浜松市、区再編に再挑戦、効率化優先に慎重論も
ー令和2年3月23日 日本経済新聞ー


政令指定都市の浜松市が行政区再編に再挑戦している。現行の7区を3区にまとめる案が2019年4月の住民投票で否決されたが、代案を提起。

市議会は特別委員会で協議を再開した。市の狙いは行政の効率化だが、住民サービス低下を懸念する声もある。市議会は再編の是非について年内に結論を出す方針だ。
「市議会での協議の進展に期待したい」。鈴木康友市長は1月、記者団にこう語った。区再編が再び動き始めたのは、19年末に市が区割り案を市議会に改めて提示したのがきっかけだ。最北の天竜区とそれ以外の6区の合区による2区案で、住民投票前にも議論されたことがある。
市議会最大会派の自民党浜松は1月の特別委員会で「遅くとも年内に結論を出したい」と表明し、他の会派も同意した。2月には自民党の主導で再編協議の工程案を定めた。

市が再編を目指す目的は行政の効率化だ。区を3つに減らすと、人件費など年間10億円を削減できると見込む。現在80万人の人口は長期的には60万人まで減ると想定。少子高齢化で社会保障が増大する中、今のままでは持続が困難とみている。鈴木市長は「将来を考えると今解決すべき問題」と話す。

経済界も同調する。スズキの鈴木修会長は「今の行政区のあり方は非効率」と強調。浜松商工会議所の大須賀正孝会頭も再編に賛同しており「(経費削減で)浮いた予算は福祉などに回せる」と説く。
区再編の原点は、12市町村が合併して今の浜松市となった05年。鈴木修氏が会長を務める第三者機関「浜松市行財政改革推進審議会」が行政運営の効率化等を市に提言した。

鈴木市長は15年の市長選で区再編を公約に掲げて当選して以来、実現を目指してきたが、19年の住民投票では天竜区、浜北区、その他の5区の合区による3区案で21年1月までに再編する案が否決された。ただ、再編自体への賛成は50.83%と反対をわずかに上回り、市が今も再編を推進する根拠となっている。

市議会で過半数を握る自民党は「住民投票で否決された」「喫緊の課題ではない」と慎重姿勢を貫いてきたが、議論を進めることには応じた。ただ、市民の間には区が減ることで高齢者福祉への対応や窓口サービスなどの質が低下するとの懸念がある。浜松市は面積が政令市最大の1500平方キロメートル以上ある。市議会の柳川樹一郎議長は「ITの活用で市民サービスを補うことが重要」と話す。

最大の焦点は区割りをどうするかだ。現行の区を合併する合区では、中核となる区に多くの予算が配分され、他の区の住民から「切り捨てられた」と不満が出る可能性がある。柳川議長は「今の浜松市は12市町村が集まってできた経緯がある。それぞれの地域の意見に配慮しないといけない」と話す。市が19年末に第2の案として出した選挙区の線引きを基にした区割りのような、柔軟な案が必要になりそうだ。

市は21年1月を再編実施時期の一つの目安にしている。再編には条例の制定なども必要なため、鈴木市長は5月までに議会で結論を出すことを目指している。日程はかなり厳しいが、鈴木市長は「最善の努力をする」と強気の姿勢を崩さない。住民投票からもうすぐ1年。浜松市の長年の懸案を巡る市と市議会のせめぎ合いに注目が集まる。


【日本経済新聞 令和2年2月26日夕刊】
法定協議会が26日、大阪府庁で開かれ、
『特別区の名称を「北」「中央」「淀川」「天王寺」とした制度案に対し、東京都中央区と北区が「名称が同じだと混乱する」と再考を求めていたが、現行案を変えないことでまとまった』。


【令和2年2月21日 日本経済新聞】
「東京の中央区は2月5日『さまざまな問題や混乱、住民の戸惑いが生じる。同一名称の使用はできるだけ避けて頂きたい』と文書で回答した。北区も『再検討してほしい』と伝えたという」。
「吉村知事は『北、中央は方角など一般名称だ』として譲らない構えだ」。
「総務省は『当事者間でよく話し合い、調整すべきもの』」。


【産経新聞 令和2年2月1日】
《住所表記どうなる》
大阪都構想が実現した場合、新たな住所表記はどうなるのか。基本原則は、各特別区の名称(淀川、北、中央、天王寺)に続いて現在の行政区名を挟む「特別区名+今の行政区名+町名」のパターンだ。
たとへば、大阪市浪速区恵比須東は中央特別区に再編されるため、新住所は「大阪府中央区浪速恵比須東」に。法整備などで「大阪府」が「大阪都」に名称変更されることになれば、「大阪都中央区浪速恵比須東」になる。
現在の淀川、北、中央、天王寺の各行政区名は、特別区名と重複するため使わない。淀川区十三東を例にとると、「淀川区淀川十三東」とはならず、「淀川区十三東」となる。
方位と混同される恐れのある西区も、新表記では省略される。西区北堀江は「中央区西北堀江」ではなく、「中央区北堀江」に。
行政区名と町名が連続する住之江区住之江は「中央区住之江住之江」ではなく、「中央区住之江」となる。
31日の法定協議会で示された法定書案では、住所表記について「地域の歴史などを考慮し、特別区設置日の前日までの間に住民意見を踏まえて大阪市長が定める」と記載。大阪維新の会は、住民アンケートや各行政区の代表者でつくる「区政会議」を活用するなど、積極的に市民の意見を聞く機会を設けるよう求めた。


【都構想への工程表 2020年1月31日 日本経済新聞】
都構想工程表を提示、移行3段階、来春に町名案ー大阪府・市 法定協でー

大阪市民「改革は必要」「橋下氏の引退残念」「高齢者支援充実に期待」
〜産経新聞平成27年5月18日〜

大阪市を二分した住民投票。市民の間からは、さまざまな感想が聞かれた。公共交通、保育所の制度、防災・・・・。反対を投じた理由としては、やはり反対派が主張した「住民サービスの低下」などへの不安があげられた。一方で、リーダーとしての橋下徹・大阪市長の行政手腕を評価する声も少なくなかった。いずれにしても、今後の大阪の発展を望む声が強かった。
【反対に投じた市民の声】「70歳以上の公共交通を有料化したことなど、橋下市長の政策で、高齢者にとっては良いことは何もなかった」(大正区の自営業女性70歳)。「橋下氏は否定したが、保育所の制度が変わってしまうのではという不安があった」「反対派が訴えていた防災が充実しないという訴えにも説得力があった」(大正区の主婦32歳)。「賛成ならば生活保護が切られるんじゃないかと心配した」(西成区の無職男性74歳)。
【賛成に投じた市民の声】「西成のイメージを払拭してくれるのは橋下さんしかいないと思ったのに・・・」(西成区の主婦68歳)。「子どもや孫が暮らしやすい大阪にするために、次のリーダーに頑張ってもらいたいが、それができるのは橋下氏しかいないという思いは残る」(東成区自営業72歳)。「子供の将来のため、もっとおおさかが良くなって欲しいと思ったので『変わることに』賭けてみた」(北区の女性会社員35歳)。「今の大阪には思い切った改革が必要だと感じていた。今回の住民投票がその最大のチャンスと考えたのに・・・」(北区のパート女性52歳)

存続でも「現状」にはNOだ!産経新聞社会部長、佐藤泰博
〜産経新聞平成27年5年18日〜

市民の選択は、大阪市の存続だった。大阪市を5つの特別区に分割する「大阪都構想」をめぐる5年近い論争に終止符は打たれた。ただ、これで終わったわけではない。存続を選択した大阪市民の一人一人が、大阪をどんな街にしたいのか考えていく始まりである。
都構想が一気に注目を集めたのは、4年前の統一地方選挙だった。都構想を掲げた大阪維新の会が府議選で過半数、大阪市議選でも第一党に躍進したからだ。背景にあるのは、大阪府と大阪市が競い合うように進めた大型開発事業が次々と破綻、巨額の負債を積み上げた苦い経験だ。「二重行政を解消し、司令塔を一つにすれば無駄はなくせる」。その主張は、多くの市民の心を動かした。
だが、都構想を具体化する作業が進められるにつれ、様々な疑問が生じた。本当に効果はあるのか、市民サービスは低下しないのか・・。一方で、維新の強引とも思える協議の運営方法にも批判が集まった。都構想の「設計図」は議会でいったん否決されたが、公明の方針転換でほぼ同じ「設計図」のまま可決されたという不可解な経緯にも、市民は不信を募らせた。
さらに、大阪市をいったん解体すれば、二度と後戻りできないことも大きな心理的ブレーキになったのだろう。初の政令指定都市の解体という劇薬ではなく、既存の枠組みでの改革を望んだのだ。
大阪市の存続を訴えていた自民などの各会派も喜んでばかりいては駄目だ。
都構想が生まれたのは、「府市あわせ」と揶揄されるように、巨大な財源と権限を持つ大阪市と府の連携の悪さが大阪全体の発展を阻害していると感じる市民が多かったからだ。言い換えれば、これまで通りの大阪市には「NO」であることを胸に刻んで欲しい。そんな市民の厳しい目を忘れることなく、今後の改革を主導していく責任がある。大阪を取り巻く状況は厳しい。大阪のGDPの全国におけるシェアは低下傾向が続き、地盤沈下は否めない。さらに三大都市圏で最も早く人口減少を迎え、全国を上回るスピードで高齢化が進むと見られており、残された時間は少ない。
強調したいのは、決まったのは大阪市の「かたち」だけであり、この街、そして大阪全体が目指す未来の「中身」ではないことだ。
投票率が、知事選とのダブル選だった平成23年の市長選を上回ったように、市民の関心は高かった。この関心を萎ませることなく、大阪をもう一度輝かせるため、市民とともに「中身」の議論を深めて欲しい。

