タフネスロード1

[1.ストレス過多は、心身症やこころの病の引き金]
挑戦や賞讃などの快いストレスをEUSTRESSと呼び、恐怖や不快を感じるストレスをDISTRESSと呼びます。「ストレスチェック」のストレスとは一般的にDISTRESSの事を言います。これが高まると、副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモンの影響で、免疫力を下げてしまいます。つまり自己免疫機能の低下から風邪を始め、身体的不調が出始めるのです。又、抑圧された感情を発散する為に、怒りやすくなったり、暴力を振るったり、万引き、放火、盗撮、などの非社会的行動に走ったりする人も居ますし、アルコールや煙草、果てはパチスロなどのギャンブル依存症になる人も出てきます。業務上では、ミスを度々犯しだしたり、自信が低下し、又、失敗するのではないかと取り越し苦労が多くなり、他者と関わるのが億劫になり、調髪や身だしなみが崩れ、自尊感情や意欲も低下して来ます。耳鳴りがしたり寝付けなくなる人も出てきます。皆さんはご自身や周囲を見回して、そのような兆候を示す方に気づきませんか?もしご自身に、気になる部分があり、相談する相手が身近に居なかったり、迷惑を掛けてしまうようで気兼ねをしてしまったり、弱みを見せるようで嫌だと思われるのでしたら、是非、心理相談室にご用命下さい。一切の秘密は厳守され、ご本人の承諾がない限り、医師にも家族にも内容が漏れる事はありません。家族やご夫婦・お子様の事でも“こころの健康”にふと、関心が生じましたら、お気軽に面談をお申し込み下さい。勇気ある一本の電話から人生が変わるかも知れません。


タフネスロード2

[2.モラハラという“心理ゲーム”]
パワハラ、セクハラという言葉は、有名ですから誰もが知っていると思いますし、対策委員会を作る組織も増えています。しかし意外と知られていないのがモラハラ[モラル・ハラスメント]です。これを概説しますと、“道徳や倫理観”と言う大義名分を笠に着た“いじめ”です。老人や妊婦・障害者に率先して席を譲らない行為や、ちょっとした交通違反、唾を吐いたり、知らずに煙草を吸ってしまった条例違反など、つい誰でもしてしまいがちな行為への注意から、職場での管理・監督者への必要以上の責任追及など、形は様々です。
では、職場には、「どのようなスタイルが多いか」見てみましょう。
例えば、あなたが、ある部署グループの責任を任されたとします。しかし、あなたは、管理能力を期待されたとしても、その部署の業務全てを把握している訳ではなく、知識が十分にあるとは限らない場合も多々あります。赴任早々、古参の業務知識豊富な部下から「解らないことがあれば、何でも相談して下さい」と心易く言われ、あなたは心強く思い、ホッとする事があるかも知れません。
さて、暫くして不明な箇所をその部下に尋ねますと、「そんな基本的な事項も解らないのですか?」と蔑まれた雰囲気を作られ、説明は受けられたとしても、一部分のみ小出しに教えられます。暫くして再度、あなたが尋ねた時、「あなたをいじめ易い」と感じたその部下は少し高圧的になり「何で覚えてくれないんですか?」、「そんなことも解らないのですか?、上長として知ってて当然でしょ?!やる気があるのですか?!」と言葉や態度で示し始めます。更に周囲に対しても、あなたの尊厳を落とすような話を風潮するかも知れません。そんな時、あなたは、自らの能力の無さに恥ずかしさを覚え、情けなかったり、部下を指導できない自分に嫌気が差したりして、自信がどんどん低下していくのを感ずるかも知れません。その内に、その部下はあなたの無能を責める様に、「早く覚えてくれよ。それで良く上司が勤まるな!判らないことがあれば私に聞いてくれと言っているのに!やる気があるのか!」となじる様に言い始めるかもしれません。それでも聞いたら馬鹿にすることは目に見えていますから、あなたは一人で悩む事になっていきます。この様にして“心理ゲーム”に巻き込まれて行くことがあります。
 これは、米国の心理学者ベイトソンの「二重拘束仮説」で考えると判りやすいかも知れません。「こうしろ、こうせねばならない」と命令すると共に裏面で「そうするな、そうしたら馬鹿にするぞ」とメッセージを出し、何も出来ないで居ると、更に「今のままで良いのか」と留まることを許さないメッセージを出すのです。この様な相手は、あなたに対して、社会人として・大人として・地域住民として・親として・上長として・等々「それで良いのか?恥ずかしくないのか?」
と大義名分をかざして迫ります。あなたの良心(超自我)に訴えて、あなたを凹まそうと無意識の内にしてしまっているのです。この様な状態が長く続くと、それがコンプレックストラウマとなり、あなたは心身症を呈したり、神経症を始めとする精神疾患を患ったりしてしまいます。この“心理ゲーム”は「さぁ、とっちめてやるぞこの野郎」と言う名称が付けられていますが、仕掛ける人はプライドが高い割に、誰からも認められず、寂しい境遇の方が多いようです。又、乗せられるあなたは、真面目で心優しく自分に自信が持てない人が多いようです。もし、職場だけでなく、あなたを取り巻く周囲の人間関係で、あなたが行き詰まりを感じており、自尊感情が低いと自認しているならば、同じ相手との関係で嫌な関係を繰り返していないか振り返ってみて下さい。この“心理ゲーム”の特徴は「同じ相手と何度も繰り返す」と言うことです。
“心理ゲーム”には、この他にもいろいろな種類があります。あら探しをする人される人、自虐的に駄目な自分を演出する人、自分を特別扱いしないことを妬む人、折角のアドバイスを否定し、ガッカリする人させる人、等々があります。
人間ですから、ついうっかり失敗してしまったり、怖くて他者を注意できないこともあります。そんな自分をも受け入れて統合することが出来れば、職場も家庭も人生も、まんざら棄てたモノではありません。
興味のある方、該当すると思える方は、どうぞお気軽に心理相談室にお立ち寄り下さい。心をリフレッシュして、あなた自身の魅力と能力を十分に引き出せるよう、一緒に取り組んでみましょう。


