★12月6日(火)市谷をまとまった質問日としてご活用を
 6日(火)は補講も含めて朝8時〜夜9時まで市谷校舎(講師室・ただし1〜4限は補講、あと昼食と夕食で、日高屋か富士そばに一瞬出る)にいます。まとまった質問日としてたまった質問があればぜひご活用を。

★2010年高知大

   火山の噴火で溶岩が流れて形成された裸地に、ただちに森林が成立することはなく、
まず地衣類やコケ植物あるいはススキやイタドリなどが侵入することで植物群落の遷移が始まる。
やがて溶岩が風化するとともに、これらの種によって有機物が供給されて、次第に( ア )が形成される。
同時に、水分も保たれやすくなって木本植物の浸入が可能になり、ヤシャブシやノリウツギなどの陽樹生育するようになる。
これらには、根に窒素固定を行う細菌類が共生することなどで、( ア )の薄い場所にも侵入できる種が多い。
  草本や低木の間にアカマツやミズキなどの高木性の種が侵入し、陽樹林が形成されると、地表面の光量が不足して陽樹の幼木は育たなくなる。
しかし、シイ類やカシ類などの陰樹の幼木は( イ )が低く、陽樹林の林床でも育つことができるので、
次第に陰樹と陽樹の混交林になる。やがて、林冠の陽樹の多くが枯れて陰樹林に移行し、長期間安定した状態が維持される。
このような森林を( ウ )という。陰樹林の林床は暗いので、陰樹の芽生えもなかなか成長することができない。
しかし、成熟して陰樹林の林冠には、老木が立ち枯れたり倒れたりすることで( エ )が形成されるようになる。
( エ )にはいろいろな大きさのものがあり、比較的大きな( エ )では林床が広い範囲で明るくなるので、
陰樹の芽生えとともに、林外から飛来したり土壌中に埋まっていたりした陽樹の種子が発芽して成長する。
したがって、
(a)「成熟した陰樹林」では、
陰樹の優占する部分以外に陰樹と陽樹が混交する部分や、陽樹が多い部分などが入り混じったモザイク構造が形成される。
問1 文中の( ア )〜( エ )に適切な語句を入れよ。
問2 ( ウ )で優占する樹種は、その地域の気候によって異なる。日本におけるおもな気候帯である暖温帯と冷温帯で優占する樹種をそれぞれ1種あげよ。
問3 上記の文章は典型的な一次遷移と極相林の維持機構を述べたものである。
一次遷移と二次遷移の違いを80字以内で述べよ。
問4 二次遷移が始まるきっかけを1つあげよ。
問5 (a)のような構造は、暖温帯の照葉樹林や冷温帯の夏緑樹林などが世代交代をしながら維持される過程で形成される。
このような構造がこれらの森林における植物の高い多様性の維持に重要な役割を果たしているとされている。
その理由を100字以内で述べよ。
問6 下図は森林の発達に伴う物質生産量の変化を示したものである。図中のAに適切な語句を入れよ。
また、この図から読みとれることを150字以内で述べよ。












(考える)



問1 (ア)−土壌 (イ)−補償点 (ウ)極相林 (エ)−ギャップ
問2 暖温帯−スダジイ(タブノキ、アカガシ) 
    冷温帯−ブナ(ミズナラ、カエデ)
問3 一次遷移は火山により生じた溶岩台地など全く土壌がなく種子地下茎もない土地から始まるが、
二次遷移は土壌があり種子や地下茎なども残存していた場所から始まる。
問4 山火事(森林伐採、耕作地放置、放牧停止)
問5 成熟した陰樹林の林床は暗く、補償点の高い植物は生育できないので種類数は限られる。
ギャップでは補償点が高い陽樹や草本類の生育も可能で種類数も増加し、樹木も更新するので高い多様性が維持されるため。
問6 A−呼吸量 0〜35年位まで森林の現存量は急速に増加し、総生産量と純生産量もそれ以上の速さで増加して最大値となる。
その後、現存量の伸びは緩やかになり、総生産量は次第に低下し。80年以降には呼吸量、総生産量ともほぼ一定となる。
100年後、現存量の増加はごくわずかとなり、純生産量も0近づき森林は安定期を迎える。





 





























(考える)



問1 (ア)−土壌 (イ)−補償点 (ウ)極相林 (エ)−ギャップ
問2 暖温帯−スダジイ(タブノキ、アカガシ) 
    冷温帯−ブナ(ミズナラ、カエデ)
問3 一次遷移は火山により生じた溶岩台地など全く土壌がなく種子地下茎もない土地から始まるが、
二次遷移は土壌があり種子や地下茎なども残存していた場所から始まる。
問4 山火事(森林伐採、耕作地放置、放牧停止)
問5 成熟した陰樹林の林床は暗く、補償点の高い植物は生育できないので種類数は限られる。
ギャップでは補償点が高い陽樹や草本類の生育も可能で種類数も増加し、樹木も更新するので高い多様性が維持されるため。
問6 A−呼吸量 0〜35年位まで森林の現存量は急速に増加し、総生産量と純生産量もそれ以上の速さで増加して最大値となる。
その後、現存量の伸びは緩やかになり、総生産量は次第に低下し。80年以降には呼吸量、総生産量ともほぼ一定となる。
100年後、現存量の増加はごくわずかとなり、純生産量も0近づき森林は安定期を迎える。