A右心房
B右心室
C左心房
D左心室
1上大静脈
2下大静脈
3三尖弁(さんせんべん)(右房室弁)(センター範囲外)
4肺動脈弁
5肺動脈
6肺静脈
7僧帽弁(そうぼうべん)(左房室弁)(センター範囲外)
8大動脈弁
9大動脈

解説
・人体の図は、医者が対面する患者を診ることを前提にしているので左右逆転しているので注意。
・血液を受け入れる部屋を「心房」、送り出す部屋を「心室」という。
・1上半身からの上大静脈と、2下半身からの下大静脈を合わせて
「大静脈」という。
・人体の血液循環は
 1、「左心室→大動脈」を出発点と考える。
 2、「左から出れば右に帰る(右から出れば左に帰る)」
 3、「心室から出て心房に戻る」「心房からすぐ下の心室に送る」
という3つの原則で考えれば、試験場で組み立てることができる。



腎臓機能の基本単位 全体の名称「ネフロン」(腎単位)

A腎動脈(腎細動脈)
B糸球体
Cボーマンのう
D腎細管(尿細管)
F腎静脈(腎細静脈)
G集合管
H腎う
I輸尿管(尿管)
Jぼうこう
K尿道

BCを合わせた名称ー腎小体(マルピーギ小体・マルピギー小体)

腎小体でろ過(受動輸送)、腎細管で再吸収(能動輸送)





タンパク質はろ過されないが、グルコースはろ過された上ですべて再吸収される(それぞれ異なる理由で尿中濃度0となる)

イヌリンはろ過されるが全く再吸収されない物質である。
イヌリンの濃度上昇率120倍から逆算し、尿の1分間量に120をかけて「原尿」量を求める。

(パラアミノ馬尿酸は」センター範囲外)



外分泌腺 体外(消化管内も口・肛門とつながっており体外)に液を分泌する腺。汗腺・乳腺・消化腺
 導管あり

内分泌腺 体内(血液)にホルモンを分泌。導管なし。


( )はセンター範囲外

成長ホルモンー骨の成長・タンパク質合成促進・代謝促進・血糖上昇
(・プロラクチン(催乳ホルモン)−乳汁分泌(乳腺))
Cチロキシンー代謝・発熱・変態促進
D糖質コルチコイドー血糖上昇(タンパク質からの糖生成)
E鉱質コルチコイド(無機質コルチコイド)−腎細管でのNa+再吸収促進
(Fエストロゲンー子宮壁の肥厚化)
(Gプロゲステロンー子宮壁の肥厚化)
(Hテストステロンー男性の二次性徴促進)
(Iインテルメジン(メラニン細胞刺激ホルモン)
ー体色暗化(色素胞の中での色素粒の拡散))
JK
パソプレシン(抗利尿ホルモン)
ー集合管での水分再吸収促進
(オキシトシン
ー子宮収縮(陣痛促進))
Lアドレナリンー血糖上昇
Mグルカゴンー血糖上昇
Nインスリンー血糖低下
Oパラトルモンー骨からの血液へのCa2+供給
(Pガストリンー胃液分泌促進)
(Qセクレチンーすい液分泌促進)
R甲状腺刺激ホルモン
S副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
(Tろ胞刺激ホルモン(FSH))
(U黄体形成ホルモン(LH))
V交感神経
W副交感神経(迷走神経)
X神経分泌
Y脊髄
Z延髄




A甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン
B甲状腺刺激ホルモン
Cチロキシン

1はもっとも体内のバランスが保たれている時
2はチロキシンが減りすぎたため、負のフィードバック調整で放出ホルモン・刺激ホルモンを増やしチロキシン量を回復させようとしている状態である。
3は逆にチロキシンが増えすぎたため、
放出ホルモン・刺激ホルモンを減らし調節しようとしている状態である。
 4は外からの注射により、チロキシンが増えすぎている状態であるが、この注射が恒常的に持続した場合。甲状腺は萎縮していく。
甲状腺は肥大化するか萎縮するか?

