★設問1 以下の図は被子植物の受精と種子形成の過程を示したものである。1〜12の名称を答えよ。
















(考える)



1珠皮 2種皮 3胚乳 4有胚乳種子(胚乳種子)

5胚球 6胚柄(はいへい)

7幼芽 8子葉 9胚軸 10幼根 11胚

12無胚乳種子

解説
雌しべの胚珠の外側の皮「珠皮」は雌しべの体の一部(母方の体)で、これが受精などせず、そのまま「種皮」になる。

受精卵は2つの細胞に分裂し、上側の細胞からは将来胚になる「胚球」が、下側の細胞からは、胚と種皮の間に存在する「胚柄」となる。


★設問2 図のように、被子植物が2か所同時に受精をおこすことは何というか?
 種皮・胚乳・胚・胚柄の染色体数を答え、また花粉(精細胞)由来の染色体が含まれているか否かを答えよ。



(考える)




重複受精
種皮2n(精細胞由来の染色体なし)
胚乳3n(あり)
胚2n(あり)
胚柄2n(あり)

解説
裸子植物が重複受精しない。胚乳は受精なしに、nの細胞が体細胞分裂で増殖して増えるので、裸子の胚乳はn。

★設問3 球はやがて胚になる。胚の中の4構造の名称を答えよ。その中で根・本葉になる構造を書け。



(考える)




子葉
幼芽→本葉
胚軸
幼根→根

解説
子葉は葉のように見えるが、栄養を貯蔵しており、発芽・成長のための栄養分として使われ退化する。
その栄養は幼芽に送られ、幼芽から本葉が形成される。
なお、子葉が大きい場合、見掛け上最初に地上面に出てきて「葉」のように見えることがあるが、
やがてしなびて退化し、その中央にあった幼芽から本葉が形成される。(通常の栄養状態ならば)本葉はしなびて退化することはない。

胚柄は胚より下部に形成されるので根の位置と勘違いしそうであるが、次世代の植物を作る構造にはならず退化する。


★設問4 無胚乳種子で巨大化している構造は何か?胚乳は形成されないのか、それとも形成された上で退化するのか?



(考える)




子葉
胚乳は一旦は形成されるが、その栄養分は子葉に吸収され退化する。

★設問5 次の中を有胚乳種子と無胚乳種子に分類せよ。
イネ クリ アブラナ コムギ タマネギ ナズナ ダイコン ソバ トマト ナス アサガオ ダイズ シロツメクサ ニンジン



(考える)




・有胚乳種子 
イネ コムギ タマネギ ソバ トマト ナス ニンジン

・無胚乳種子 
クリ 
アブラナ・ナズナ・ダイコン(アブラナ科)
アサガオ
ダイズ・シロツメクサ(マメ科)

解説
詳しく言うといろいろありますが、まずは過去の入試から考えて、
「クリ・アサガオ・マメ科・アブラナ科」が無胚乳種子と考え、それ以外は有胚乳種子と考えてよい。

★設問6 次の食べ物の染色体数を答えよ
 白米、クリ、エンドウ、ギンナン バナナ



(考える)




ギンナン(裸子植物イチョウの胚乳)n
エンドウ・クリ 2n(子葉を食べている)
白米3n(被子植物の胚乳を食べている)
バナナ3n(3倍体となって株わけして増やしているのが栽培バナナ)