★設問(2010東北大後期・生物)
 アラニンとチロシンからなるジペプチドの考えられる構造式を全て記せ。ただし、
アラニンとチロシンの構造式は下図とし、アミノ酸の立体構造は考えなくてよい。またアミノ酸間の結合を何というか?











 以下の図2つ。ペプチド結合。




解説
 アミノ酸はNH2の部分とCOOHの部分からH20がとれて脱水縮合(縮合重合)されてつながっていく。この結合をペプチド結合という。

C=O

N−H

である。

画面では省略しているが、ペプチド結合1つができる時に1分子水ができている。

そして重要なのでどちらのNH2、COOHが結合に加わり、どちらが加わらないかは自由である。
NH2が残される側をN末端(アミノ基末端)、COOHが残される側をC末端(カルボキシ(ル)基末端)といい、タンパク質の正式な記述の方向は
N末端→C末端側となる。

よって
(N末端)ーアラニンーチロシンー(C末端)
(N末端)−チロシンーアラニンー(C末端)

の2つがある。

なおこの2ペプチド・3ペプチドの合成の化学式は生物でも化学での出題される。アミノ酸の式から慎重にH20をはずしていく作業をすれば間違えないはずであるが、Cの数を1つ減らしてしまう間違いをする人が多い。

上図のように





の右側(横側の主鎖)はCが「2つ」(中心炭素とカルボキシル基の炭素)続いているのが正解なので
Cを「1つ」にしてしまう間違いを避けよう。

なおCOOHは「カルボキシル基」と書いてきたが、学問的には「カルボキシ基」の表記が推奨されている。入試では両方許される。