5〜0は腫瘍や機能低下

5甲状腺機能低下
6脳下垂体機能低下
7間脳視床下部機能低下
8甲状腺の腫瘍
9脳下垂体前葉の腫瘍
0間脳視床下部の腫瘍

ホルモンのフィードバックの応用問題は、矢印の太さでホルモン量を表示すると、どこに異常があるかよくわかる。




Aを「交感神経」、Bを「副交感神経(迷走神経)」とすると
Aを刺激するとノルアドレナリンが出され、心臓1だけでなく心臓2にも流れて行くので、少し遅れて心臓2も拍動促進。

Bを刺激するとアセチルコリンが出され、心臓1だけでなく心臓2にも流れて行くので、少し遅れて心臓2も拍動抑制。


●「交感神経」、神経伝達物質ノルアドレナリン
●「副交感神経」、神経伝達物質アセチルコリン

●交感神経の中枢ー脊髄
●副交感神経の中枢ー中脳・延髄・脊髄

中脳→動眼神経→瞳孔縮小(瞳孔括約筋収縮)
延髄→顔面神経→だ液分泌促進・涙腺刺激
延髄→舌咽(ぜついん)神経→だ液分泌促進
延髄→迷走神経→消化液分泌促進・心拍抑制・呼吸抑制・インスリン分泌促進
(様々な場所にたこあし配線のように「迷い走る」)



●神経節が脊髄に近いー交感神経
●神経節が臓器に近いー副交感神経

2本の神経の長さが
交感神経 短(Short) 長(Long)
副交感神経 長(Long) 短(Short)
となるので、
「鉄道ファン SL(蒸気機関車)見て興奮(交感神経)」と
おさえるとよい。




1感覚神経 2交感神経 3アドレナリン
4糖質コルチコイド 5チロキシン
6放熱防止 7発熱促進

 恒温動物にとって、寒冷時は代謝で熱を生みだし体温保持を積極的に行う時期なので「交感神経」が働く。
 「放熱防止」と「発熱促進」の両方で寒冷時に対処する。
九州弁の「アッチーど〜」と考えれば、3ホルモンの名称がおさえされる。




1グルカゴン濃度
2血糖量
3インスリン濃度

解説
100mg/100ml付近を増減していることから2が血糖値とわかる。
食前に減少し、食後増加して増えた血糖を減らそうとしている3がインスリンである。
一方、食前に、(減りすぎた血糖を増やすために)増え、血糖が増えてしまう食後は自ら自粛して
それ以上血糖を増やさないようにして、また食後時間が経過すると増え始める1はグルカゴンである。


1、健康状態、適量のホルモン、適量のレセプター

2、内分泌腺が過剰にホルモンを分泌するため、標的器官のレセプターに過剰に結合し、過剰な反応が起きる。
(図では1つの細胞が過剰に出したように表現したが、この他にも内分泌腺の細胞が腫瘍化し細胞数が過剰に増え、1つ1つの細胞のホルモン分泌量は同じでも腺全体としては過剰に分泌されるもともある)

3、内分泌腺の細胞が破壊されたり、働かなくなったりして、ホルモンが分泌されないので、標的器官も働けない。
(図では全くホルモンが出ないイメージであるが、もちろん分泌量が減るだけでも疾患になる)

4、内分泌腺のホルモン合成遺伝子の異常により、立体構造の異なるホルモンが出るため、標的器官のレセプターに結合できず、反応が起きない。

5、標的器官が破壊されるか、遺伝子異常でレセプターが細胞表面に発現できないため、内分泌腺から適量の正常ホルモンが分泌されていても働かない。
(完全破壊やレセプターが完全に0にならなくても減るだけでも疾患となる)

6、標的器官の細胞の遺伝子異常で、構造が異常なレセプターが発現するため、内分泌腺から適量の正常ホルモンが分泌されていてもレセプターに結合できず働かない。




1ケアシガ二(外洋性)
2モクズガニ(川・河口・海を往復)
3ミドリイソガザミ(河口域のカニ)
4淡水硬骨魚
5海産硬骨魚
6回遊魚



図の黒字が自然に傾向であいり、赤が魚たちの努力である。エラと腎臓で調節をしていることがわかるが、その方向性が逆であることに注目してほしい。

1自然の流れはどうであるか?
2口とエラでどのように努力しているか?
3腎臓でどのように調節しどのような尿を出すか

の順でおさえるとよい。



図で、青はaaから由来することが明らかな既知な部分である。
 赤が不明な親由来の未知な部分と考えると、子の結果から親の遺伝子型が推定できることがわかりますね。



丸黄にはAABB、AABb、AaBB、AaBbの4通りの遺伝子型がありうる。
図ではこれを「A?B?」と表現する。
 図では、検定交雑する相手のaabb由来のものが青字、遺伝子型不明な「丸黄」由来の遺伝子を
赤字で表記している。子どもの様子の赤字の部分から「丸黄」の作った配偶子分離比が逆算でき、
丸黄の遺伝子型が確定できるのを確認してほしい。
(左図では由来の↓を厳密に書いたが、右図では簡略化のため省略した。)



