武術は姿勢あり

武術はすべて
｢1｣に眼　｢2｣足
｢3｣胆　｢4｣に力と短い言葉で表されているが､その４つの事に最も大切な事は､姿勢である｡

正しい姿勢とは口を閉じて顎を引き寄せ､頸骨をしっかり立て､頸筋を真っ直ぐにし背筋を正しく伸ばす事である｡
坐禅でも｢耳と肩と相対し､鼻と臍とを相うかがわしむ｣と教えている｡
調身､調息と言い､正しい姿勢については厳しい｡

この姿勢でいると､頸の両側による胸鎖乳突筋が張り､その結果背骨が正しく伸びる｡背骨が伸びると臍下丹田に力が漲る｡これを繰り返していると､腹直筋や斜腹筋が発達してくる｡
したがって肉体に及ぼす影響が大きい｡

胸筋が張ってくると､その下に連続している胃腸などは上方に吊り上げられるため､大いに胃腸の運動を促す。

腹部の発達してくると､当然､腹部全体の力が強くなり､常時腹式呼吸を行うようになり､肩で息をしなくなる｡
肩で呼吸するのは､身体が正常な状態ではない｡
腹式呼吸を行い続けているうち､自然と精神も統一されてくる｡
姿勢が正しくなければ､血液の運行を妨げ､精神統一を欠き､心が動揺する事によって､大事な足や腰の力が抜ける。