●対光反射(瞳孔反射)light reflex  
 虹彩は光がレンズに入るのを防ぐレンズカバーの役目をし、瞳孔から光が入ります。この瞳孔は外界の明るさに応じて拡大・縮小し、眼の網膜にいたる光量を調整します。
暗いときは、交感神経の働きで瞳孔散大筋が収縮して瞳孔が拡大(散瞳)し、少ない光でも効率的に感受できるようにします。明るいときには、副交感神経の司令で瞳孔括約筋により瞳孔が縮小(縮瞳)し、眼内に必要以上の光が入らないようにし、暗いときには交感神経の指令で瞳孔散大筋により瞳孔が拡大します。

●遠近調節 本に合わせていた視線を窓の外の景色に移した瞬間に、そちらにピントが合うのはどうしてでしょうか? 近くをみるときは、レンズの外側にある毛様筋が収縮します。毛様筋ciliary muscleは内側方向へ収縮するように筋肉が配置しているため、結果としてチン小帯Zinn’s zonuleがゆるみ、レンズは自分の弾力で厚くなって光の屈折率を高め、外広がりに入ってきた光を網膜で像を結ぶようにします。一方遠くをみるときは、「毛様筋弛緩→チン小帯緊張→レンズはひっぱられて薄く→屈折率低下」という過程をとります。本を読みすぎて目が疲れるのは、毛様筋の疲れなどによります。

●視細胞による明暗への適応
網膜には色のちがいを感受できる円錐形の部分をもつ錐体細胞と、色のちがいは感受できませんが薄明を感受できる棒状のかん体細胞があります。錐体細胞は明るい場所のみで働き、赤錐体・緑錐体・青錐体の3種があり、その3種の興奮の比率で色彩を見分けます。かん体細胞は、暗所においてビタミンAを用いてレチナールからロドプシンを合成し、明暗の感度を上昇させます。これを暗順応dark adaptationといい、暗い映画館で次第に目が慣れるのはこのためです。明るい場所に行くとロドプシンはレチナールに分解されます。