自家受精の繰り返しの分離比の問題

F2はAA:Aa:aa=1:2:1
比率に直すと1/4:1/2:1/4
F2からF3を作る時、

・1/4AAからはまた全てAAが
・1/4aaからはまた全てaaが
・1/2AaからはAA:Aa:aa=1/4:1/2:1/4が出現するので


1/4AA+1/2(1/4AA+1/2Aa+1/4aa)+1/4aa

=3/8AA+1/4Aa+3/8aa

AA:Aa:aa=3:2:3

F4も同様に計算できるが、面倒くさいので、
上表のように比の合計値の規則性からその規則性を類推する。
n→∞にすると、ヘテロ接合体(Aa)がほとんどなくなる。

自由交雑(ランダム交雑)の場合、何世代を経ても
AA:Aa:aa=1:2:1


丸Aし、わa、黄B、緑bとする。丸黄の純系としわ緑の純系からF1を得た。F1どうしを自家受精してF2を得た場合の表現型分離比は、

F1配偶子遺伝子型分離比
AB:Ab:aB:ab=1:1:1:1

それが卵・精子に関し、上のような碁盤目表になるので、

F2表現型分離比
丸黄:丸緑:しわ黄:しわ緑
=9:3::3:1




二遺伝子雑種・独立(遺伝子の相互作用)

AABB×aabbあるいはAAbb×aaBB
のF1の自家受精でF2を作る場合

F2で9:3:3:1の変形である


種皮の色はA有色、a無色、胚乳の性質はデンプン性B、
砂糖性b、子葉の色は黄色D、緑色dで、大文字が優性の植物を考える。
AABBDDの雌しべに、aabbddの花粉親の花粉を受粉してできる


雌しべAABBと花粉親aabbとの交雑で生まれたF1を育て、自家受精して種子を得た。
種皮・胚乳の表現型分離比を答えると上のようになる。。

種皮 すべて有色
胚乳 デンプン性:砂糖性=3:1



AABBとaabbの交配によるF1(AaBb)について、独立の場合、
完全連鎖の場合、連鎖組換え(組換え率20%)の場合の配偶子分離比を記せ。


独立
AB:Ab:aB:AB=1:1:1:1

完全連鎖
AB:ab=1:1
(AB:Ab:aB:ab=1:0:0:1)

連鎖組換え(組換え率20%)
AB:Ab:aB:ab=4:1:1:4

解説
組換え20%とは、組換えしない率が80%で、比にすると1と4になる。

同じ交配でも染色体上の位置関係で、このように配偶子分離比が異なることがあるので注意。
 



遺伝子A(a)とB(b)は連鎖し、組換え率20%である。AAbbとaaBBの両親の交配で生まれたF1の配偶子分離比は
AB:Ab:aB:ab=1:4:4:1

 最初はAbとaBが連鎖している。20%組換えなので、80%は組換えがない。20%:80%=1:4である。

図のように、連鎖する遺伝子について
AAbb×aaBBのF1配偶子の場合は、AABB×aabbのF1配偶子の場合と考え方は同じであるが、
記号の組み合わせは異なり、異なる結果が出るので注意が必要である。







A(a)、B(b)は連鎖して組換え率20%とする。

左図
AABBとaabbのF1どうしを交配したF2の表現型分離比
[AB]:[Ab]:[aB]:[ab]
=66:9:9:16

右図
 AAbbとaaBBのF1どうしを交配したF2の表現型分離比
[AB]:[Ab]:[aB]:[ab]
=51:24:24:1

ニ遺伝子雑種のゴバン目の表現型分離の色わけで係数の合計値を足し合わせればよい。



3遺伝子が連鎖している場合AABBCCとaabbccを交配したF1を検定交雑結果が上左表のようだった場合、3遺伝子の染色体上の位置関係と組換え率を求める。

分離比が不規則で
多数2型:中程度4型:少数2型となる分離比であったら
3連鎖の問題と考えてよい。
モーガンの実験方法であるがゆえ、非常に多く出題される。

解く手順

1、多数のものが連鎖の原型で基準である。この場合[ABC]と[abc]であえるが他のものが多数で連鎖の原型となることもある。

2.AB間、BC間、AC間で分析し、そのマスを横に書く。連鎖の原型からずれている型の数字を列挙して合計値を数える。
 たとえばAB間ではABとabは連鎖の原型なので、Ab,aBとなっているものをみつけ、AB間の列にその数値を書き足し算する。
 BC間、AC間についても同様に行う。

