢なのです。

どうぞ、“メンタルタフネス”を職場で探してみて下さい。あなたの職場にも大勢いる筈です。あなたもその方と同じように仕事生活の日々を楽しく過ごしてみませんか?タフネスになれずに緊張しやすい方、お困りでしたら、生活相談室にご連絡ください。此処では、そんなあなたを変革するお手伝いもしております。


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