橋下氏「総合区進めて」、自公の対案に前向き〜産経新聞平成27年5月18日〜

大阪市を廃止して5つの特別区に分割する「大阪都構想」の住民投票が反対多数に決まってから一夜明けた18日、大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は、同市役所で開かれた所属長会議に出席。これまで反対派が提起してきた行政区の権限を強化する「総合区」や、府と政令市が協議する「調整会議」の導入を進めるべき課題として挙げ、「なんとか前に進めてもらいたい」と述べた。
会議では、住民投票の結果を受けて「政令市の枠組みを軸に、問題提起された二重行政の解消と住民自治の拡充をしっかり進めてもらいた」と指示。
僅差で多数だった結果については「政令市の枠を大切に市政運営していくとの住民の意志が示されたが、今の市の枠組みに問題意識を持つ市民の数も相当だった」と分析した。自身は12月の任期切れでの政治家引退を明言していることから、「任期中でやらなければいけないことをできる限り進めたい」としつつ、「広げた風呂敷をたたまなきゃいけないものもある」とも語った。
また、制度設計を担った「大都市局」をはじめ、39回で市民約3万人が参加した住民説明会運営など、職員の尽力に謝意を示し「実現できなくてトップとしては申し訳ない」と述べた。
一方で、「国全体の統治機構改革が行われるときに(職員の経験は)唯一の参考資料になる」と、自負もにじませた。
この日、橋下氏は午前11時15分ごろ登庁。報道陣の問いかけには「十分眠れました」「頑張ります」などと答え、笑顔で庁内に入った。
また午前9時すぎには、ツイッターに「たくさんの方からツイート頂きありがとうございます。エールに感謝します!」など、寄せられた励ましへの謝意を書き込んだ。

都構想反対、大阪市存続
橋下氏、政界引退へ 〜産経新聞平成27年5月18日〜

大阪市を廃止し、5つの特別区に分割する「大阪都構想」に住民投票は17日投開票され、大接戦の末、反対が70万5585票と、賛成の69万4844票を1万741票差で上回り、政令指定都市として初めて存続が問われた大阪市の存続が決まった。大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は記者会見し、12月の市長の任期満了をもって政界を引退する意向を表明。国政政党「維新の党」の江田憲司代表も同日夜、代表を辞任する意向を松野頼久幹事長に伝えた。松野氏は今後の対応などについて近く協議する意向を示した。
橋下氏は市内のホテルで開いた会見で「住民の気持ちをくみ取れなかった。政治家として能力を欠いていた。市長任期まではやるが、それ以上政治家はやらない」と明言。平成20年2月の知事就任以来の経緯も振り返り、「自分なりに悔いのない7年半、政治家として思う存分やらせていただいた」と述べた。橋下氏が提唱してから5年余り続いた都構想の議論は終止符が打たれた。都構想実現を掲げて結党した大阪維新の会について橋下氏は、「個人政党ではないので、次のリーダーにしっかり引き渡して行きたい」と述べ、今後も地域政党として活動して行く方針を明らかにした。江田代表の辞任意向については、「代表の責任問題ではない」との認識を示した。
会見に同席した維新幹事長の松井一郎知事は自身の進退について明言しなかった。今回の敗北で維新側が大きな打撃を受けるのは必至だ。
一方、そろって反対した自民、公明、民主、共産の各党は今後、大阪府市両議会での連携を模索。大阪維新の会議員の切り崩し工作も行われると見られ、両議会で主導権争いが激しくなりそうだ。半年後に実施される予定の知事、市長選の行方も注目される。また、結果は僅差で変革を求める声が多かったことを踏まえ、維新以外の政党には大阪再生に向けた抜本的な改革案が求められる。
市選管によると、当日有権者数は210万4076人で、投票率は66.83%だった。投票率は、橋下氏が知事を辞任して出馬し、知事選とのダブル選となった23年11月の市長選(60.92%)を上回った。

町内会「都構想に反対」、
橋下市長、補助金停止も検討〜産経新聞平成27年4月18日〜

大阪市内の町内会で組織する「市地域振興会」は市を廃止し、5つの特別区に分割する「大阪都構想」に反対する方針を決めた。橋下徹市長は「住民が賛否で真っ二つに割れ、コミュニティに亀裂が生じかねない」として問題視し、補助金の交付停止を含め、対応を検討する構えを見せている。
振興会は14日、市内24行政区ごとに設けた組織の代表者を集め、都構想への反対を多数決で決定。住民サービスの低下を懸念する声が強かった。住民投票(5月17日投開票)で反対票を投じるよう、回覧板などで呼びかけるという。
関係者によると、橋下氏は16日に補助金停止の検討を担当部局にいったん指示したが、その後、取り扱いを保留した。17日、今後の対応について「慎重に検討する。行動をよく見る」と市役所で記者団に語った。
振興会は市内約137万世帯のうち6割程度が加入しているとされる。橋下氏はこれまでも、平成23年の市長選で幹部らが平松邦夫前市長を支援したとして批判してきた。

菅官房長官、経験振り返り
「大阪市vs府、びっくりした」〜産経新聞平成27年3月19日〜

菅義偉官房長官は18日の記者会見で、大阪市を廃止し特別区に分割する「大阪都構想」の住民投票実施が確定したことについて、「二重行政の解消と住民自治の拡充を図ることが目的で議論されてきた」と大阪都構想の意義に関する見解を表明した。
菅氏は「総務相を経験したときに痛感したが、大阪市と大阪府というのはまさに対立する構造にあって、正直言ってびっくりした」と述べ、自らの経験を振り返った。
その上で、「よく言われるのが浄水場で、大阪市と大阪府(の浄水場)が近接している。例えば神奈川県をみると、県全体として企業団をつくって、そこは分散して作っている。そういうことがたぶん大阪で取られてなかった。そういう結果からこういう機運が上がってきたのだろうと思う」と述べた。

都構想 住民投票確定
大阪府議会も協定書可決〜産経新聞平成27年3月18日〜

大阪市を5つの特別区に分割し、大阪府と再編する「大阪都構想」の協定書(設計図)議案が17日、府議会本会議で採決され、大阪維新の会や公明党などの賛成多数で可決した。13日に可決した大阪市議会とともに承認されたことで、都構想の是非を問う大阪市民対象の住民投票の実施が確定。市選管が近く、4月27日告示、5月17日投開票の日程を決める見通しだ。
都構想は、橋下徹大阪市長が代表を務める維新の看板政策で、府市の二重行政の解消を掲げる。
採決前の演説で、維新府議は「都構想が実現すれば二重行政は解消される」と主張したのに対し、自民府議は「現状でも二重行政の解消は可能」と反論。一方、公明府議は「協定書は極めてずさんで断固反対だが、(首長と議会との)不毛な対立を収束させるため住民投票で決着をつけたい」と強調した。
住民投票で賛成多数となれば、平成29年4月の特別区設置が決定。制度創設後初めて政令市がなくなり、市は人口約34万人〜69万人で中核市並みの権限を持つ北、湾岸、東、南、中央の5特別区に分割される。新大阪府(都)がインフラ整備や都市計画など大阪全体の成長戦略を、特別区が教育や福祉など住民に身近な行政サービスを担う。協定書は昨年7月、府市法定協議会で維新単独で決定したあと、10月の府市両議会で公明を含む野党側が反対して否決。しかし、昨年末の衆院選で維新の党が府内で比較第一党となったことを重視した公明が住民投票実施に協力する方針に転じ、今年1月の法定協議会でほぼ同じ内容の協定書を決定。2月に両議会に再提案された。

都構想賛成43%、反対41% 共同通信世論調査
橋下氏説明「不十分」70% 〜日本経済新聞平成27年3月16日〜

大阪市を分割して大阪府と再編する「大阪都構想」について、共同通信社が大阪市の有権者を対象に14.15両日実施した電話世論調査によると、賛成が43.1%、反対は41.2%と拮抗した。都構想を推進する橋下徹市長の説明に関し70.1%「十分ではない」と回答、「十分だ」とした22.8%おw大きく上回った。
5月17には構想の賛否を問う実施される見通し。市民意見は割れ、判断材料を求めていることが示された。
賛成理由は「二重行政が解消される」(49.8%)、「思い切った改革が必要」(19.3%)の順。反対理由は「メリットがわからない」(35.0%)、「住民サービスが良くならない」(16.3%)が多かった。
住民投票に「行く」としたのは「必ず」と「多分」を合わせ92.8%。賛成で「行く」と答えたのは計92.2%、反対で計90.7%だった。
都構想の内容を5.8%が「よく理解している」、49.7%が「ある程度理解している」とし、「あまり理解していない」は31.8%、「ほとんど理解していない」が11.9%だった。
橋下氏「支持する」とした人は52.4%、「支持しない」は39.6%。支持理由では「改革のリーダーシップがある」(72.9%)、不支持理由は「進め方が独善的だ」(66.7%)がそれぞれ最多だった。
4月の市議選での政党・政治団体別投票先は維新36.2%、自民党16.0%、共産党7.7%、公明党7.2%、民主党3.6%の順。
都構想への賛否を支持政党別にみると、推進している維新の党は賛成86.6%、反対6.1%。反対している各党のうち、自民支持層は反対47.0%に対し、賛成も38.6%いた。他の党の支持層で賛成は民主15.7%、公明18.1%、共産16.2%だった。