3、2で求めた数値を組換え率と認定し、ABCの位置と組換え率を決定する。ただし、もっとも離れた遺伝子間の数値は概数が会っていることを確認した上で、無視してよい。

20%(AB間)+10%(BC間)≒26%(AC間)

  
   (26%)
A    B   C
----------------
20%  10%

4、もっとも少数のもの(この場合[AbC]と[aBc]はニ重乗換えで生じている。

(3で明らかになった数値のずれは、ニ重乗り換えの影響による。)


 ABCの順に並び、AB間20%、BC間10%

A   B   C
----------------
20%  10%



↑XY型とZO型の性決定様式と卵・精子


性染色体による性決定様式

●雄ヘテロ型
 ヒト・マウス・ショウジョウバエ
・♀XX ♂XY

XO型 バッタ
・♀XX ♂X(Xが一本)

●雌ヘテロ型

ZW型 ニワトリ・カイコ
・♂ZZ ♀ZW

ZO型 トビゲラ・ミノガ
・♂ZZ ♀Z(Zが一本)

解説
XO型はXY型の類似でYの代わりにOを持つと考えた上で、Oは実際は染色体がないことを示す記号と考えればよい。

ZW型はXY型の逆。ZWと異なる性染色体構成のほうが♀である。
ZO型はZW型の類似で、Wの代わりにOを持つと考えた上で、Oは実際は染色体がないことを示す記号と考えればよい。
(偶然の一致であるが、WをWomenのWと考えて=♀と考えてもよい)





伴性遺伝の基本交配パターン


家系図で赤で示した人は赤緑色覚異常である。
この中で、確実に保因者である人は何番かを求めてみよう。
(□が男性、○が女性である。)


男性は健常(XAY)か、色覚異常(XaY)か表現型と遺伝子型が一致するのですぐにわかる。
 女性のみかけ上健常の場合、XAXAとXAXaかの区別はできない。そこで家系図から読み解く。

 その読み解き方のポイントは
1、息子のXaは母由来なので(息子は男になるために父からYを受け継ぎ、Xは母から受け継ぐ)、息子に色覚異常Xaがあれば,母由来である。
この場合、息子Fから母EはXAXaとわかる。

2、娘のXaも母由来のことありうる。
 娘のXaは母由来も父由来もありうるが、父が健常でXaがない場合などは母由来と推定できる。
 この場合、EがXAXaであり、祖父BはXaがないので、XaはCが持っていたとわかる

答CとE



★設問 赤緑色覚異常遺伝子aと血友病遺伝子bはX染色体上に連鎖しており組換え率10%である。優性の健常遺伝子はABである。
 健常男性(XABY)と健常だが両遺伝子を片方のX染色体に連鎖で保持している女性(XABXab)が子どもの産んだ場合、娘と息子の表現型分離比の可能性はどのような比率になるだろうか?

 XとYの間で組換えはないと考えてよいので、組換えが起きるのは母のXどうしの間である。組換え率10%なので
XAB:XAb:XaB:Xab=9:1:1:9

よってゴバン目は

・・|9XAB|XAb|XaB|9Xab
ーーーーーーーーーーーーー
XAB|
Y|9XABY|XAbY|XaBY|9XabY

で空白の部分は娘になる場合であるが、XABを必ず受け継ぐため、必ず健常となる。

一方、下欄の息子は父から受け継ぐYは特徴を示さないため
母の卵の遺伝子型分離比
XAB:XAb:XaB:Xab=9:1:1:9


娘 すべて健常
息子 
健常:血友病:色覚異常:血友病色覚異常
=9:1:1:9



ショウジョウバエの普通の体細胞の染色体とだ液腺染色体

相同染色体が対合してニ価染色体となっているので、染色体数が普通の体細胞に比べ半分に見える。
(ジョウジョウバエの体細胞の染色体数は8本だが、だ液腺染色体の場合4本に見える)

(唾液腺染色体では4本の染色体が1か所(染色中心という)で結合して集まっている)

解説
 減数分裂をするわけでもないのに、ニ価染色体となってみかけ上の染色体数が半減している特殊な細胞である。
 染色中心は各染色体の動原体の部分を結ぶ。

なお、ショウジョウバエでは第2・3染色体が長い常染色体。第4染色体が短い常染色体。
中間の長さの第1染色体がX染色体。Y染色体は図示していないが、X染色体と第4染色体の中間の長さである。
 ヒトでは第1染色体は常染色体であるが、ショウジョウバエでは第1染色体はX染色体のことであるので注意。



