問1 間脳(diencephalon)視床下部(hypothalamus)の真下にあり、様々なホルモンを分泌している部位を何というか?





脳下垂体(hypophysis)

問2 脳下垂体前葉と後葉から分泌されるホルモンは、それぞれどこで産生されるか?





前葉から分泌されるホルモンー「前葉(の細胞)」で産生
後葉から分泌されるホルモンー「視床下部」の神経分泌細胞で産生


問3 脳下垂体後葉から分泌される腎臓に関わるホルモンの名称と働きは?





バソプレシン(抗利尿ホルモン)−腎臓集合管での水再吸収促進

解説
 この他に「オキシトシンー子宮筋収縮」もある。(センター基礎範囲外)

問4 間脳視床下部と脳下垂体の図を書き、血液の流れと神経細胞の配置を図示せよ。(電車内などの場合は、頭の中で想像するだけでよい)












 

解説
 脳下垂体前葉には様々なホルモンを分泌する細胞があるが、それの細胞に対して、間脳視床下部の神経細胞から様々な「〇〇放出ホルモン」「〇〇抑制ホルモン」というホルモンが出され、それが脳下垂体門脈という間脳視床下部から脳下垂体前葉に流れる血管がそれを運ぶ。
 脳下垂体後葉から分泌されているホルモンは、脳下垂体後葉で合成されるわけではない。間脳視床下部に細胞体がある神経細胞の核からのmRNAの指令のもと、細胞体内にあるリボソームで合成される。つまり合成は視床下部で行われる。そしてその神経細胞の軸索が後葉まで伸びていて、この軸索を通り輸送され、後葉にある軸索末端から後葉の血管に分泌される。
 視床下部〜脳下垂体後葉まで伸びていて、このように軸索末端からホルモンを分泌する神経細胞を神経分泌細胞といい、これを「神経分泌」という。だから「神経分泌」という言葉は「脳下垂体後葉」からのホルモンを示すことが多い。
 ただし、図を見ればわかるように、間脳視床下部から前葉に向けて出される「〇〇放出ホルモン」「〇〇抑制ホルモン」を分泌するのも神経分泌細胞であり、これも神経分泌である。
 「神経分泌」という言葉は、問題の文脈によって、「後葉」に限定して示す場合と、視床下部内部で分泌される放出ホルモン・抑制ホルモンを示す場合もあるので、問題に応じて柔軟に対応すること。