都構想協定書を可決 大阪市議会 5月住民投票ヘ 〜産経新聞平成27年3月14日〜

大阪市を5つの特別区に分割し、大阪府との間で役所機能を再編する大阪都構想の協定書議案について、大阪市議会は13日の本会議で採決し、大阪維新の会と公明党の賛成多数で可決した。17日の府議会本会議でも可決されれば、制度創設後初めて政令市の存廃を問う大阪市民対象の住民投票が5月17日にも行われる。住民投票で賛成多数となった場合、平成29年4月の特別区設置が決定。橋下氏らは「都」移行に必要な法整備を働きかけて行く。
採決前の演説で自民市議は「協定書は突貫工事で作られた欠陥だらけの不良品。特別区設置で身近な住民自治など確立できない」と批判し、維新市議は「統治機構を変えることが大阪市が長年抱えてきた府との対立など根本的問題を解消する手段となる」と強調した。採決では維新会派から1人の造反者が出た。
協定書によると、市は北、湾岸、東、南、中央の5特別区に分割。新大阪府(都)がインフラ整備などの広域行政、特別区が教育や福祉など住民に身近な行政サービスを担う。橋下氏は、現在の大阪府・大阪市体制の弊害として二重行政を指摘し、解消の切り札として都構想を掲げる。
協定書は昨年7月に府市法定協議会で決定後、10月の府市両議会で公明を含む野党側が反対して否決。しかし、同年末に公明が「都構想議論を収束させるため住民投票で決着する」と協力方針に転じ、今年1月13日の法定協でほぼ同じ内容の協定書を決定。2月に府市両議会に再提案された。
府市両議会での協定書承認後、大阪市選管が4月27日告示、5月17日投開票の住民投票日程を決定する見込み。この日、住民投票の実施経費7億4700万円、協定書に関する広報費1億8500万円の予算案が上程された。
住民投票で否決されれば都構想は頓挫。その場合、橋下氏は12月の市長任期満了とともに政界を引退すると明言している。

橋下市長 都構想の協定書 24日本会議提出〜産経新聞平成27年2月18日〜

橋下徹大阪市長は17日の議会運営委員会で、市を廃止して東京23区のような特別区に分割、大阪府が広域事業を担う「大阪都構想」の協定書(制度案)を24日の本会議に提出すると伝えた。「大阪にふさわしい大都市制度の実現に取り組んできた。十分な議論をお願いしたい」と述べた。

都構想 大阪府市が工程表案
住民投票承認なら新町名を来夏決定〜日本経済新聞平成27年2月13日〜

大阪都構想を議論する大阪府・市の法定協議会が12日、大阪市役所で開かれ、今井豊会長(大阪府議)が協定書を松井一郎大阪府知事と橋下徹市長に手渡した。協議会後、知事、市長と大阪維新の会の委員だけで行った懇談会では、都構想が住民投票で承認された場合、特別区の新町名を来年8月ごろに決めるなどとした移行期間の工程表案が示された。
工程表案は府市の事務局が作成。橋下市長は法定協議会で説明を受けることを提案したが、自民党の委員が「議会で議論すべきだ」と反発。維新側委員のみが説明を聞いた。工程表案によると、市を再編して設ける5特別区の新町名は「原則として現在の行政区名に現町名をつなげる」とした法定協議会での議論をもとに今年8月ごろに素案を公表。住民アンケートなどを経て、市長が2016年8月をめどに決める。
区役所庁舎は既存施設を活用するが、面積が不足する新・東区など3区は民間ビルなどに暫定的な庁舎を置いた上で、移行後に選挙で選ばれる区長と区議会が建設を決定した後、5年以内をめどに完成させる。
特別区間の税収格差を抑えるため、府が税収を再配分する財政調整制度の配分割合は16年9月の府市両議会で仮の割合を提示。両議会の議論を経て決定するとした。
この日の協定書の手交は、高市早苗総務相が了承したことを受けて行われた。松井知事と橋下市長は月内に開会する府市両議会に協定書の承認を求める議案を提出する。
橋下、松井両氏は法定協議会で「協定書を議会でしっかり議論してまとめたい」と強調。自民党市議団幹部は法定協議会終了後、「常任委員会などで審議して問題点を明らかにする」と話した。

息吹き返す大阪都構想
公明が方針転換、住民投票ヘ〜日本経済新聞平成27年2月5日〜

橋下徹大阪市長が推進する「大阪都構想」が息を吹き返した。昨年秋の大阪府・市両議会で他党の反対多数で否決されたが、同12月の衆院選後に公明党が突然、住民投票の実施に賛成する方針へ転じたためだ。住民投票は今年5月に実施される見通しで、構想はにわかに現実味を帯び始めている。
「決断を受け入れてほしい」。公明大阪府本部代表の佐藤茂樹衆院議員が力を込めた。昨年12月28日、都構想案には反対しつつ、住民投票実施は賛成に転じる党本部の方針に理解を求めた場面だ。別室には支持母体、創価学会の関西の幹部らも控えていた。府議・市議は「従うしかない」とうなだれた。
「府市の二重行政を解消し、都市の競争力を高める」。都構想は、橋下氏が府知事だった2010年に地域政党「大阪維新の会」を設立した時から提唱する看板政策だ。府と市を統合・再編し、「東京都と23特別区」と似た形にする。
橋下氏が国政進出の構えを見せた12年、特別区設置を可能にする大都市地域特別区設置法が国会で成立。府市は翌年、同法が構想案を検討する場と定める法定協議会を知事や市長、府議、市議計20人で立ち上げた。
急ぐ維新は昨年夏、事実上単独で法定協を開き、広域行政の権限を府に集中させた上で市を5区に分割、各区に公選の区長・区議を置くなどとする協定書(構想案)をまとめ、住民投票に向けた第一関門を突破した。だが他党の反発で、議会の承認が得られず、構想はついえたかに見えた。それから数ヶ月。にわかに息を吹き返した背景に何があったのか。
(衆院選が影響)
ポイントは直前の衆院選の結果だ。維新は府内の比例代表得票数で自民党を抑え1位になった。公明府本部幹事長の小笹正博市議らは「東京の党本部が維新に一定の支持があると判断した」と、態度変更の理由を説明する。維新、公明の若手の間では、公明が候補を立てた大阪・兵庫の6選挙区で維新が候補擁立を見送ったことと絡め「取引があったのではないか」ともささやかれる。
松井一郎大阪府知事が太いパイプを持つ菅義偉官房長官が公明側に働きかけたとの見方もある。憲法問題などで考え方が近く、菅氏は都構想を評価する発言も繰り返している。4月の統一地方選挙を控え、維新には、都構想実現を党勢拡大につなげたいとの思惑も広がる。
(風を起こせる)
1月15日夜、大阪市内の料理店で橋下、松井両氏と総務会長の片山虎之助参議院議員がフグに舌鼓を打った。「住民投票に向けて支持はぐんぐん上がる」。橋下氏が自信を見せると、片山氏は都構想の実現を見越し、「あんたたちが来年の参院選に出馬すれば風を起こせる」と国政進出を促した。
江田憲司代表らは、野党再編を優位に進めるため、住民投票までは動きを控える構えだ。民主党も維新との関係を巡り「都構想の成否を見極めなければ」と様子見を決め込む。
1月13日に開かれた法定協は、公明が方針通り賛成に回り、構想案を改めて決定した。他党は「現体制でも府市間の業務の調整は可能」と反対し、再編の効果額や移行コスト、特別区間の財政調整制度の有効性を巡っても双方の議論は平行線だ。しかし構想案は2月開会の府市両議会で維新、公明両党の賛成で承認される見込みで、5月17日の住民投票ヘ突き進む。
橋下氏の市長任期は12月まで。住民投票で特別区設置が決まれば「責任を持つ」と続投を示唆したかと思うと「そのときに考える」とも述べている。ただ現行法では名称は「大阪都」にできない。橋下氏は「都にする法案を維新で出す」と強調する。
住民投票で過半数が賛成すれば、17年4月に「都」に移行する。大阪市の有権者214万人が下す決断は、大都市の統治機構のあり方だけでなく、国政の行方にも影響しそうだ。(堅田哲)

安倍首相「都構想目的は重要」〜産経新聞平成27年1月28日〜

安倍晋三首相は27日の衆院本会議で、大阪都構想について「大阪都構想は二重行政の解消と住民自治の拡充を図ろうとするものであり、その目的は重要だと認識している。政府としては住民投票で実施の意思が示された場合には必要な手続きを進めて行く」と述べた。
また、道州制導入に関しては「地域経済の活性化などを目指し、国と地方のあり方を根底から見直す大きな改革だ。与党で議論を前に進めるべく検討が重ねられてきており、政府としても連携を深め、取り組んで行く」と語った。

創価学会は自主投票
都構想住民投票 公明に伝達〜産経新聞平成27年1月27日〜

大阪都構想の是非を問う住民投票について、公明党の支持母体である創価学会が、自主投票とする方針を公明大阪府本部に伝えていたことが27日、公明関係者への取材で分かった。公明は住民投票実施に賛成へと方針転換する一方、都構想自体には反対の姿勢を示しているが、住民投票で学会票が一定程度、賛成に回る可能性がある。
公明関係者によると、26日に大阪市内で開かれた学会と公明府本部の幹部会合で自主投票の方針が伝えられたという。学会関係者は「過去の住民投票でも自主投票だった。党の議員を支持する選挙とは違うため、縛れない」としている。
公明は昨年末、学会の意向などを受けて住民投票実施に賛成する方針に転換。
一方で、住民投票では反対運動を展開する意向を示していた。
府本部幹部は「都構想に反対して行く方針に変わりはない」としているが、学会関係者は「反対運動に協力することも難しいだろう」と話している。
都構想をめぐっては、公明の方針転換により、今月13日の法定協議会で協定書が決定。今後、大阪府市両議会の2月定例会での議決を経て、5月17日に住民投票が行われる見込みとなっている。