染色体突然変異(構造変化)

1欠失 2重複 3逆位 4転座


最後の実験結果が、グリフィスが発見し、アベリーが、DNA分画やDNA分解酵素・タンパク質分解酵素などの実験で確認した、S型DNAが生きたR型菌に入り込み、S型に転換させる形質転換実験で、「(タンパク質でなく)
DNAが遺伝子の本体」との根拠になった。


形質転換は特段の原因がなくても低い確率(100万分の1)で起きる突然変異に比べ、S型DNAの存在によって
高い確率(100分の1)で起きる。ただ10個体中99個体はR型菌のままであり、シャーレで育てれば、
99コロニーはR型で、1個のみがS型になっている。あくまでも形質転換したS型菌は少数であることに注意。

一方、混合培養液をネズミに注射し、しばらくのちに、ネズミから血液をとりだし
その中の肺炎双球菌を培養したコロニーを作ると、S型菌のコロニーのみできる。
注射前はR型菌が多数存在したはずであるが、ネズミ体内では白血球がR型菌を貪食(どんしょく)し、
S型のみが生き残り増殖するので、S型のみとなる。

シャーレや試験菅内(in vitro)などでの実験結果と、生体内(in vivo)での実験結果がこのように異なることがある。


ハーシイ・チェイスの実験

上図のように、タンパクを35S(朱)で標識したT2ファージを大腸菌に感染数分後かくはんしし、遠心分離した場合、放射性は上澄みに存在し、子ファージは放射性持たず。

一方、下図のように、DNAを32Pで標識したT2ファージを大腸菌に感染数分後かくはんし、遠心分離した場合、放射性は沈殿に存在し、子ファージは放射性持つ。

したがって大腸菌内に注射され、子ファージを作り出す能力を持った物質(=遺伝子)はタンパク質ではなくDNAと確認できた。





植物ホルモンの働きはこの図のようにアブシシン酸を中心に置いた対立軸で捉えるとわかりやすい。


●オーキシンの性質と正の光屈性

1、先端が存在し光があたらないと両側基部に向けて均等にオーキシンが移動しまっすぐに伸びる
2、先端部がないとオーキシンが合成されず、伸長しない
3、オーキシンは雲母を通過できない
4、オーキシンは寒天には蓄積される。
5、先端部に光が当たるとオーキシンは光に当たらない側に移動した上で基部に移動し、光に当たらない側を伸長させる。
6、先端部以外に光が当たってもオーキシンは横方向に移動はしない。
7、オーキシンが雲母などにさえぎられて基部に移動できないと伸長が起きない。



感受性が高いというのは低濃度で伸長が促進されるという意味で
根のほうが感受性が高い。感受性が高い部位は高濃度になりすぎるとむしろ伸長を抑制される(「過ぎたるは及ばざるがごとし」)。
 よっ茎(頂芽)を伸長させる濃度では芽(側芽)や根の伸長は抑制される。
 なおオーキシンの濃度は10のー10乗 mol/lなどの単位となる。単純な話であるが、
10のー10乗よりも、10のー5乗のほうが大きいので、
間違えないように(たまにその単位で聞いてくる問題があり、引っかかってしまう人がいるので注意)




胚が発芽の好条件を感受すると、胚がホルモンのジベレリンを分泌する。ジベレリンが胚乳の外層(種皮の内側)の
糊粉層(こふんそう・アリューロン層)に働くと、(糊粉層の細胞でのアミラーゼ合成遺伝子が発現し)
アミラーゼが合成される。アミラーゼは胚乳に蓄積されているデンプンを糖に分解し、その糖を胚が代謝に利用し発芽を始める。




限界暗期10時間の長日植物・短日植物について、
A〜Fの実験を行い、1〜12の結果を得た。なおA〜Dは24時間周期、EFの実験は12時間周期の明暗サイクルを与える実験で
赤が明期、黒が暗期である。
 1〜12について花芽をつける場合を○、つけない場合を×として考えてみよう。

1× 2○
3○ 4×
5○ 5×
7○ 8×
9○ 10×
11○ 12×


限界暗期とは各植物によって異なる、花芽をつけるか否かの分かれ目となる連続暗期の長さのこと。
 長日植物と短日植物では異なる
限界暗期のことが多いが、本設問では論理を単純にするため同じ10時間と考えた。

