★設問「はじめてアドレナリンを結晶化したのは誰か?」


スクロールを止めてしばらく考えてください。










答「高峰譲吉」

●生物研究史に残る日本人名については知っておいたほうがよい
・イチョウ精子発見ー平瀬作五郎(1896年)

・アドレナリン結晶化ー高峰譲吉(1901年)

・脚気を予防するオリザニン(ビタミンB1)をコメぬかから抽出
 −鈴木梅太郎(1910年)

   100周年なので要注意

・ジベレリン発見ー黒沢英一(1926年)

・DNA複製の際の片側の鎖での断片(岡崎断片)−岡崎令治

・抗体の多様性を生み出す遺伝子選択のしくみー利根川進(1979年)

・アクチビンでの中胚葉誘導ー浅島誠(1989年)

・クラゲ発光タンパクGFPによる細胞内物質の追跡調査法
   −下村脩(2008年ノーベル化学賞)

・iPS細胞(人工多能性幹細胞、体細胞に4遺伝子をいれ分化全能性を回復させる、再生医療)−山中伸弥(「や」は弥生(やよい)の「弥」です)

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オートファジーー大隅良典

●日本ではアドレナリン、アメリカではエピネフリン
 高峰譲吉は初めてアドレナリンを結晶化しましたが、アメリカでは高峰の業績を認めず、エピネフリンと別名を付けました。
 adrenalinはラテン語由来で、
「ad-(上)+renal(腎臓)+in(化学物質)」腎臓の上の臓器(副腎)から出される物質の意味。
 
 epinephrineはギリシャ語由来で、「epi-上+nephro腎臓+ine物質」で同じ意味です。
 日本の医学界はアメリカに追随し、正式医学用語としてはエピネフリンしか認めてきませんでしたが、
高峰譲吉の復権を求める菅野富夫氏(北海道大学名誉教授)から働きかけで、近年ようやくアドレナリンを正式医学用語と認めました。
  
 ギリシャ語nephro由来の腎臓用語としては「ネフロン(腎単位)」、
ラテン語renal由来の腎臓用語としてはレニン(腎臓から出る血圧上昇に関わるホルモン、またいつか特集します)が有名です。

 また高峰譲吉の業績としてはアミラーゼを主成分とする消化促進薬「タカジアスターゼ」の開発が有名で、夏目漱石の本にも出てきます。