一昨日のメルマガで発酵(fermentation)を扱いました。
その時には「酸化・還元」を重視した解説をしませんでしたが、昨日の「酸化・還元」のまとめを
踏まえて整理しましょう。

まず問題です。
★設問 以下の文に酸化・還元の言葉を入れよ。
@解糖系で、グルコースはピルビン酸に(  )される。
A乳酸発酵後半で、ピルビン酸は乳酸に(  )される。
Bアルコール発酵後半で、ピルビン酸から脱炭酸されたアセトアルデヒド
 は、エタノールに(   )される。
CNAD+は(   )型補酵素である。
DNADH+H+は(   )型補酵素である。









@酸化 A還元 B還元 C酸化 D還元

解説
 一昨日も掲載した下記図でHの動きに特に注目してほしい。昨日メルマガで
述べたように
Hを付加される→還元される
Hをはぎ取られる→酸化される

である。そう考えて、答えを確認してみてほしい。








 


 なお、同じ反応過程で
C6H12O6→2C3H4O3+4H
でグルコースは酸化される(Hをはぎ取られる)一方、

2NAD++4H→2(NADH+H+)

でNAD+(Hがない状態・酸化型)は
還元されて
NADH+H+(Hが付加された状態・還元型)になる。

酸化反応と還元反応は必ずセットで起きる。
「お金を払うものがいれば、必ずお金をもらうものがいる」
と同じことが
水素(電子)あるいは酸素について言える。