・限界暗期=昼と夜が均等になる
12時間という先入観を持っている受験生がたまにいるが、12時間とは限らない(12時間であることのほうがまれ)なので注意
・また限界暗期が12時間より短い=長日植物、12時間より長い=短日植物という勘違いも見られるがそれも間違い

 実際には連続暗期の長さが決め手であり、
・「限界暗期より長い連続暗期があると花芽」(意味的には「長暗」)
が「短日植物」
・「限界暗期より連続暗期が短くなると花芽」(意味的には「短暗」)
が「長日植物」

試験問題では連続暗期の長さを見て、「短暗条件」「長暗条件」どちらで花芽をつけているかを区別すれば
長日植物・短日植物が区別できる。

本設問で限界暗期10時間の短日植物=「長暗植物」は、図で灰色で10の長さ以上の帯が存在するもののみなので、Aのみが○となることがわかり、
 限界暗期10時間の長日植物=「短暗植物」は、図で灰色で10より短いの帯が存在するものならば花芽をつけるので、A以外がすべて○とわかる。


実験Cが実験Aと反対の結果となったことより、
「明期の長さがポイント」という説が否定でき、
実験EとFが同じ結果となり、AとEの結果が異なることから
「明暗の比率がポイント」という説も否定され、
連続暗期の長さで決まるという説が確定した。

(花芽をつけた後、しばらくして開花するので、花芽と開花が少し時期がずれることも頭に隅にとめておきたい)




A長日植物 12時間(見え方によっては13時間も可)
B短日植物 8時間(見え方によっては9時間も可)
C中性植物

解説
 グラフが垂直に立ちあがっている時間は、「開花までの日数が無限になる=開花しない」と考える。
 一方、グラフが30日や60日で水平になっている部分は
「(30・60日たてば)確実に開花する」よ考える。

するとCは明暗条件に関わらずいつでも(60日経れば)開花できる植物で中性植物である。

Aは明期12時間以上(暗期12時間以下)で開花できる「短暗植物」=長日植物である。

Bは明期16時間以下(暗期8時間以上)で開花できる「長暗植物」=短日植物である。


問題によっては横軸が「暗期の長さ」になっていることがある。すると解釈が本設問とは逆になるので注意。




短日植物で、花芽をつけるのは@BCDEFである。短日条件は1枚の葉でも感受でき、合成されたフロリゲン(花成ホルモン)が師管を通して花芽形成箇所に送られる。
 形成層より外側を除去し、師管を切断してしまう□の実験を「環状除皮」(かんじょうじょひ)といい、これより先にはフロリゲンが到達せず、花芽形成がなされない。




左半分ー植物細胞 右半分ー動物細胞

1、細胞膜ー細胞内外を隔てるとともに物質輸送を行う。能動輸送や選択透過性を示す
2、細胞壁ー細胞を保護する。
3、葉緑体ー光合成(グルコース合成)
4、液胞ー色素・水分・老廃物を保持する
5、ミトコンドリアー好気呼吸を行い有機物分解をしエネルギーを取り出す
6、ゴルジ体ーへん平な数枚重なった袋で物質の貯蔵や分泌
7、核ー遺伝子を含む染色体を含む
8、核小体
9、中心体ー細胞分裂時の紡錘糸の形成に関与
・これらの間を満たす部分ー細胞質基質

植物細胞のみー1(細胞壁)3(葉緑体)4(発達した液胞)
動物細胞のみー9(中心体)



接眼ミクロメーターと対物ミクロメーターの図が以下のように見えた。
接眼ミクロメーター1目盛りの長さは何μmか?
対物ミクロメーターをはずし、試料のプレパラートをのせてある細胞の長さをみると接眼レンズ4目盛り分であった。その細胞の長さは何μmか?

まず、両ミクロメーターの目盛りがあっている位置を確認する。
対物ミクロメーター7目盛り=接眼ミクロメーター20目盛りとわかる。

接眼ミクロメーター1目盛りをxμmとすると

接眼
xμm×20目盛り

対物
10μm×7目盛り

20x=70

x=3,5
よって4目盛りならば、14μm(3,5×4)


1目盛 3,5μm
細胞の長さ 14μm


さて次に、対物レンズの倍率をそれまでの4倍のものに変えた。接眼ミクロメーター1目盛りの示す幅は0,875μmとなる。
接眼レンズとミクロメーターは変えていないため、見掛け上は接眼ミクロメーターの見え方は変わらないが、
実際は画像は4倍に拡大したため、1目盛りを示す幅は1/4になる。