タフネスロード3

「私は、… あの人は、… なぜ、悩むのでしょうか???」

あなたは、『セルフ・ディスクレパンシー(自己矛盾)理論』というモノをご存じでしょうか?社会心理学者ヒギンズ博士が唱えた考えですが、「人は、現在の状態と自己指針の差異を縮小するように動機づけられる」とする考えです。自己指針とは、「こうありたい」と願う理想自己と「こうあらねばならない」とする当為自己を合わせたモノです。
言い換えますと、人が感情的に苦しんだり悩んだりするのは、現実の自分についての理解の内容それ自体の問題ではなく、様々な“自己理解相互の関係の問題”である」と言うのです。
つまり、「もっと大らかな人でありたい」・「十分な業務遂行能力を持ちたい」・「他人から一目置かれたい」・「自分だけは特別な扱いを受けたい」と言った「ありたい自己像:理想自己」又は、「恥ずかしい振る舞いをしてはならない」・「年相応の業務遂行能力を持たねばならない」・「他人から尊敬されねばならない」と言った「あるべき自己像:当為自己」と現実自己のギャップを認識して悩むのであり、人は、その差異を解消する方向に駆り立てられると考える事が出来るのです。
この自己指針(理想自己or当為自己)と現実自己との間の差異のことを、セルフ・ディスクレパンシー(自己矛盾)と言います
どのような自己指針を設定するかは、個人の資質や環境によって異なりますが、理想自己と現実自己との差異は、悲しみや失望、不満などの【抑うつに関連する感情】を生じますし、当為自己と現実自己との差異は、義務や責任だと感じていることが実現できないのですから、何らかの制裁と結び付き、や緊張など【不安に関連する感情】を生じさせます。

この合理的な解決方法は、2つです。
1.自己指針を現実自己に近づけるように理想を下げたり、「あるべき自分」の認知を変容する事。
2.現実自己を、自己指針に向かうように自分の責任で、地道に努力を重ねて行く事。
なのです。
しかし、第三者が介在したり、性格的な問題など様々な理由により、それが出来ない状況があります。そこで、人はこのギャップが中々埋まらないと悩んだり、フラストレーション(欲求不満)を溜めることになります。すると、非合理的な解決方法を選択するようになったりします。

例えば@現実自己を過大評価してギャップが無いように認知を歪ませるかもしれません。この様な人は、悩んでいるようには見えませんが、現実自己に晒されるのが怖いので、現実の自分を見ないように回避したり、他人をわざと攻撃して、相手の評価を下げる事により、相対的に自己評価の低下を防いでいます。こんな人は、自分の弱さが晒されないようにニヒルを気取ったり、他人に頼れなかったりもするかもしれません。また優しく思える人や自分より弱いと思う人にかまって貰いたくてイジメたりする場合があります。
他にA自己矛盾が固着したまま、停滞している事に納得しようとする人が居ます。この様な人は、自分自身を攻撃して病気の自分を作り上げ、「病気だから仕方ない」と諦めてみたり、「ミュンヒハウゼン症候群」などに見られる一連の心理ゲームにより他人の同情や関心を買おうとしたりします。また他人やモノに依存して自律的に生きる責務を回避したりします。また逆にB自己矛盾が固着したまま、停滞するのを全て他人や社会の所為だとする人々が居ます。これらの人々は、矛盾を感じながらも、周囲に対して疑心暗鬼になったり被害妄想を感じて、それらを避けたり攻撃する事に意識を使い過ぎ、変革できない状態に納得を与えていたりしますので、慢性的な不適応感を持っているかもしれません。

