(1)次の文中の空欄( ア)〜( オ )に入る適切な語句や数字を記入し、文章を完成させよ。ただし、数字は小数点以下、下2桁を四捨五入し、小数点以下、下1桁で表せ。
また下記の問に答えよ。

   一般に、ある地域に生息する同種個体の集団は( ア )と呼ばれ、単位面積あたりの個体数を( イ )と呼ぶ。
個体数を縦軸に時間を横軸に表すと、(ア)の成長曲線は ( ウ )字形を示す。また、(ア)の大きさは個体の総数で表せるべきだが、実際にはある一定生活空間内の個体数で表され、
動き回る動物では( エ )法により解析される。例えば、10,000uの池で100匹のフナを捕獲して尾びれに切り込みを入れ、
その場で放流したとする。3日後に150匹のフナを捕獲したところ、15匹に尾びれに切り込みが認められた。池のフナの(イ)は( オ )匹/uとなる。

問 (エ)を使用するには条件がある。2つ挙げよ。(各々20字以内)



(考える)




(ア)個体群
(イ)個体群密度
(ウ)S
(エ)標識再捕獲法(標識再捕法)
(mark recapture)
(オ)0,1

(エ)の2条件
・調査期間内に集団からの個体の移出入がない
(大規模な出生・死亡による個体数の変化がない)
・標識個体と非標識個体で再捕獲率に差がない


(標識個体がその標識ゆえに、再捕獲の際、捕まりやすかったりすることがない)

(本文の中に書いてあるので本設問では答から除外されるが、個体が動き回ることも重要な条件である)

追加問題
 フジツボなど動きまわらない生物の数を数える方法は?




答 区画法
 調査面積を区画に分け、数区画の個体数の平均値を求め、その平均値に区画数をかける。


標識再捕獲法に戻り、計算について解説します。下図を見てください。







 

調査する個体群の個体数がN匹とし、通常はこれが不明でこれを求めるのが目的です。
 捕獲してm匹に印(図では赤)をつけ再び環境中に放します。
捕獲した時と放した時は、この赤個体は固まって存在するのですが、放した後、
自由に動き回り全体集団の中に散らばったイメージが左図です。
 
再捕獲の際はこの散らばった全体集団の中
からその部分集団を捕獲することになります。すると再捕獲集団は、全体集団の部分であり、黒と赤の混在の度合いは同じです。

よって
N:m=c:r
です
これを変形すると
Nr=cm
N= cm/r

これは公式として覚えようとするのでなく、その都度、この図を書いて
N:m=c:r
という比例式を書く方がよりよいです。

この設問の場合
N:100=150:15
15N=15000 N=1000

1000個体が10000m2の池にいるので
個体群密度は0,1匹/m2
となります。