設問1 カエルの発生を示した図の1〜16の名称を答えよ。
(1・2は極の名称、3・4はオレンジ部分の名称、5・6・7は胚葉名)






 









(考える)



1動物極 2植物極 3灰色三日月 4原口背唇
5外胚葉 6中胚葉 7内胚葉 8卵黄栓(卵黄プラグ)
9神経板 10脊索 
11神経管 12体節 13腎節 14側板 15体腔
16腸管

解説
 受精卵では動物極側は黒っぽく、植物極側は白っぽい。(図では灰色と黄色で示した)。また精子侵入点の反対側に3(灰色三日月)ができる。
 原腸胚初期になると原口のより動物極側に近い側に4(原口背唇)ができる。原口背唇はやがて10(脊索)となる。
 
 原腸胚後期には、原口から陥入した細胞層が原腸の天井に位置し「中胚葉」となる。動物極側の黒い細胞層は植物極側を含めて全体を覆い「外胚葉」となる。
 もともと植物極側に位置した白っぽい細胞層は、外胚葉に取り囲まれた上で植物半球側にそのまま残り「内胚葉」となる。
 卵黄が多く白っぽい植物極側細胞質は原口の近くでは外に出て、黒っぽい細胞層の中に「栓」のように残される。

 4(原口背唇)は外胚葉に働きかけ(外胚葉を「誘導」し)、9(神経板)を経て11(神経管)となる。原口背唇はのちに10(脊索)になる。

 神経管は外胚葉由来であることを確認してほしい。
中胚葉は「脊索」「体節」「腎節」「側板」に4区分され、側板の隙間は「体腔」となる。
 
 内胚葉は原腸を取り囲み「腸管」となる。

★設問2 次の器官・細胞は何胚葉由来か?特に中胚葉由来の場合は、どの構造由来かも答えよ。

表皮 
レンズ 小腸上皮細胞
角膜 脳 脊髄 
すい臓 胆のう 副腎皮質 
消化管の平滑筋 心臓 血管
網膜  
肝臓   甲状腺 胸腺
腸間膜 腹膜 胸膜 肺胞
骨格筋 脊椎 真皮
腎臓 生殖輸管
消化管の平滑筋 心臓 血管 
腹腔 胸腔 


(考える)




・外胚葉
(表皮由来)表皮 レンズ 角膜 
(神経管由来)脳 脊髄 網膜 

・内胚葉(消化管上皮とそれに近い由来のもの・呼吸系)
 肝臓 小腸上皮細胞 すい臓 胆のう 甲状腺 胸腺 ぼうこう上皮
肺胞

・中胚葉
(脊索由来)なし(退化する)
(体節由来)脊椎(含む骨格)・骨格筋・真皮
(腎節由来)腎臓 生殖輸管
(側板由来)消化管の平滑筋 心臓 血管 腸間膜 腹膜 胸膜
 副腎皮質
(体腔由来) 腹腔 胸腔

解説
ポイント
外胚葉を「表皮・神経管・神経堤」由来
内胚葉を「消化系と呼吸系」由来
とおさえれば、中胚葉はおおむね「それ以外」と消去法で把握できる。
中胚葉の中では
「体節」は神経を補助し背側に位置し、「側板」は
消化管上皮を補助し、腹側に位置することが多いというイメージでとらえる。

(とくに注意すべき点)
・脊髄は神経なので外胚葉、脊椎は骨格なので体節由来の中胚葉
・網膜は上皮組織であるが、由来としては神経管由来の外胚葉
・甲状腺・胸線(心臓の上にある免疫系臓器)・ぼうこう上皮は今は消化管ではないが、由来としては消化管由来