★設問1 A(a)とB(b)は連鎖し組換え率は10%である。AABBとaabbとの交配のF1配偶子分離比と、F1どうしの交配した時の表現型分離比を書け。
 またAAbbとaaBBとの交配の場合はそれぞれどうか?


(考える)



AABB×aabbの場合
・F1配偶子分離比
AB:Ab:aB:ab
=9:1:1:9
・F2表現型分離比
[AB]:[Ab]:[aB]:[ab]
=281:19:19:81

AAbb×aaBBの場合
・F1配偶子分離比
AB:Ab:aB:ab
=1:9:9:1
・F2表現型分離比
[AB]:[Ab]:[aB]:[ab]
=201:99:99:1

解説
10%組換え・90%組換えなし→1:9

AABB×aabbの場合
・|9119
ーーーーーー
9|819981
1|9119
1|9119
9|819981

でこれをニ遺伝子雑種の表パターンで表現型ごとに数を足すと
281:19:19:81

AAbb×aaBBの場合
・|1991
ーーーーーー
1|1991
9|981819
9|981819
1|1991

でこれをニ遺伝子雑種の表パターンで表現型ごとに数を足すと
201:99:99:1

★設問2 F1配偶子がAB:Ab:aB:ab=8:1:1:8の際、組換え率は何%か?F1どうしでの交配でのF2表現型分離比はいくつか?
 F1配偶子がAB:Ab:aB:ab=1:8:8:1の際、組換え率は何%か?
F1どうしでの交配でのF2表現型分離比はいくつか?


(考える)



・F1配偶子がAB:Ab:aB:ab=8:1:1:8の際
組換え率11,1% 
[AB]:[Ab]:[aB]:[ab]
=226:17:17:64

・F1配偶子がAB:Ab:aB:ab=1:8:8:1の際
組換え率11,1% 
[AB]:[Ab]:[aB]:[ab]
=163:80:80:1

解説
 n:1:1:nや1:n:n:1の場合、全体の中で少数(1と1)が組換えなので
組換え率の計算式は、両者とも
1+1/(n+1+1+n) ×100%で計算する。

この場合
1+1/(8+1+1+8) ×100 =11,1%

これは1:8:8:1でも

1+1/(1+8+8+1) ×100 =11,1%

で同じである。

(組換えは少数なので
8+8/(1+8+8+1) ×100 =88,9%などとしないように注意)

★設問3 F2分離比が
[AB]:[Ab]:[aB]:[ab]=
177:15:15:49の場合、もとの両親の連鎖パターンはどのパターンで、F1配偶子分離比はどうで、組換え率は何%か?


(考える)



AB、ab連鎖
F1配偶子分離比
AB:Ab:aB:ab=7:1:1:7
組換え率 12,5%

解説
[ab]=nの2乗ということを利用すると
nの2乗=49で
nが7とわかる。
すると
7:1:1:7→12,5%と逆算できる。

★設問4 F2分離比が
[AB]:[Ab]:[aB]:[ab]=
129:63:63:1の場合、もとの両親の連鎖パターンはどのパターンで、F1配偶子分離比はどうで、組換え率は何%か?


(考える)



Ab,aB連鎖
F1配偶子分離比
AB:Ab:aB:ab=1:7:7:1
組換え率12,5%

解説
 129:63:63:1と[ab]が1であることから
1:n:n:1パターンとわかる。

次に比の合計値が
(1+n+n+1)の2乗であり
それが
129+63+63+1=256
=14の2乗

であることから
1+n+n+1=14

nは7と逆算できる。

下表のように

9:1:1:9(1:9:9:1)
8:1:1:8(1:8:8:1)
7:1:1:7(1:7:7:1)
4:1:1:4(1:4:4:1)
3:1:1:3(1:3:3:1)

は組換え率が、10%、11,1%、12,5%、20%、25%とわかりやすいのでよく出題される。




















組換え率(AB、ab連鎖かAb、aB連鎖)


F1配偶子分離比


F2表現型分離比

がどの方向にも自由自在に計算できるよう習熟してほしい。


なお、これは実はよく出題されるパターンであるが、それをはずしてくる問題もある。明日はそのはずしてくるパターンに対する注意を特集したい。