様々な浸透圧の溶液に浸した時の細胞の形状変化。

最も極端な低張液ともいえる蒸留水中では動物細胞は膨らみ破裂(赤血球の場合は溶血という)するが、植物細胞は膨圧が発生し緊張状態となり破裂はしない。


外液浸透圧12気圧の溶液中で限界原形質分離になっている植物細胞があるとする。
 この細胞を外液浸透圧15気圧の溶液に入れたら細胞体積は限界原形質分離の状態の何%になるか考えてみよう。
濃度は15/12 =5/4倍なので、体積は4/5倍で答は80%
答は
80%

・体積減少率の逆数が濃度増加率
・濃度増加率の逆数が体積減少率
と考えれば容易にとける。

次に、この細胞を外液浸透圧9気圧の溶液に入れた場合、細胞体積が120%になったという。「細胞吸水力」「細胞浸透圧」「膨圧」を考えてみよう。
細胞が低張液中で膨らむ場合も、限界原形質分離(体積100%)のデータを基準に比較する。
 まず体積120%(6/5倍)なので細胞濃度は
「ジュースを水で6/5倍に薄めた時」と同じで
細胞濃度は5/6倍になる。
12× 5/6 =10気圧

「外液浸透圧は9気圧」で細胞がストップしているので
「細胞の吸水力」(細胞が実際に水を吸う力)は
9気圧のはずである。

細胞内浸透圧は10にも関わらず、外液浸透圧9とつりあっているのは、膨圧が発生し、壁が1の力で膨らみをおさえつけているからである。


「外液浸透圧=細胞吸水力=細胞浸透圧ー膨圧」
 9=9=10−1


「細胞吸水力」9気圧
「細胞浸透圧」10気圧
「膨圧」1気圧




輪郭のはっきりした核のみえる時期ー間期(中間期)
見えない時期(@〜Cの総称)−分裂期
@前期 A中期 B後期 C終期

 「間期」は「分裂期」と「分裂期」の間の時期という意味であるが、この「間期」にこそ、DNA複製など分裂のための準備がなされている。

この組織の細胞周期は20時間であったとする。間期・分裂期に要する時間は
間期 18時間 分裂期 2時間となる。

 五月雨式に分裂している通常の分裂組織においては「顕微鏡下の各時期の細胞数%≒各時期の時間%」とみなして計算してよい。
 間期細胞:分裂期細胞=36個:4個=18時間:2時間(全体で20時間)




↑2n=4(染色体数4)の細胞の体細胞分裂(上段)と減数分裂(下段)

・図で赤が母由来、黒が父由来の染色体を示す。
・染色体をひっぱる茶色の糸が紡錘糸である。

★体細胞分裂(上段)
・染色分体2つがくっついた4本の染色体が単純に赤道面に並び、両側に分体1つずつを引っ張っていく。
・染色体数は種類数を示すので、コピーである分体が2つくっついていても1つでも1種類であり、1本と数える。
 したがって染色体数は4(分裂前)→4・4(分裂後)
  一般式で示すと2n(分裂前)→2n・2n(分裂後)

★減数分裂(下段)
・2回連続分裂であり、4つの細胞になる。
・第一分裂後、すぐに第二分裂に入り、その間にはDNA複製はない。
・第一分裂前期で相同染色体(母父由来の同形同大の染色体)が対合し「二価染色体」となる。
・第一分裂中期で二価染色体は赤道面に並び、後期で各染色体が両側に分離する。
 したがって第一分裂を終えると、染色体数(種類数)は
  4→2・2 一般式でいうと2n→n・n
となる。

・第二分裂は、(体細胞分裂と同様に)染色分体を分離するので、染色体数は変わらない。
 よって2・2→2・2・2・2 一般式でいうと
n・n→n・n・n・n

一方「DNA量」という指標は、DNAの絶対量を示すので、単純に複製されれば2倍、分裂すれば半分となるので

体細胞分裂
2→(複製)→4→(分裂)→2・2

減数分裂
2→(複製)→4→(分裂)→2・2
→(分裂)→1・1・1・1




第2りん葉(より外側) 
・・|A上|B中|C下|
長径|3,4|3,3|2,4|
短径|0,8|1,0|0,6|
数|3703|3030|7143|

第3りん葉(より内側) 
・・|A上|B中|C下|
長径|2,5|2,5|2,5|
短径|0,8|0,7|0,6|
数|5000|5555|6666|

この傾向から伺われるタマネギの細胞の成長とタマネギのりん葉成長の関係を書け。

そり膨張している外側のほうが、単位面積あたりの細胞数が少なくなっていることから、りん葉の成長は細胞数増加よりも
(細胞数はあまり変わらず)1つ1つの細胞の大きさの増加によるものであることが推定できる。
 このことは第3りん葉より第2りん葉の細胞の長径が大きいことからんもわかる。
 短径についてはA(上部)C(下部)は不変で、B(中部)のみが長くなっている。タマネギの中央部の膨らみは
主に、細胞1つ1つが横方向に広がる(太る)ことでなされていることがわかる。



