●骨髄〜血球たちの故郷

 骨は体を支えて筋肉の運動の起点となるだけではありません。骨の中心部は空洞になっており、骨髄とよばれます。ここには多能性幹細胞というすべての血球のもととなる細胞があり、自己増殖しながら一部が赤血球・血小板・白血球に分化していきます。そして骨の表面にあいた穴からでる血管から全身に旅立ちます。


●骨の主成分はリン酸カルシウム・コラーゲン

人体には約1sのカルシウムがありますが、その99%は骨にあり、1%(10g)が細胞内と血液内などにあります。骨のCa2+はリン酸と結合したリン酸カルシウムです。骨にはこのほかにコラーゲンという弾力性のあるタンパク質があります。
Ca2+は、体内では細胞内のシグナル伝達、筋収縮・血液凝固などさまざまな働きにかかわっています。また、リン酸もATPの原料となったりシグナル伝達に使われたりします。体内の各細胞が使うCa2+やリン酸は、不足すると骨を溶かしだしてつくられます。また腎臓から排出されてしまう分、消化管から吸収しようとしています。それにかかわるのがカルシトニン・パラトルモンなどです。

●いれかわる骨
骨には古くなった骨基質を破壊吸収する破骨細胞と、破壊した部分に新しい骨基質を埋め込んでいく骨芽細胞があります。骨芽細胞は最初は骨内部の血管壁などに存在しています。破骨細胞の働きでできた骨の空洞部分に移動し、そこで骨基質をだし、その基質にみずからは埋まって「骨細胞」になります。全体が完全にいれかわるのに数年かかるものもありますが、少しずついれかわっているのです。
 
骨=骨細胞(破骨・骨芽細胞含む)+骨基質
血液=血球(細胞成分)+血しょう(液体成分)
多細胞生物の結合組織を形づくるコラーゲン

 コラーゲンは化粧品の保湿材・食品の粘性を高める物質として使われますがそもそもあなたの体を含む多細胞生物の体の最多のタンパク質として幅広く使われています(化粧品・食品のものはその一部を加工利用したもの)。コラーゲンは以下のように三重らせん構造をしており、これが弾力の秘密です。コラーゲンを含む結合組織を膠(こう)質(しつ)性結合組織と総称することもあります。