橋下氏「大大阪で世界と勝負」
都構想協定書決定後初の街頭演説〜産経新聞平成27年1月18日〜

大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は17日、大阪都構想の協定書が決定してから初となる街頭演説を大阪市内で行った。5月17日に実施される見通しとなった住民投票を見据え「大阪府と大阪市が一体になって世界と勝負する大大阪をつくりましょう」と訴えた。
この日は幹事長の松井一郎大阪府知事とともに平野区や住之江区など市内3カ所で街頭演説を実施した。
橋下氏は府市が緊密に連携している現状を結婚に例えて「結婚なんて、いつ離婚するか分からない」と説明。役所機能を再編する都構想で都と特別区の役割分担を明確にし、二重行政を防ぐことの必要性を強調した。
さらに東京都と大阪都の両輪で日本を支えるとし、「住民投票で新しい大阪の未来に挑戦したい。決めるのは市民のみなさんだ」と呼びかけた。
今月13日、府市の法定協議会で協定書が決定。協定書は議案として2月開会の府市両議会に提出され、維新、公明の賛成多数で可決される見通し。住民投票で賛成多数となれば、都移行が決まる。移行時期は平成29年4月とされている。

「大阪都」協定書決定
法定協、維新と公明賛成〜産経新聞平成27年1月14日〜

大阪市を5つの特別区に分割し大阪府と再編する大阪都構想の制度設計を行う法定協議会が13日、府庁で開かれ、昨年10月に府市両議会で否決された協定書が微修正された上で、大阪維新の会と公明党の賛成多数で決定された。橋下氏と維新幹事長の松井一郎知事は2月の両議会に議案として再提案し、可決される公算が大きい。5月17日には都構想の是非を問う大阪市民対象の住民投票が実施される見込みで、賛成多数を得れば平成29年4月にも都構想が実現する。
『5月17日住民投票』
協定書は昨年7月の法定協議会で維新が単独で決定。今回、他市とのごみ処理事業連携に関する修正が加えられただけで、前回とほぼ同じ内容で採決を行った。
自民や民主、共産各党は「住民サービスを悪くするのは火を見るよりも明らか」など、協定書の不備を指摘し採決で反対。一方、10月の両議会の採決で反対した公明は協定書の内容には反対だとしながら、「都構想議論を収束させるため住民投票で決着をつけたい」と賛成に回った。
公明は、昨年12月の衆院選で維新の党が府内で比例代一党となったことから党本部の意向を受けて方針転換した。住民投票では、自民などと連携し、否決を目指す。
法定協会長の今井豊府議は14日に協定書を総務省に提出。松井、橋下両氏は総務省の意見を添えて、2月の両議会に議案として提出する。両議会でも公明は賛成する方針のため可決はほぼ確実な情勢だ。
法定協後、橋下氏は記者団に「今後、住民投票に向け総力を挙げて住民に説明していきたい」と述べた。
『異例、議会で一度は否決』
議会でいったん否決された協定書がこの日、「内容について反対多数。住民投票実施は賛成多数」という分かりにくい構図でよみがえった。今後、敷かれたレールに乗って住民投票が実施されるとみられ、議会のチェック機能のあり方に一石を投じるとともに、住民投票の前哨戦とも言える府議選、市議選にも影響を与えそうだ。

公明党大阪市議団、住民投票了承も
都構想は反対、今日法定協議会再開〜産経新聞平成26年12月30日〜

大阪維新の会が掲げる大阪都構想をめぐり、大阪府市の法定協議会が30日に再開されるのに先立ち、公明党市議団は29日、都移行の是非を決める住民投票の実施を了承する一方、都構想反対をアピールしていくことを決めた。公明と足並みを揃え、都構想の協定書議案を否決した市議会の野党会派は「矛盾している」と不信感をあらわにした。
市役所で開かれた公明市議団の会議で、小笹正博団長が、所属議員らに諮らず住民投票実施に賛成という党方針を決めたことを謝罪。法定協議会や市議会で都構想反対の立場から問題点を追求することを確認した。市議団は、党本部の意向に従い、住民投票実施のため来年の2月議会で協定書議案に賛成することを決めた。
また、市議団の見解を書面にまとめ、野党他会派に提示。「反対の姿勢に変わりはない」との一文を明記するなどし、待場康生幹事長がそれぞれの控え室を回って了承を求めた。
他会派との幹事長会議では「協定書の中身に反対しているのに採決で賛成するのは自己矛盾だ」と公明に抗議する声が続出。自民の柳本顯幹事長は「理解できない」と批判。共産の山中智子幹事長は「(方針転換を)思いとどまってほしかった」と話した。
待場幹事長は記者団に「苦渋の決断だ。私も議員として矛盾を感じる」と吐露し、住民投票では「(反対多数により都構想をつぶし)橋下市長には退陣していただく」と語気を強めた。

都構想住民投票「執行部は拙速」
公明議員渦巻く怒り 〜 産経新聞平成26年12月29日〜

「結論ありき」の説明に不満の声は収まらなかった。公明党大阪府本部で28日開かれた会合で、佐藤茂樹・府本部代表は大阪都構想の可否を決める住民投票実施に賛成する方針を説明。執行部が、大阪維新の会との「公党間の合意」として5月17日実施を一方的に告げる形になった。これに対し、出席した府議や大阪市議からは「納得できない」と怒りの声が上がった。結論は出ないまま会合は終了し、現時点では、党としての態度を一本化する見通しも立たない。
「新聞報道の方がよっぽど詳しいぞ」
住民投票実施に協力するとの突然の方針転換の経緯を伝える佐藤氏に、会場から声が飛んだ。佐藤氏の話は、26日に一部伝えられていた内容の域を出ないものだったという。出席者のいらだちは募っていた。
市議団幹部によると、会合は約2時間にわたった。突然の方針転換を受け、府議や市議らは「(支援者に貼ってもらった)ポスターを外されてしまった」などと、地元の支援者から寄せられた声を報告した。
市議団幹部も「市議団や府議団の了解なしに執行部が話を進めていることに不満が噴出した。なぜこれほど拙速なのか」と不信感をあらわにした。
30日には、都構想の設計図にあたる協定書の内容を議論する法定協議会が再開される予定だが、それまでに府本部として意見を集約する予定はなく、混乱は収まりそうにない。ある府議は語気を強めた。「今は法定協議会(に臨む)以前の問題だ」

大阪都構想の住民投票
5月17日軸に検討 〜日経新聞平成26年12月29日〜

大阪都構想の是非を問う大阪市民対象の住民投票の実施日について、公明党が大阪維新の会の提案を受け、来年5月17日を軸に検討を始めたことが28日、同党関係者への取材で分かった。住民投票で過半数の賛成が得られた場合、大阪府・市を再編・統合する都構想が実現することになる。
公明党大阪府本部は28日、大阪府議、市議らを集めた会合を市内で開いた。出席者によると、府本部代表の佐藤茂樹衆院議員ら幹部が、投票日を「来年5月17日としたい」などと説明。府議、市議は「地元議員で決めるべきだ」などと反発し、今後、府議団、市議団で議論することを決めた。
公明府本部幹部は来年2月開会の大阪府・市両議会会期末の3月中旬に都構想の協定書(設計図)議案を可決する方針で維新と合意。一方、公明は都構想を巡って維新と対立してきた経緯があり、公明議員の間には住民投票の実施自体への反対が根強くある。
大都市地域特別区設置法は、協定書議案の可決が法定協議会に通知されてから60日以内に住民投票を実施すると規定。日程は市選挙管理委員会が準備期間などを考慮して決めるため、流動的な面も残っている。

維新松井氏、都構想住民投票 5月にも
統一選後 周知期間を確保〜産経新聞平成26年12月28日〜

大阪維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事は27日、大阪都構想の是非を問う大阪市民対象の住民投票に関し「丁寧な説明が必要だ」と述べ、来年の統一地方選挙後の5月にも実施するのが望ましいとの認識を示した。市民への周知期間を確保すべきだとの判断と見られる。協力姿勢に転じた公明党側との協議後、市役所で記者の質問に答えた。
住民投票は、都構想の協定書議案を大阪府市両議会で可決し法定協議会に通知後、60日以内に実施する。維新内では大阪府市議選がある来年4月12日の統一選前半戦と同日に行えば、一定の投票率が期待できるとの声があった。一方、来年2月議会の最終日は府議会が3月17日、市議会が同13日で、採決が会期末になれば統一選前半戦まで約1ヶ月しかないことになる。
今月30日再開の法定協で協定書の修正作業がスタート。維新代表の橋下徹市長と松井氏は協定書議案を2月の両議会で再提出し、公明と合わせて過半数の賛成を確保する考えだ。
27日の協議には橋下氏も出席。公明側は小笹正博府本部幹事長や清水義人府議団幹事長らが参加した。清水氏は協議後、修正に不満足でも「最後は住民に決めてもらうしかない、との判断になる」と述べ、採決で賛成する意向を表明した。

