まずは心臓(始発駅)と血液(電車)の方向の整理です。
心臓の拍動による血液の送りだし(心拍出量)は安静時で毎分70回です。どの循環に向かうかで差がありますが、血液はおおよそ1分以内にからだを一巡すると考えてよいのです。とても早いですね。

血液は脳・肝臓・腎臓・筋肉に1Lずつ存在
 あなたの血液(男性なら約5L、女性なら約4L)は、特にどの臓器に分布しているのでしょうか? 通常は、脳・肝臓・腎臓・筋肉に1Lづつ、そのほかに1ℓ存在します。筋肉は全身あわせて1Lであり、特定の部分に集中しているわけではないので、特定臓器としては脳・肝臓・腎臓(腎臓は左右の合計)がいかに「肝腎」かわかりますね。ただし、運動時には血流量が増え、その分は筋肉や皮膚に集中します。
  
★脳・刊・腎・筋1L
心臓は4つの部屋に分かれていますね。上の部屋は血液が戻ってくる部屋で心房といいます(辛抱(心房)強く血液のかえりを待っています)。一方、下の部屋は血液を肺や全身に送り出す部屋で心室といいます(いつも進出(心室)を狙っています)。全身に血液を送る体循環の出発となる左心室は、肺だけの循環でよい右心室に比べ、より強い力で拍出しなければなりません。したがって左心室の壁のほうが厚くなっています。

●心拍 ペースメーカーをもつとともに、速度調節も受ける

右心房には洞房結節(ペースメーカー)という心拍リズムをとる筋肉があり、刺激伝導系という筋肉系が心臓全体に張り巡らされ、それが心拍を規則正しくしています。このペースメーカーは神経刺激がなくても動き続け、それを自動能といいます。しかしその速度は神経やホルモンにより調整されます。たとえば、心臓に分布した交感神経は心拍を増やし、副交感神経は減らします。
心臓は冠動脈に支えられている

●血液循環ポンプである心臓も、そのエネルギーをだすためのグルコースは血液から供給されています。
それは心室や心房にある血液を使っているのでなく、大動脈から独自の動脈(冠動脈)を引き込み、外側から心臓に栄養や酸素を与えます。その冠動脈はコレステロールなどで詰まりやすく、詰まってしまうとそれより先端に酸素やグルコースが供給されなくなり、その先端部の細胞は酸素栄養不足状態、壊死することもあります。これが「心臓発作」などの原因となります。急性心筋梗塞においては、心室が細かくブルブル震え、ポンプ作用を停止する(心室細動)ことで命とりになることがあるのはその症例の1つです。