問1 外部環境(体外環境)の変化に関わらず、内部環境(体内環境)の状態を一定の範囲内にとどめようとする性質を何というか?またその総合中枢はどこにあるか?





恒常性(ホメオスタシス、homeostasis)
間脳(diencephalon)視床下部(hypothalamus)

解説
 大脳(意識)の影響は受けるが、基本的には大脳(意識)とは独立に働く。

問2 恒常性は内分泌系と自律神経系により制御されている。自律神経系(antonomic nervous system)には2種類があるが、どのような時に働く何という名称の神経か?




答 無意識に体が興奮する時に働く交感神経(sympathetic nervous)と
休息する時に働く副交感神経(parasympathetic nervous)。

解説 暗い・寒い時も興奮の必要性があり、交感神経が働くと考えるという。この基準でたいたい、どの器官にどのような働きをさせるかが判別できる。

問3 交感・副交感神経は、消化系はそれぞれ促進するか抑制するか?




答 交感神経は抑制し、副交感神経は促進する。

解説 体を無意識に興奮させるべき時は、敵から逃げたり闘ったりする時期が多い。有限な体の血流を消化管に回したり、消化管の筋肉ののぜん動・分節運動ことは控え、闘いや逃走に備えるため消化系は抑制される。逆に体が休息時は食後などが多く、消化系を促進する。
つまり消化系の動きは体の他の部位全体の興奮と逆の動きをする。

問4 交感神経・副交感神経の中枢は?




答 交感神経 脊髄
 副交感神経 中脳・延髄・脊髄

解説
 総合中枢は間脳視床下部であるが、直接の中枢はそれより下部の中脳・延髄・脊髄にある。
 交感神経は脊髄のみを中枢とし、副交感神経の中枢は中脳・延髄・脊髄がある。副交感神経の具体名としては、延髄を中枢とし体の各器官に広く分布する迷走神経が一番多く出題される。

問5 交感神経・副交感神経とも中枢から1回の接続(神経節)を経て末端の器官にいたる。前半を節前神経、後半を節後神経という。交感神経・副交感神経の節前・節後神経の長さは?また節後神経から出される神経伝達物質は?






交感神経 節前ー短 節後ー長 ノルアドレナリン
副交感神経 節前ー長 節後ー短 アセチルコリン
(この伝達物質の名称はセンター基礎範囲外(生物の範囲)であるが、念のため)

解説
以上の内容を表にまとめると以下のようになる。





交感神経が節前が短く、節後が長いことは以下のようにおさえよう。

「鉄ちゃん(鉄道ファン)、SL(蒸気機関車、steam locomotive)見て興奮」
S(short)→L(long)と接続するほうが、興奮=交感神経。

 ノルアドレナリンは、副腎髄質ホルモンのアドレナリンからメチル基1つがとれた物質である。両者は近い働きをするが、入試問題では、交感神経の神経伝達物質はノルアドレナリン、副腎髄質のホルモンはアドレナリンと答える。