都構想、住民投票実施へ 公明、維新案容認の公算、
党本部 衆院選受け転換指示〜日経新聞平成26年12月27日〜

大阪維新の会が推進する大阪都構想の是非を問う大阪市民による住民投票が実施される公算が大きくなった。公明党の大阪府本部が26日、住民投票の実施に協力する方針を確認した。公明は30日から開かれる法定協議会で、維新が事実上単独でまとめた協定書(設計図)を容認する方向で調整に入った。協定書議案は来年2月の大阪府・市両議会に提出される見通しだ。
公明は26日午後、大阪市西区の府本部で府議や大阪市議、堺市議らの緊急会合を開いた。参加議員の一人によると、執行部側から「住民投票の実施までを了承する。東京の(党本部の)判断。受け止めて欲しい 」などと説明があったという。
公明の小笹正博市議団団長(府本部幹事長)は会合後、記者団に「住民投票で決めたいというのは了解する 」と述べ、住民投票の容認を確認したことを明らかにした。
小笹氏は、7月につくられた現行の協定書の「内容には反対」との姿勢を崩していない。府議や市議の間にも「修正が必要」との声が根強い。
ただ橋下市長や松井一郎知事は来年2月議会に協定書議案を再提出する意向が強く、公明側は「大幅な修正を加える時間はない」と判断。法定協などで内容には反対と主張しつつ、住民投票実施のために了承する方針と見られる。公明は12月25日夜に会談した橋下、松井両氏からの要請を受け、法定協の再開で合意。住民投票実施の容認についても伝えたもようだ。
公明の姿勢が転じたのは、14日投開票の衆院選で、維新の党が府内最多の比例票を集めたのを重くみた公明党本部が府本部に指示したことが背景と見られる。
一方、橋下市長は26日の記者会見で、協定書議案を2月議会に再提出する考えは「変わっていない」と強調。再開後の法定協の「議論を見て欲しい」と話した。25日夜の公明との会談については「答えない。先方に聞いて欲しい」とした。都構想の実現には府・市両議会で協定書議案の承認を経たうえで、大阪市民による住民投票で過半数の賛成を得ることが必要。両議会で協定書議案が了承されると知事、市長は速やかに法定協に通知。市選挙管理委員会は通知日から60日以内に住民投票を実施する。
《統一選同日実施は不透明》
大阪都構想の是非を問う住民投票の実施時期について、大阪維新の会内部には来年4月の統一地方選挙との同日実施をめざす案もある。再開される法定協議会では、これまで対維新で公明党と共闘していた自民党や民主系会派の府議や市議も参加する見通しだが、住民投票の実施時期は現時点では不透明だ。
公明は維新による都構想協議の進め方に反発し、今年10月の府・市両議会で自民などとともに協定書議案を否決していた。突然の方針転換に、公明内部や他会派の議員に動揺も出ている。公明の支持母体である創価学会の会員からも強い反発が出ており、議論の行方には流動的な要素もある。
公明は今後の対応について自民など他会派との調整を踏まえて検討を進める。公明、自民は統一地方選での選挙協力で合意しており、公明幹部も「府議、市議選で自公で過半数との目標は変わっていない」としている。

都構想 維新住民投票へ加速
協力の公明、議員は猛反発、
自民など野党側も動揺〜産経新聞平成26日12月27日〜

大阪都移行の是非を問う住民投票が現実味を帯びてきた。公明党大阪府本部は26日、住民投票実現に向けて大阪維新の会と協力する方針を大阪府議、大阪市議に伝達した。トップダウンの方針転換に議員は猛反発し、これまで両議会で公明と共闘してきた自民など野党側にも動揺が広がった。議会の都構想包囲網を破った維新は法定協議会を集中的に開き、現在の協定書を修正して議会に再提出する作業を加速させて行く。
◇ ◇
「党として決めた 」。26日午後、公明府本部で開かれた緊急会議で、府本部幹事長の小笹正博・大阪市議は出席した府議、市議たちに理解を求めていた。すぐさま「なんでや」「支援者にどう説明するんや」と怒号が続く。1時間に及ぶ会議は荒れに荒れた。
公明の府議、市議は維新のみで協定書を仕上げた過程を「性急」と断じ、協定書の中身についても特別区の権限が当初の想定よりも小さく、財源が不透明などと批判してきた。それらの言葉はブーメランとなって公明に返ってきかねない。小笹氏は法定協で協定書を大幅に修正させるかを記者団位問われ、「時間との問題がある。触るとなれば時間がかかる」と即答。日程面で維新に配慮する姿勢を見せた。
◇ ◇
「公明が安易な修正で賛同したら市民に対する背任行為だ」。自民市議団の柳本顯幹事長は公明の維新への接近に困惑していた。共産市議団の山中智子幹事長は「これまでの発言とどう整合性をとるつもりなのか」と批判した。
これまでの野党4会派は協調することで法定協、府市両議会で主導権を維持。法定協を再開させ、都構想議論に終止符を打つ戦略を描いてきた。だが公明が維新側につき、形勢は逆転。維新が30日に法定協を再開させることを決めると、野党会派はそれぞれ連休中に緊急の会議を開き、対応を話し合う方針を決定した。
「法定協の議論を見てください」。維新代表の橋下徹市長は26日の記者会見で笑みを浮かべる余裕を見せた。維新幹事長の松井一郎府知事も退庁時、晴れやかな表情で早くも総括した。「長い道のりだった」

大阪都構想 公明、住民投票賛成へ、
党本部意向で転換〜読売新聞平成26年12月26日〜

橋下徹・大阪市長率いる大阪維新の会の看板政策・大阪都構想を巡り、公明党が都構想の制度設計を行う法定協議会の再開を条件に、都構想の是非を問う住民投票の実施に賛成する方針を固めた。公明党は、維新が単独で作成した都構想の制度案(協定書)について、10月の大阪府・市両議会で反対し同案は否決された。しかし衆院選で、維新の党が関西の公明党候補のいる6選挙区に対抗馬を擁立しなかったなどを受け、方針を転換した。
両議会では維新は少数与党だが、公明党が賛成すれば過半数となる。今後、現在は中断している法定協が再開され、新たな制度案が完成すれば、両議会での可決を経て、大阪市民対象の住民投票が実施されることになる。
25日夜、公明党の両議会の幹部と、橋下氏、松井一郎知事らが会談。公明党はこの席で、各党の府議・市議らでつくる法定協の再開を条件に、住民投票まで認める方針を伝えたという。
公明党の府議、市議は、都構想に批判的な立場を明確にしていたが、関係者によると、路線転換は、公明党本部などの意向という。
ただ、法定協が再開しても、改めて協定書を作成するのに時間がかかるため、都構想の是非を問う住民投票は、来年4月の統一地方選挙後となる見通しだ。
都構想については、現在、市民団体が、住民投票の実施を求める「プレ住民投票」の署名活動を行なっているが、公明党が住民投票自体を認める方針に転換したため、中止される可能性も出てきた。
維新は2012年の衆院選で、都構想への公明党の協力を得る目的で公明党候補のいる大阪、兵庫両府県の計6選挙区で対抗馬を擁立しない選挙協力を実施。
しかし、大阪市を複数の特別区に分割する区割りなどについて、早急に議論を進める維新に対し、公明党は「時期早尚だ」と反発した。
その後、橋下氏は出直し市長選に踏み切り、再選後に法定協から野党会派を排除。7月に維新単独で再開した法定協で制度案を策定したが、10月、府市両議会で多数を占める野党会派の反対で否決された。
橋下氏は「公明にやられたまま、人生を終わらせられない」として、今回の衆院選で自身は大阪3区、松井氏は大阪16区と、それぞれ公明党候補のいる選挙区での立候補を検討すると表明。しかし、「(不出馬が)都構想実現のためにベストの判断だ」として出馬せず、他の4選挙区でも対抗馬擁立を見送り、結果的に6選挙区の公明党候補は全員当選した。

都構想、統一選はや火花
維新、住民投票求め決起集会
反維新、「土俵から押し出せ」

衆院選の投開票から1週間もたたない20日、大阪維新の会と反維新勢力が火花≠散らした。維新の看板施策「大阪都構想」に関する住民投票を求める維新系の市民団体が同日、署名活動の決起集会を開いた。維新は署名の「民意」を都構想実現の突破口にする狙いがあるが、同じ日には堺市の竹山修身市長らがかかわる反都構想の政治団体が旗揚げし、来春の統一地方選で反維新候補を支援する構えを見せた。前哨戦が、早くも激しさを増す。
〈名古屋市長も応援〉
「都構想は住民投票で決めよう」のノボリが立てられた舞台で、維新代表の橋下徹市長が「自分の手で、署名で、大阪の未来を決するのを体感して」と訴えると、会場を埋めた多くの人から拍手がわいた。
大阪市内で開かれた「住民が決める大阪の未来委員会」の集会。同様の署名集めの手法で過去に名古屋市議会を解散させた河村たかし市長も応援に入り、「しっかりやってちょーよ」と河村節≠ナ盛り上げた。
10月に大阪府、大阪市の両議会で都構想の協定書議案が他党の反対で否決され、維新は都構想の是非を問う住民投票に持ち込めなかった。同委員会が、来年2月10日までに大阪市の有権者のうち約4万3千人の署名を集めれば、委員会の請求を受ける形で橋下氏が住民投票を実施すべきかどうかを問う、新たな住民投票の条例案を市議会に提出する。
市議会の野党4会派は共同見解を出して「議会の否決で協定書はなくなり、住民投票はできない」などと強く牽制するが、維新は意に介さず、約40万人の署名を確保して「民意」で野党を揺さぶる戦略を描く。
各議員やスタッフが署名集めを担う受任者の確保などに動くことになり、維新府議団幹部は同僚議員たちに「動きが悪い人がいれば言ってくるように」ハッパをかける。
〈底力に「まだ脅威」〉
都構想反対の政治団体「府民のちから2015」も大阪市内で発足式を開催。こちらも数百人が集まる盛況ぶりで、竹山氏が「(維新は衆院選で)土俵に踏みとどまったと言っているが、そろそろ土俵から押し出さねばならない」と気勢を上げると、「そうだ」のかけ声が続いた。
同団体は平成23年の大阪市長選で橋下氏と争った平松邦夫前市長を支援した「元気ネット大阪」が母体となり、竹山氏のほかに、大阪府八尾市の田中誠太市長らが賛同者として名を連ねている。
竹山氏は自民、民主、共産の応援を受け、昨年の堺市長選で維新候補を破った体験を踏まえ「堺市長選と同じ枠組みで戦うことが大事」などと呼びかけるが、連携を強調する言葉には維新への警戒心もにじむ。
衆院選で維新の党は府内の選挙区で5勝9敗と振るわなかったが、比例票約114万票をかき集め、7人の比例復活にこぎつける底力を見せた。出席した民主系議員も「まだまだ維新は脅威。反維新で連携して、芽をつぶしたい」と気持ちを引き締めていた。

