設問1 以下は植物群落の移り変わりを示した図である。黒・青・赤(他の説明のために赤くした「陽樹林」除く)の流れの遷移をそれぞれ何というか?また黒・青の遷移を総称して何というか?








 































(考える)




黒 乾性遷移(xerarch succession)
青 湿性遷移(hydrarch succession)
赤 二次遷移(secondary succession)

黒青総称 一次遷移(primary succession)

★設問2 一次遷移(乾性・湿性遷移)に対する二次遷移を特徴を述べよ。




(考える)




土壌や種子・地下茎などが存在しない一次遷移に比べ、土壌や種子・地下茎が存在する森林などの地表部のみが消失した状態から始まる遷移なので、遷移の進行が早い。

★設問3 一次遷移の「裸地」「混交林」「陰樹林」以外の段階の植物の具体名を書け。




(考える)




地衣・コケ類ーウメノキゴケ・ハナゴケ(地衣類)
一年生草本群落ーブタクサ・メヒシバ
多年生草本群落ーススキ・イタドリ
低木林ーヤシャブシ
陽樹林ーアカマツ・クロマツ・クヌギ・コナラ
     (ハンノキ・アカメガシワ)

解説
 このように具体名を書かせるより、選ばせる問題のほうが多いが、列記した具体名を知っていれば選べる。
 なお陰樹林は、夏緑樹林はブナ、照葉樹林はカシ・シイなどである。
 一年生草本群落と多年生草本群落は区別せず「草原」と一体で扱うとこも多い。

★設問4 陰樹林は安定する。そのような森林は何というか?




(考える)




極相林(climax forest)
(状態だけを示す時は極相)

★設問5
 一次遷移はより樹高が高いもののほうが光合成競争で勝つという側面で進行する要素の他に他の要素もある。Aにおけるその要素を説明せよ。



(考える)



 一年生草本は毎春、種子から発芽するのに対して、多年生草本は昨年蓄積した地下茎から発芽できるため、初夏の伸長が早い(結果として光合成競争に勝つ)

★設問6 陽樹林から陰樹林への遷移の理由を図にあげた光ー光合成グラフも参考にしながら説明せよ。



(考える)



陽樹はみかけの光合成量が多く陰樹より早く成長するため、最初に陽樹林が形成される。陽樹林の林床は暗くなるため、
陽樹の芽生え(実生ーみしょう)は補償点に達することができず枯死するが、陰樹の芽生え(実生)は
補償点が低いので生育でき陽樹林内でも育ち陽樹と陰樹が混じった混交林となる。
やがて陽樹の寿命が尽きると陰樹のみの林になるが、陰樹の芽生えはその林床で生育できるので、陰樹林はずっと維持される。

解説
 補償点が低く暗い林床でも生育できる性質を「耐陰性」(shade tolerance)といい、この言葉で説明してもよい。
 この陽樹→陰樹の転換の理由の論述説明(75〜100字程度)はこの分野での論述出題頻度No1である。