問1 下表はmRNAのコドンとアミノ酸の対応をまとめた遺伝暗号表である。
なお下表において空白にしている部分は、その直上のアミノ酸と同じアミノ酸という意味である。

遺伝暗号においては64種類(終止コドン除き61種)の暗号で20種類のアミノ酸を指定するため、異なる暗号が同じアミノ酸を指定することがある。
 コドンの何塩基目が異なっても同じアミノ酸を指定することが多いか?




























答 3塩基目
解説 たとえばCUUでもCUCでもCUAでもCUGでも同じLeu(ロイシン)を指定する。ただじ必ず3塩基目が異なっても同じアミノ酸を指定するわけではなく、UG・ではUGU/UGCはCys(システイン)・UGAは終止、UGGはトリプトファン(Trp)を示す。
 トリプトファン=Trp、システイン=Cysなどアミノ酸を図のように3文字(大文字+小文字2つ)で示すことがある。知識としては要求されないが、この表記に慣れるとむしろカタカナ表記より楽である。

問2 1つの塩基が置き換わった時、指定するアミノ酸が変化することがある。
図を見ながら、
CCU→Pro(プロリン)がどのように変わるとどのアミノ酸になるか列記せよ。なおアミノ酸は3文字略号表記でよい。







1塩基目置換(縦列で見る)
UCU→Seu(ロイシン)
ACU→Thr(トレオニン)
GCU→Ala(アラニン)

2塩基目置換(横列で見る)
CUU→Leu(ロイシン)
CAU→His(ヒスチジン)
CGU→Arg(アルギニン)

3塩基目置換
CCC/CCA/CCG すべて変化なくPro(プロリン)のまま


問3 同じアミノ酸を指定する置換を同義置換、異なるアミノ酸を指定する置換を非同義置換という。
 1塩基置換が起きた場合、必ず非同義置換になるコドンとそのコドンがもともと指定するアミノ酸は






AUG Met(メチオニン)

解説
 1・2塩基目が異なるアミノ酸をしていることほとんどなので、3塩基目が置換した場合、必ず他のアミノ酸を指定しているものを選ぶと
AUGのMet(メチオニン)でAUU/AUC/AUAの場合はIle(イソロイシン)になる。
 なおAUGは開始コドンとして使われるが、翻訳途中に存在する場合は、普通にメチオニンを結合していくコドンとして読まれる。


問4 1塩基目のUUA→CUAの置換は、同義置換か非同義置換か?






答 
置換してもLeu(ロイシン)を指定し続ける同義置換

解説 
 まれには1塩基目が変化しても同じアミノ酸を指定することもある。