【十、須佐之男命と櫛稲田姫の結婚成立】
初々しく、かつ、あでやかな姿で姫が登場する頃は、夜神楽では「中入り」といって夜のの真夜中の中休みのごちそうをみんなで食べた後で、腹をおさまり、酔いも回り、目もうつろになろうかという頃である。
夢やうつつかとまどろんでいる中に姫が姿を表す。軽快な太鼓に合わせて「姫舞」が舞われる。「日も暮るるなぎさに月がはや出る  恋の闇路にわれを迷わす」と姫が歌うと須佐之男命が登場して、「ご対面」となる。姫はこの後、可憐な表情を一段と際立たせながらサンヤ拍子で「鈴舞」を舞う。