さて、あなたの周囲にいる困った人や悩んでいる方は、どの様な人でしょうか?あなた自身は悩む事はありませんか?悩みが無い人とは、自己矛盾を感じていない人です。
意識せずとも、「まぁ〜こんなもんか!!」と気負いがなく、自己受容ができ、他者受容も自然に行えている人です。「幸せは自分の心が決める」と相田みつをさんも書いていますが、「過去と他人は変えられません」他人を攻撃しても気休めにしか過ぎないのです。悩んでいる人は、どうぞカウンセリングルームでご自身の心を見つめ直してみませんか?此処まで読まれたあなたには、既に、新たな第一歩を踏み出す勇気が内在している筈です。どうぞ、お気楽に御連絡ください。


タフネスロード4



ベテランなのに自信を持てないあなたへ 〜アダルトチルドレン〜

いつまでも“謙虚”である事は「美徳」なのかもしれません。しかし、もしあなたが…、何をしても心の底から満足できないでいたり、他人の評価を気にし過ぎる様でしたら、あなたは「アダルトチルドレン」かもしれません。この用語を聞いた事のある方も多いと思います。当初は、ACoA【Adult Children of Alcoholics】「アルコール依存症者に育てられた子どもで成人した大人」を意味してましたが、現在では、ACoD 【Adult Children of Dysfunctional Family】「子供時代に機能不全の家族に育てられた成人」を意味しております。具体的には、養育者に「アルコール依存やギャンブル依存やゲーム依存等」の依存症があり正常な家庭機能に支障があったり、養育者自身のストレスから暴力や性的嫌がらせ等の肉体的虐待を受けたり、叱られ続けたり無視されたりする精神的虐待を受けた子供です。
 この様な子供は、養育者から虐待を受けたとしても、「親が居なければ生きていけない」と感じていますから、暴力を振るう養育者に対しても愛されようとします。更に養育者も、子どもに対しては「悪いのはお前だ!」と言いますから、子どもは、「いつも暴力を受けるのは、自分が悪いからだ」と結論付ける様になります。その為、「暴力を受ける=自分は悪い子」と自分の誇りを失い、自己を信頼し、尊重することが難しくなります。その為、大人になった今でも自己の価値が確立しにくく、常に他人の承認や賞讃を求める事に振り回される事になるのです。
又、ACの家庭では虐待や無視、家族の恥になる事は「外で話すな!」と言う暗黙のルールが作られる事が多いのでACの子は感情などを表現する事に慣れず育ちます。そこで大人になった今でも、自分の感情を素直に表現する事が出来なかったり、適宜に喜怒哀楽を表現できないでいます。
更に、この様に他人を信頼できずに育ってきましたので、“基本的信頼”を持つ能力が弱く、他者に対して『適切な範囲』で甘える事も学習できませんでしたので、大人になった今でも他者との間に、社会人としての「距離感」を保てなくなる危険性があります。
 例えば、他者の親切に対して、いつまでも被害妄想的な意識を持っていたり、逆に、一度、親切にされただけで、「愛されている」と勘違いしたりしてしまいます。ストーカーやデートDVになってしまったり共依存の関係を作ったりしてしまうのです。
ACの人の特徴としては、次に代表されます。


自分の判断に自信が持てない。
自己感情の認識、表現、コントロールが下手。
常に他人の賛同と賞讃が必要と感じている。
物事を最後までやり遂げることが困難。
罪悪感を持ちやすく、自罰的、自虐的。
「見捨てられ恐怖」と虚無感がある。
など

精神的な病の診断分類では、境界性人格障害や自己愛性人格障害、依存性人格障害、解離性人格障害などに属することになります。
さて、ご自身にAC傾向があり、悩ましいと感じているとしたら、どう対処したら良いのでしょうか?具体的には、個別対応となりますが、
● 自分は「存在しても良い」・「大切な存在なのである」と言う自己  肯定感を持つ
● 自己を肯定する言葉(アファメーション)を使い罪悪感・劣等感
  から解放される。
● 怒りや不安の感情を表現し「未完の行為」を再現する。

この様な方向性での心理療法となります。
自信を持って穏やかに過ごせる事は、あなたの人生を一変させます。
詳しく知りたい方は、生活相談室にご連絡下さい。

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