★設問 最古の生命活動の痕跡が確認されているのは何億年前の世界のどこの地層か?
 また最古の生物様化石が確認されているのは、何億年前のどこの地層か?



(考える)



最古の生命活動の痕跡
ー38億円、グリーンランドのイスア地域(あるいはアキリア島)

最古の生物様化石
ー35億年前、オーストラリアのピルバラ地方



★解説
 
まず、地球の誕生が46億年前で、化学進化と推定される現象(明日記述)を通じて、
約40億年前には生物が誕生していたと推測されます。
ただ40億年以上前の岩石は現在の近くに残っていないので調べようがないのです。

「約40億」というのは私もよく使うのですが、区切りがいいからで、証拠があるわけではないのです。
「40億年前に生物がいなかったという証拠はない。
いろいろ状況から考えると40億年前に生物がいたと考えても間違いとは断定できない」といったところでしょうか?

さて、正確な時代を正式に聞かれた場合は、

「最古の生命活動の痕跡
ー38億円、グリーンランドのイスア地域(あるいはアキリア島)

最古の生物様化石
ー35億年前、オーストラリアのピルバラ地方」

というのが正確です。

最古の生物様化石は、オーストラリア西岸部に近いピルバラ地域で日本人の研究者(磯崎行雄氏、丸山茂樹氏、上野雄一郎氏)らも関わり、
細い糸状の原核生物の化石が見つかっています。この原核生物のいた環境についての推測は明日にします。

さて、では38億円前のイスア・アキリア島(グリーランド)などの生命活動の痕跡とは何か?

無機的に地殻変動や気象作用で発生し岩石に蓄積する炭素は自然界に存在する炭素の同位体の12C(多数)と
13C(微量)をある比率で持ちます。

 しかし、生命活動で生物体内に蓄積された有機物中の炭素は、生物が使う酵素が12Cのほうが使いやすく、
13Cは使うにくい特徴があるため、生命活動由来の有機物は13Cの比率が小さくなります。
ピルバラ・イスア・アキリア島でのサンプル中の12Cに対する13Cの比率(自然界の物理作用で生成した炭素の標準値からのずれ)を調べると物理作用で生成したより小さく、つまり13Cが利用されていないので、生命活動由来の特徴を示しています。
 これが最古の生命活動の痕跡の証拠です。