大阪府議会、法定協の浅田会長解任、都構想の白紙化狙う〜産経新聞平成26年12月20日〜

大阪府議会9月定例会の本会議が19日開かれ、大阪都構想の設計図(協定書)を作る法定協議会会長の浅田均府議を法定協メンバーから外す動議が自民党や公明党など野党側の賛成多数で可決した。浅田氏は法定協の会長職を解かれ、協議会の招集権限を失う。動議を提出した野党側には過半数を握る法定協を再開し、協定書を白紙に戻す狙いがあるが、協議会が再開される可能性は低いとみられる。
一方、維新側はこれまでの法定協の決定に基づき、会長だった浅田氏が欠けた場合、会長職は松井一郎知事に移行すると主張。松井知事は法定協を招集しないまま、10月27日の大阪府市両議会で否決された協定書議案を来年の2月議会に再提出する構えだ。法定協は10月23日以降、野党側が過半数を占めているが、浅田氏は野党側の求めに応じず、法定協を開催していない。

大阪都構想否決 府市議会とも 橋下氏再提出へ〜読売新聞平成26年10月28日〜

大阪府と大阪市を統合再編する大阪都構想の協定書議案が27日、府市両議会で否決された。橋下徹市長率いる与党・大阪維新の会の看板政策はひとまず頓挫するが、橋下氏らは、議会の議決を得ずに協定書を専決処分する手法なども視野に、引き続き構想の実現を目指す考えだ。
この日の採決で、市議会(定数86)では、賛成は維新(31人)だけで、公明、自民、民主系、共産、無所属の野党側がすべて反対に回った。府議会(定数109、欠員4)でも、維新を除く主要会派が反対した。
維新は今年7月、構想の制度設計を担う府議、市議らの法定協議会から野党委員の排除を強行し、単独で協定書を策定。協定書議案は、松井一郎知事が9月25日に府議会に、橋下氏が今月1日に市議会にそれぞれ提案した。
しかし、野党側は「維新単独で策定した協定書は無効」「大阪市を分割、解体する必要性が十分に説明されていない」と反発。議論は深まらず、両議会の会期をそれぞれ1ヶ月以上残して採決された。
否決により、「大阪市地域特別区設置法」で定められた次の手続きである大阪市民対象の住民投票には進めない。
橋下氏はこの日の議会後、記者団に対し、「都構想のような大きな問題は住民の皆さんが決めるべきだ」と主張。協定書議案を再提案する意向を明らかにしたほか、都構想に関する住民投票条例を制定し、「(手続き上の)住民投票を実施するかどうかを問う住民投票」を行う考えも示した。
ただ再提案にしろ、住民投票条例にしろ、多数を占める野党側の理解を得られない限り可決・成立しない状況に変わりはない。このため、維新内では、橋下、松井両氏が協定書議案を首長権限で専決処分し、府議選、市議選が行われる来春の統一地方選挙に合わせて住民投票に持ち込む手法も検討されている。

橋下市長VS野党 大阪市議会 都構想初の論戦 協定書案で火花〜産経新聞平成26年10月23日〜

大阪市を特別区に分割し、大阪府とともに再編する大阪都構想の設計図(協定書)議案をめぐり、22日の市議会本会議の一般質問で橋下徹市長と野党会派が初めて論戦に臨んだ。協定書の「問題点」をぶつける野党に対して橋下氏も「今の府庁、市役所の方が問題点は多い」と譲らなかった。ただ、野党が優勢の市議会では着々と秘訣に向けた流れができている。
「中核市並みの特別区というが、権限や財源が担保されるか不透明。『中核市並み』は幻だ」。22日の本会議場で一般質問に立った公明市議は維新のみで完成させた協定書の「問題点」を次々と挙げ、橋下氏に見解を問いただした。
橋下氏は「権限の中には都に移るものがあるが、逆に中核市に与えられていない権限も特別区には与えられている」と反論。「都構想にも問題があるかもしれないが、今の府庁、市役所の方が問題点は多い。都構想の方がはるかにましだ」と語気を強めた。
これまで委員会で審議が行われたが、野党は橋下氏に答弁を求めず、事務方との質疑で協定書の「課題」「懸念 」を際立たせた。今回はそれらを橋下氏に直接ぶつけ、「協定書が問題ばかりで住民投票にかけられる代物ではないことを明らかにする」(公明幹部)として一般質問に臨んだ。
自民市議は一般質問で「府議会、市議会のどちらか一方が『ノー』(否決)と言ったら、真摯に従い、協定書を破棄すべきだ」と鋭い口調で主張。橋下氏は「都構想の是非は住民の意思で決める。議会の『ノー』はありえない」とかわした。
協定書を可決させ、住民投票に持ち込みたい橋下氏は逆に「議会で最終決定するか住民が決めるか、住民投票しませんか」と提案して見せたが、野党議員の間で失笑が広がった。以上産経新聞より。


大阪市議会の野党4会派、都構想協定書案27日否決へ〜産経新聞平成26年10月15日〜

大阪市を5つの特別区に分割し、大阪府とともに再編する大阪都構想の設計図(協定書)の議案について、市議会で過半数の議席を持つ野党4会派は14日、本会議を27日に開いて否決する方針を固めた。理由について、制度設計上の課題が多く、大阪維新の会のみで協定書を完成させた経緯にも問題があるとしている。府議会でも同日の本会議で否決される見通しだ。
一方、橋下徹市長と松井一郎知事は「合理的な理由がなく、審議が尽くされずに否決された場合」には議会会期中に議案を再提出する意向を表明している。
両議会では同じ議案を会期中に2回審議しないという「一事不再議」のルールがあり、再提案をめぐり野党ともめることになりそうだ。
市議会の野党4会派の幹部が14日の会合で方針を決定。27日の採決に先立ち、22、23両日の本会議の一般質問ではし市長に制度設計上の「問題点」などについてただす考え。
この幹部会合では市営地下鉄民営化条例案の対応についても協議。自民が、いったん否決してからけいかくを練り直すべきだと主張したのに対して、公明と民主系が採決先送りを主張したため折り合いがつかず、引き続き協議して行くことを確認したという。

平成26年10月1日の読売新聞世論調査が発表されました。大阪都構想「賛成」53%。

大阪府と大阪市を統合、再編する議論が府・市両議会で本格化するのに合わせ、読売新聞社は9月26日〜28日、大阪市内の有権者を対象に世論調査を実施した。都構想に「賛成」と答えた人は、「どちらかといえば」を含め計53%と、「反対」「どちらかといえば反対」の計40%を上回った。
ただ、構想に賛意を示した人でも、橋下徹市長らが目標とする2017年4月の実現を望む人は23%にとどまり、72%が「実現時期にこだわらなくてよい」と回答。市民の多くは十分な議論を求めていることが明らかになった。
一方、構想に否定的な人に大阪の望ましい将来像を聞いたところ、「府と市を今の状態のまま残す」が51%、自民党府連などが主張する「府と市の連携をより強め、区役所の権限を強化」が40%だった。
都構想の制度設計を定めた「協定書」は、9月25日に府議会に提案され、10月1日には市議会にも提案される予定。ただ協定書策定の過程で、橋下氏率いる与党・大阪維新の会は、構想に否定的な自民、公明など野党委員を排除し、単独で特別区の区割りなどを決めた。こうした維新の手法は、「評価しない」68%が、「評価する」20%を大きく上回った。
橋下氏の支持率は56%。協定書作りを進めるためとして、市長辞職と出直し選への出馬を表明した今年2月の調査(50%)から6ポイント上昇した。
調査は大阪市を対象に無作為に作成した番号に電話をかける方法で実施。有権者在住が判明した1618世帯の中から1009人の有権者の回答を得た。回答率62%。

大阪都構想に関して読売新聞社が大阪市民を対象にした世論調査。府議会と大阪市議会で構想推進派の与党・大阪維新の会と、慎重・反対姿勢の公明、自民、民主、共産など野党側の対立が激しくなっている中、民意も二分されていることが示された。
都構想に「賛成」「どちらかといえば賛成」とした人(53%)は、橋下市長が辞職・出直し選への出馬を表明した今年2月の読売新聞調査(52%)から横ばいで、橋下氏の市長就任3ヶ月に合わせて実施した2012年3月調査(60%)と比べると下がった。区割りなどを定めた「協定書」が完成したとはいえ、市民の理解が進んでいるとは言い難く、今回、「反対」「どちらかといえば反対」も計40%に上がった。
橋下氏や松井知事が、都構想の具体的な内容を十分に説明している、と思う人の割合(17%)も、昨年11月調査(15%)、今年2月調査(11%)と同様、低い水準が続いている。
都構想への賛否を国政の指示政党別に見ると、各党の立場が大きく影響していることもうかがえる。
維新の党支持層は9割超が都構想に賛意を示した一方、共産支持層の8割、民主支持層の7割、公明支持層の6割が否定的。ただ、自民支持層は構想に肯定的な人の割合が否定的な人よりやや高く、党府連の立場と支持層にねじれが見られる。無党派層では、賛否の割合がほぼ同じだった。
橋下氏の支持率(56%)は、就任半年時点の12年6月調査(71%)と比べると低いものの、出直し選に踏み切ったことが批判を浴びた今年2月調査(50%)からは回復した。今回、男女の支持割合はほぼ同じで、年代別では20〜30歳代が62%と特に高かった。

