自主的な力サポート

 いま日本のトップに足りないと思うのは、選手自ら考えて柔道する力です。

 それは叩く、体罰からは生まれない。自ら考え、工夫する自主的な力が必要なのです。
「やらせよう」とする指導者の発想からも育たない。選手の思いをどう導き、サポート出来るかだと思います。

叩くことは
指導力不足

 私の後輩が殴って指導している姿を目にしました。
私は「叩くことは、自分の指導力不足なのだよ」と話しました。
彼が叩くのをやめたら、とても変わったのです。
それまでは悪いところがあると、殴って終わっていた。
でも、今度は言葉で伝えないといけない。
子供たちをよく観察し、きめ細かく指導できるようになった。
指導者として、とても成長しています。

指導者こそ努力をと
医学博士学位取得

 教えることは、本当に大変です。いつも真剣勝負です。
 選手が100人いたら、100の処方箋がいる。

 私も指導者になって、「自分の経験だけではダメだ」と感じ、弘前大学大学院でスポーツ医学を学び、昨年3月に博士の学位をとることができました。

 指導者は常に学ばないといけない。
選手に努力を求めるのが指導者です。
指導者こそ努力して、学ばなければ、選手に「努力しよう」なんて言えないじゃないですか。


13年2月10日号
日曜版より要約
◆古賀稔彦さん
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