↓重松清「幼な子われらに生まれ」(幻冬舎文庫)



夏目漱石「吾輩は猫である」「こころ」「坊ちゃん」
東野圭吾「秘密」「昔僕が死んだ家」「虹をあやつる少年」
「片想い」
を読んだ。
まだまだ両作家を読み進めるつもりだが、今は重松清をはじめてよみはじめている。(「幼な子われらに生まれ」)
(たぶん重松さんの作品にはもう少し軽いものがあると思うが、)この作品は少し重たいが、主人公の気持ちがよく伝わってくる。

このメルマガ今週何にしようかと考えていたが、この本のp149に

「じだんだをふむ」

が漢字で書いてあり、一気に今週の国語・英語・理科をテーマがまとまった。

ではまず「じだんだをふむ」の漢字を予想してください。



(少し考える)


答え
「地団駄を踏む」


さて次にこの漢字の由来がわかるでしょうか?少し予測してみてください。



(少し考える)


「駄」は「駄菓子」「駄作」など「つまらない」「ねうちのない」「安い」などの意味で使われます。もともとは「運送用の馬」の意味だそうです。
 すると漢字の意味としては「地面に団子のようにつまらないものを作ってしまうまで踏み続けるほど悔しい」とのニュアンスだとなんとなく漢字と意味が合っているような気もします。

しかし、私も調べてびっくりしたのですが全く違いました。
実は「団駄」は当て字(発音だけ同じだが意味はない言葉、たとえば「亜米利加(アメリカ)」など)です
意味の由来の漢字は
「地蹈鞴(じたたら)」が変化したもの。
「蹈鞴(たたら)」は足で踏んで風を送る大型の鞴(ふいご)で、昔のオルガンの足踏みようなものが、大型になったものです。「たたらを踏む」という言葉は日常にあったわけです。
 古代の製鉄では、必要な空気を「たたら」で送り込んでいたため、古代の製鉄所を「たたら場」といいます。
 アニメ「もののけ姫」では、女たちが「たたらば」で歌を歌いながらリズムよく大型の「蹈鞴」を踏んでいます。
そこに主人公の1人のアシタカ(男)が混じってやけくそになって踏むのでリズムが狂います。きっと、これが「じだんだをふむ」ことなんですね。

(ちなみに夏目漱石の「吾輩は猫である」にも「たたら三平」という人が出てきますが、漢字は「多々良」です。)


「じだんだを踏む」(小学館国語大辞典)
 怒りや悔しさに身もだえをしながら、はげしく地を踏みならす。

ということで、木曜日のEnglish・土曜日の理科では「たたら場」にちなんで「鉄」を中心に考えましょう。