大阪都構想の協定書案が出来ました。その中で、特別区が行う事務について、説明します。

<特別区の行う事務について>

●都道府県事務のうち特別区で行う事務
・重要文化財等の管理に係わる指揮監督(既に大阪市で実施)
・埋蔵文化財の調査発掘に関する届け出の受理(既に大阪市で実施)
・工業用地下水の採取の許可
・公害健康被害の補償給付(既に大阪市で実施)
●政令指定都市の事務のうち特別区で行う事務
・身体障がい者更生相談所の設置
・知的障がい者更生相談所の設置(任意)
・児童相談所の設置
・県費負担教職員の任免等の決定
・遺跡の発見に関する届け出の受理
・建築物用地下水の採取の許可
●中核市、特例市、一般市、町村の事務は特別区が行います。
 ※ただし、母子福祉資金・寡婦福祉資金貸付事業と開発審査会事務、
  都市計画(用途地域等)、下水道の整備・管理運営、
  消防・救急活動は大阪府が行うこととなります。

<今まで大阪市で行っていた事務で、大阪府に移行する事務について>

・精神障害者の入院措置
・動物取扱業の登録
・都市計画(都市再生特別地区、用途地域等)
・指定区間の国道、県道の管理
・指定区間の一級河川(一部)
・母子福祉資金、寡婦福祉資金の貸付
・開発審査会
・下水道の整備・管理運営
・消防・救急活動
 ※地下鉄・バス事業については民営化できない場合、大阪府が管理・運営を
  行うことになります。

<特別区間で一部事務組合を設けて共同処理する事務>

●事業
・国民健康保険事業
・介護保険事業
・水道事業及び工業用水道事業
●システム管理
●施設管理
・福祉施設
・市民利用施設:市民学習センター、大阪市中央体育館、大阪市立大阪プール
 女性いきいきセンター、障がい者スポーツセンター等
・その他:斎場、霊園、急病診療所等
●財産管理
・「大阪市未利用地活用方針」に基づき「処分検討地」とされた土地等の管理 及び処分等

地方自治法の一部を改正する法律案の概要

地方公共団体の組織及び運営の合理化を図るため、地方制度調査会の答申(平成25年6月25日)を踏まえ、指定都市についての区の事務所が分掌する事務を条例で定めることとするほか、中核市制度と特例市制度の統合、地方公共団体が相互に連携する際の基本的な方針等を定める連携協約制度の創設等の措置を講ずる。
1,指定都市制度の見直し
◎区の役割の拡充
●区の事務所が分掌する事務を条例で定めることとする。
●議会に区常任委員会を置くこととする。
●市長の権限に属する事務のうち、主として総合区の区域内に関するものを処理させるため、区に代えて総合区を設け、議会の同意を得て選任される総合区長を置くことができることとする。
◎指定都市・都道府県調整会議の設置
●指定都市及び都道府県の事務の処理について、連絡調整を行うために必要な協議をする、指定都市・都道府県調整会議を設置することとする。
●指定都市の市長又は都道府県知事は、協議を調えるため必要と認められるときは、総務大臣に対し、必要な勧告を行うよう申し出ることができることとする。
2,中核市制度と特例市制度の統合
●特例市制度を廃止し、中核市の指定要件を「人口20万以上の市」に変更するとともに、現在の特例市に係る必要な経過措置等を設けることとする。
3,新たな広域連携の制度の創設
◎「連携協約」制度の創設
●普通地方公共団体は、他の普通地方公共団体と連携して事務を処理するにあたっての、基本的な方針及び役割分担を定める連携協約(仮称)を締結できることとする。
●連携協約に係る紛争がある時は、自治紛争処理委員による処理方策の提示を申請することができることとする。
◎「事務の代替執行」制度の創設
●普通地方公共団体は、協議により規約を定め、その事務の一部を、当該普通地方公共団体の名において、他の普通地方公共団体の長に管理・執行させること(事務の代替執行)ができることとする。
4,その他
●認可地縁団体が所有する不動産に係る登記の特例を創設する。

1月20日の市長と公明党市会議員団との意見交換会で、公明は市長に「他会派に説明を」求める。

公明市議団幹部の発言。「自民や民主系とも連携する。法定協を続けたいので市長も説明を」と他会派との協議を提案。「何でも反対ではない。市長は先日、他3案を排除しないと言ったので議論したい」。これに対し橋下市長は「維新と公明で走るわけにはいきませんよね。ちゃんと話をします」と答えたという。平成26年1月23日up

デトロイト市の財政破綻を考える(1)WEDGE12月号より

今年の7月、デトロイト市は約180億ドル(約1兆8000億円)というアメリカの地方自治体として最大規模の負債を抱え、財政破綻した。日本では夕張市の破綻が有名だが、負債総額は600億円程度です。デトロイト市の財政コンサルタントは「衰退は緩やかに起こった。第二次世界大戦後に郊外の住宅ローンプログラムができ、郊外が発展していった。大きい上に徐々に進行して行ったので、タイタニック号のように沈んでいることに気が付かなかった」と説明している。ミシガン大学のジマーマン教授は「デトロイト市は人口が減り続ける中、インフラを往年の規模のまま提供し続けた。そして公務員OBの年金や医療保険もそのままにしておいた。つまり、市は縮小する状況に対して、有効な手を打たなかった。これが大きな原因」「自動車産業だけに頼るのではなく、ハイテク産業を誘致するなどして、税収を増加させるとともに、治安や教育レベルを向上させ、働きたくなる、住みたくなるような町づくりを推進すべきであった」と説明する。また「デトロイト市の破綻原因は行政の怠慢」と言い切る人も多くいたという。平成25年12月3日UP

9月13日、第7回法定協議会が開催される。

第7回法定協議会について新聞報道より。
自民党 : 自民府議は「市を区に解体した方がコストがかかる」と指摘する。自民試算は、職員が最も多くなる7区再編案では人件費が年23億〜146億円、20年間で計1690億円増えると試算。これに対して橋下市長は「コスト増は統合効果で吸収できる」「成長戦略の実現のために府と市の組織をどうするかを議論すべきで、コストだけ問題視するのは筋違いだ」と反論。日経新聞(9月14日)より。
公明党 :「市は収入不足を未利用地売却などで補っている。区が安定的に財政運営できるか不透明だ」として区予算をシミュレーションするよう要請した。橋下市長は「全体の収支は市も区もかわらない。予算は区長が決めればよい」として現時点での試算に否定的な考えを示した。日経新聞(9月14日)より。
公明党 : 公明も「都構想案」批判、具体的工程求める。大阪維新の会と協調路線をとってきた公明党が都移行の具体的な工程がないことなどを批判。「(都移行の目標である)平成27年4月までの工程表を早急に出していただきたい」。会合で公明市議がこう迫った。事務方が制度設計などに関する議論を先に深めることを要請すると、「非常に残念。議論に意欲が持てない」と不快感をあらわにした。即座に松井氏が「工程表を示すなら、(工程表通りに)協議を進めるという議決が欲しい」と反論したが、市議は「聞いている人は知事がおかしいと思っている。議論しても無駄だ」と取り合わなかった。また、公明市議は都移行に必要な戸籍などを扱うシステム改修が間に合わない恐れを指摘。産経新聞(9月14日)より。平成25年9月15日

自民党は反都構想を鮮明に!産経新聞より。

9月13日の産経新聞より。都構想に反対する自民党大阪府連は問題点を指摘する動画を府連のホームページで13日から配信するという。動画は全8部で1部は3分から5分程度。予算は300万円で、撮影は制作会社に依頼。自民の府議や市議が登場し、「一度、大阪市が解体されたら二度と元には戻らない」などと訴えている。という記事内容です。

堺市長選挙で、公明党は自主投票。

公明党は21日、堺市長選挙で、自主投票の方針を固めたとの新聞報道がありました。堺市長選挙は大阪都構想の是非を問う重要な選挙で、自民などが支援する現職候補と、都構想をすすめる大阪維新の会の候補との一騎打ちになるようです。平成25年8月22日。

都構想による二重行政解消の効果額、最大で年額970億円。

都構想による効果額について、8月9日、大阪府と大阪市による試算が発表されました。都構想で節約できる「効果額」は毎年、736億円〜976億円になると試算しました。その改革効果の例として毎年、「地下鉄民営化275億円」、「市営バス民営化17億6900万円」、「一般廃棄物の収集・焼却処理の民営化など109億円」、「住吉市民病院と府立急性期・総合医療センターの統合など34億3400万円」、「府立大学と市立大学の統合13億9000万円」、「市内府営住宅の市移管など5億7300万円」、「府市の港湾管理者統合など2億7000万円」、「男女共同参画施設の削減2億2100万円」、「こども青少年施設の削減など1億6600万円」などが挙げられています。この数字については、都構想との関連が薄いとか、当初目標の4000億円と大きな隔たりがあるとの批判もあります。都構想実現に向けて今後は、区割りを確定し、区の名称や区役所の配置を決めていきます。さらに各特別区で行う事業内容、職員数や財政・財源の調整を行います。新しい都議会や区議会の定数等も決めていきます。来年6月までには最終的な制度設計を完成させ、平成26年の秋には住民投票で都構想の是非を問うこととなります。平成25年8月12日

