★設問1 最初に登場した生物は独立栄養生物か従属栄養生物か?
最初に登場した生物と異なる栄養様式をとる生物で最初に登場した生物は何か?次に登場した生物は何か?



(考える)




従属栄養生物
独立栄養生物で最初に登場したのは光合成細菌、次はラン藻(シアノバクテリア)

解説
104で述べたように、熱水噴出孔で化学合成細菌が出現していたという最近の考え方もあるが、それは入試に発展問題です。設問文が熱水噴出孔を想定していない基礎・標準の問題の際は、

従属栄養生物(原核生物・細菌)
  (化学合成された海の有機物を吸収)

光合成細菌

シアノバクテリア(ラン藻)

の順と考えてよい。

★設問2 光合成細菌に比べ、ラン藻は海洋・水域の各地に分布を広げやすく広がったと考えられる。両者の違いを踏まえて、ラン藻のほうが分布を広げた理由を書け。



(考える)




光合成細菌は硫化水素を必要とするので、硫化水素の多い火山や温泉地に分布が限られるが、ラン藻は水を基質にするので水があり光が届くところならどこにでも分布が広げられた。

★設問3 ラン藻の出現は約何億年前か?



(考える)




27億年前
(出題者によって表記に3億年ぐらいのずれはあるのでおおらかにとらえてください。なお受験生側は27億と認識しておくのがよい)


★設問4 浅海の光が届く海底で、前のラン藻死骸の上部に新しいラン藻が積み重なるようにしてできた構造物は何か?



(考える)




ストロマトライト
(現在でもオーストラリア沿岸などに存在し、27億年前から存在したと考えられる)

★設問5 ラン藻の出現によって減った気体と増えた気体を書け



(考える)




二酸化炭素が減り、酸素が増えた。

下図で黒が二酸化炭素・赤が酸素。絶対量ではなく、相対値を示すグラフであるので注意。入れ替わりに増減していることを確認してください。






 








★設問6 ラン藻による酸素増加の痕跡は「赤い地層」に示されている。この「赤い地層」はどのようにしてできたか?



(考える)




海中に溶解していた鉄イオンが酸化して酸化鉄となり沈殿し赤い地層となった。現在の鉄鉱床がこの由来も多いと考えられている。