子生物学実験の基本としての大腸菌希釈培養に関する問題です。2004年三重大。

大腸菌が増殖した池から採取した水1mlを、滅菌した水9mlと混合し、希釈した。
この希釈液1mlを無菌的に取り、別に用意した
滅菌した水9mlと混合し、更に希釈した。
 このような方法で希釈を4回行い、一番
最後の希釈液0.2mlを大腸菌用の寒天培地上
に均一に塗り広げた後、培養した。







 その結果、培地上に大腸菌のcolonyが
33個出現した。colonyとは1個の細菌が
分裂を繰り返し、目に見える集落となった
ものである。このcolonyのうち1個を選び
純粋培養したのち、DNAを抽出し分析した。
 池の水1ml中の大腸菌数は何個と推定できるか?






答 1.65×10の6乗

33個(塗布時)
×
10/0.2(4回目液)
×
10/1(3回目液)
×
10/1(2回目液)
×
10/1(1回目液=池の水)

「池の水→第1回目液」の操作過程では、希釈は行われるが、
他の過程と異なり、全体(10ml)から一部(1mlや0,2ml)を選び
他は捨てて(残して)、次のプロセスに回すことはしていないので
「大腸菌絶対量」は減っていない。「1回目液中の大腸菌数=池の水1mlの大腸菌数」
である。(もう1回10/1を掛けないように注意)

なお大腸菌は30分で1回分裂するので
10時間で2の20乗倍。「2の10乗」=1024≒10の3乗
なので
10時間で10の6乗(100万倍)

1個の細胞でも100万個の細胞の塊に増えますと、肉眼でシャーレ上に見えます。
夕方8時(20時)に大腸菌溶液を塗布したシャーレを恒温槽に入れ、研究室を出て家に帰り、翌朝研究室に行くと、きちんとコロニーができていて、実験がスムースに進むわけです。



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