平成24年6月15日の大都市制度推進協議会の提出資料より。大阪維新の会の主張です。

大阪維新の会は、これまでの延長線上ではなく、システム、制度の刷新に大胆に踏み込んでいきます。国主導の既存制度を前提とするのではなく、大阪自らで大阪の実情に合った制度を創っていくものであります。このままでは大阪は沈んでしまう。大阪の低迷を目前にしながら、これまで大阪府・大阪市が一体となって全力で取り組んできたか?我々政治家は猛省すべきであります。「大阪都」は府・市の広域機能を一元化し、世界的都市間競争に打ち勝つ『強い大阪』を目指します。これまで2つの大きな役所は、市内は大阪市、市域外は大阪府といった、いわゆる二元行政といえる状況にありました。広域行政のリーダーを一人にして、大阪全体の成長に向けた統一戦略、産業政策、府域トータルでの交通インフラの整備等を進め、大阪経済の再生をはかります。「特別自治区」は住民の参政・参画のもと、だれもが生涯にわたって生き生きと暮らすことのできる『やさしい大阪』を目指します。区に公選の区長・区議会を設置します。区に中核市並みの権限と財源を移譲します。これまで大阪市内のことを一人の市長が決定してきましたが、複数の公選区長が、地域の実情に応じた、よりきめ細やかな施策を決定することができるようになります。




自民市・府議団が平成24年6月15日の「大阪にふさわしい大都市制度推進協議会」に提出された資料より。自民の基本的な意見。

「自民党の基本スタンス」と題するところでは、大阪の成長のために改革は必要であるとして、その改革の課題を3つ挙げています。@、広域行政の一元化(広域自治体と基礎自治体の役割分担を徹底)A府・市の政策・戦略を統一し、二重行政を解消。B住民自治の強化など基礎自治機能の充実。であります。これらの課題を解決するために、「まず現行制度で可能な改革を徹底」して行うとして、2点あげています。第1に、「大阪広域戦略協議会」を立ち上げ、経済の成長戦略や産業振興、また空港・港湾・交通政策などの基盤整備等について、府市一体的に取り組むこと。第2に区長権限を強化し、区役所の体制の充実などの取り組みを行う。以上2点について改革を行うということであります。大都市制度の変更については、住民が不利益を受けるようなら反対。大阪にとって良いと思われるなら賛成するということですが、政令市の解体による都市のパワーの低下やコストの増加などが懸念されると指摘しております。制度の見直しは最終手段であって、まずは現行制度で可能な改革を行い、効果を検証したうえで、なおも必要があるというならば、その段階で大都市制度の見直しを考えればいい。ということです。

平成24年6月15日開催の大都市制度協議会に提出された、OSAKA未来大阪市会議員団・民主党大阪府議会議員団の提出資料より、基本的な考え方。

本来目指すべき自治の姿は、「基礎的自治体優先の原則」の徹底と、「補完性の原理」に則った行動の徹底。しかし「大阪都」になれば、特別区となる基礎自治体は市町村の権限に満たない『不完全な基礎自治体』となり、また広域自治体である大阪都は、都市としての重要な機能を集約し、権限、財源ともに『強力・強大な広域自治体』となり、これは分権に逆行した集権化であると指摘しております。また、他の市町村の住民との間で「自治の格差」を生じることになり、自治機能が充実した基礎自治体を目指すなら、「完全な市町村であるべき」と指摘。仮に再編が必要であるとしても、都市内分権を進めることで解決は可能。また、大阪府と大阪市の広域行政を一元化することにより、2つの「政策エンジン」の1つが消滅し、パワーが低下する。このことにより、多様な住民ニーズに応えることが困難になる可能性があり、「府民・市民にとって、大きなマイナスではないか」という。二重行政の解消については、住民の利便性や生活を豊かにする「充実行政」と非効率で無駄の多い「悪い二重行政」はしっかり区別すべきで、むしろ特別区になれば「多重行政」となる恐れがあるという。財政面では大阪都は「大きな影響力」を有し、特別自治区は「無力な基礎自治体」となる。財政調整を必要としない規模等を検討すべきと主張。仮に再編が必要であるにしても、限定的かつ必要最小限にすべき。現行制度で柔軟に対応するべき。ということです。

平成24年6月15日の大都市制度推進協議会に提出された資料より、共産党市会議員団の意見。

政令市の“改善型”こそ、大阪にふさわしい。喫緊の課題は以下の3点にあり、「統治機構」を変えることではないとの主張。@大都市税財源の拡充:国・府からのいっそうの権限、税源の移譲。A国の地方に対する責任をしっかり果たさせる。国直轄事業の地方負担金の廃止。生活保護の全額国庫負担。国保の国庫負担率の引き上げ 等々。B住民自治の前進(市民の声を反映させるために)。区役所機能の強化。都市内分権の本格的な取り組み。議会改革の推進(陳情者の意見陳述の制度化など市民参画の明確化 等)

《政令指定都市の評価》政令指定制度創設50年を経た今、同制度を検証し、都市の実情にあった大都市制度を創りあげる必要がある。大阪府自治制度研究会の最終とりまとめより。

政令指定都市制度の評価について。@、全国で20の政令指定都市は多様化している。人口規模が大きく中枢性が高い都市、地域圏の中枢都市、定住中心の都市など、多様化が進んでいる。「こうした多様な都市を、一律の制度でくくることは限界がある。」A、「制度創設50年を経て、府県との役割分担や税財政制度について、今日の大都市の行政需要に対応できる仕組みになっていないとの批判が政令指定都市自身からも挙がっている。」B、「政令指定都市の行政区への権限移譲など都市内分権の動きが活発になっている。住民の声が届きにくい大都市において、行政区がいかに住民の参加をもとに、地域の実情にあった行政サービスを立案し供給する組織になれるか、が問われている。」C「こうしたことから、それぞれの都市ごとに政令指定都市制度を検証し、一律の制度から都市の実情に合った大都市制度を創りあげていくことが必要ではないか」。以上が大阪府自治制度研究会による政令指定都市の評価であります。

《現在の府市の関係をどう評価するか》大阪府自治制度研究会最終とりまとめより。

『「市は市域、府は市域外」という区域分断的な機能分担の固定化により、狭あいな大阪府域を分断する形で、いわゆる「二つの大阪」が現出し、大阪がマイナススパイラルに陥っているにもかかわらず、戦略や政策が共有できず、そのことが結果として、大阪の発展や住民生活に大きな影響を与えていると考えられるのではないか』。最終とりまとめでこのように指摘しております。

現状において、大阪府、大阪市は自治体として十分な役割を果たしているのか。自治制度研究会の評価は。

大阪府に対する評価:『これまで「市は市域、府は市域外」という区域分断的な機能分担のもと、大阪市域外重視の姿勢で府政を進めており、大阪市域を含めた大阪都市圏という視点が欠けていたのではないか。マイナススパイラルをプラスに転換するためには、大阪市域でも大阪市域外でもない大阪全体としての視点から、大阪府、大阪市、大阪市以外の市町村、民間等が戦略を共有し施策展開を図っていく必要があるのではないか』。
大阪市に対する評価:『大阪市は大阪府域の中心部に位置し、狭隘な面積のもと約260万人という人口を擁する大都市として、基礎自治体の役割に加え、政令指定都市制度のもと、人口集中(夜間人口、昼間人口)などに対応したサービスを充実してきた。さらに、「市は市域、府は市域外」という区域分断的な機能分担のもと、政令指定都市制度が「特別市」的に運用されてきた。この結果、現在、他の大都市に比べても非常に高次の広域機能を担っていると考えられる。具体的には、戦前、戦後の人口急増に対応し、都市行政のパイオニアとして、住宅・学校・などの生活基盤はもとより、地下鉄などの都市交通網を整備するなど、その権能・能力を活用して、一体的・統一的な都市経営を進め、市民サービスの向上と都市機能の充実に大きな役割を果たしてきた。これにより、都市としての成熟度は高まったが、一方で、組織が巨大にならざるを得なかった。今日、人口減少社会に突入するとともに、右肩上がりの経済成長が終焉し、財政状況が厳しさを増すなかにおいては、大阪都市圏の広がりを背景とした広域行政の在り方、生活保護の急増など住民の厳しい生活を支える役割の増大といった観点から、改めて、その担うべき役割を考えていくことが必要ではないか』。

平松市政時代に、大阪市は「新たな大都市制度」確立の必要性を国に要望していた。

平松市長時代に作成された大阪市の「平成22年度国の施策・予算に関する提案」(平成21年6月)で、大阪市は新たな大都市制度の確立を国に求めています。この中で、現在の政令指定都市制度は「もともと極めて不十分な制度である」と認め、「大阪市は、このように不十分な制度のもと、何とか母都市としての役割を果たしてきたが、今日的な経済・社会情勢下で、本市が担ってきた役割を果たし続けていくことは限界となっている」という認識を表明しています。そして、「これまで以上に期待される母都市としての役割、大阪都市圏・関西全体の発展の牽引役を果たしていくためには、大都市の役割の実態に見合った『新たな大都市制度』の確立が必要である」と結論しております。政令指定都市制度の問題点として、@受益と負担の不均衡(大都市の責任・権限に応じた税財政制度が存在しない)。A一体的・総合的な行政運営に支障(事務権限が特例的・部分的)。B二重行政・二重監督の弊害(府県との不明確な役割分担)。の3点を挙げています。そのうえで、新たな大都市制度の確立の必要性を国に求めるものであります。しかし、この時点での要望の中心は、「国及び道府県からの権限の移譲、規制・関与の見直し等の推進」であります。


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