★設問 以下の図は本州以南の日本の森林の構造を示したものである。ABの森林の名称を答えよ。C〜Jに適語を入れよ。
(IJは森林上部、下部全般を示す用語)








 

























(考える)




A自然林(天然林)(natural forest)
B人工林(植林)(artificial forest)
C階層構造(stratification)
D単層構造
E高木層
F亜高木層
G低木層
H草本層
I林冠(canopy)
J林床(forest floor)

解説
 照葉樹林帯・夏緑樹林帯共通の話。
本州以南は人による開発・伐採がなければ昨日のような植物群系(照葉樹林・夏緑樹林)になるが、伐採された後、植林され人工林となるものがある。
 自然状態での森林を自然林(天然林)といい、植林されたものを植林(人工林)という。
 自然林はAのように何層にもなり、下層では樹種も多い「階層構造」を持ち、広葉樹のため、葉の着く部分は上部に球形となる。
 人工林は一時期に植林されたため、単層構造で針葉樹で、葉のつく部分の形は三角となる。
 旅行した時、電車の車窓から見ると、この両者の違いはよくわかります。
 (なお北海道北部は自然林自身が針葉樹林であるので両者の違いははっきりしない)

 階層構造では上部から高木層・亜高木層・低木層・草本層の4部となる。さらに地表部を「コケ層」として5部とみなすこともある。
 高木層の樹種は昨日述べたように、照葉樹林ではカシ・シイ・クス・タブ、夏緑樹林ではブナ・ミズナラが優占するが、亜高木層以下はその優占種の若木もあるが、様々な樹種が混じる。
 したがって自然林は食料・営巣場所ともに多様で豊富なので動物たちも生息しやすいが、人工林は生息しにくい。
 ニホンカモシカ・ツキノワグマなどを里に追いやり「害獣」とさせしめたのは、日本の森林が人工林に転化されてきたことが背景にある。
 日本における自然林:人工林=60%:40%で約半々と考えてよい。

森林上部を林冠、下部を林床という。


★設問2 人工林の代表的な樹種を述べよ。




(考える)




スギ・ヒノキ
(一部カラマツ)

解説
 針葉樹なのでBのような形となる。