A双子葉類の茎
B単子葉類の茎
C(双子葉類の)根

黒塗りー木部
白抜きー師部
Aの内側の輪ー形成層
Aの内側の輪と表皮の間ー皮層

ア道管・仮道管
イ形成層
ウ師管


基本的な分類だが、
単子葉類はイネ科(穀物・シバ)・ユリ科(チューリップ・タマネギ)・ムラサキツユクサ・オオカナダモで、それ以外は双子葉類と考えてよい。
1、双子葉類は内側の輪「形成層」という分裂組織が存在し茎が太く(肥大成長)なりやすい、単子葉類では存在しない。
2、双子葉類は維管束が形成層の内外の位置に整然と存在するのに対し、単子葉類では散在。


これで双子葉類と単子葉類の茎は区別できる。ただ両者とも導管・仮道管など水の通り道を含む「木部」(図で黒)
が内側に、栄養分を運ぶ師管を含む「師部」(図で白抜き)が外側にあるのは共通である。

一方、根は「木部」と「師部」がくっつかずに交互に並んでいる。双子葉類の場合はその間に形成層(図の点線)
ができはじめている。(単子葉類では、木部・師部の位置は同じだが形成層はない)

アイウは拡大図であるが、イ(形成層)は薄い細胞がレンガ状に整然と並び、ア(道管・仮道管)は太く、
ウ(師管)は細い。、師管は「生きた細胞」であるので、内容物がつまっているように書かれるが、道管・仮道管は空洞である。

なお、被子植物は道管・仮道管(道管より若干細い)両方持つが、裸子植物は仮道管のみしかもたない。

更に
形成層と表皮の間の「皮層」にも注目したい。
茎が緑色の茎はこの部分に葉緑体を持つ。茎が緑ではない植物は皮層に葉緑体を持たない。葉緑体の有無は表皮でなく皮層であるので注意。




Aクチクラ層(表皮を保護するろう状の物質)
B表皮細胞 Cさく状組織 D海綿状組織
E細胞間隙(光合成のためのCO2や蒸散途中の水蒸気が存在する)
F木部(道管・仮道管) G師部(師管)
H表皮細胞 I孔辺細胞 J気孔



A体細胞(分裂)B減数(分裂)C卵巣
D始原生殖細胞(2n) E卵原細胞(2n)
F一次卵母細胞(2n) G二次卵母細胞(n)
H第一極体(n) I卵細胞(卵)(n)
J第二極体(n)

K精巣 L精原細胞(2n)
M一次精母細胞(2n) N二次精母細胞(n)
O精細胞(n) P精子(n)

O→P (精子)変態

・卵も精子もおおもとは始原生殖細胞から由来する。
・卵原・精原・一次卵母・一次精母細胞など「卵」「精」の名称がついても、体細胞分裂期と減数分裂第一分裂直前までは染色体数2nであることに注意。
・第一極体は分裂することもあるが、分裂しないこともあるので点線で書いた。



1柱頭 2子房 3珠皮(外側)
4胚珠(全体)
5やく 6花粉母細胞(2n)
7花粉四分子(n)
8雄原細胞(生殖細胞)(n)
9花粉管核(n) 10精細胞(n)

11胚のう母細胞(2n)
12胚のう細胞 13胚のう
14反足細胞(n)
15極核(核の名称)(n)
16中央細胞(細胞も名称)(n+n)
17卵細胞(n) 18助細胞(n)



まず雌しべ(胚珠)・雄しべ(やく)共通の動きとして
「●●母細胞」が減数分裂して●●になったあと、核分裂が起きていることを確認いただきたい。動物の卵・精子は減数分裂直後に受精するのと「核分裂」がある点が異なることに注意。

図に関する注意
1、胚珠の孔(珠孔)が空いた側に卵細胞が位置し受精が行われる。珠孔が上に表記されていたら、この図とは逆に卵細胞・助細胞が上になる。
2、胚珠は子房内に1つのみ書かれているが、実際は子房内に多数の胚珠があることもある。



1珠皮 2種皮 3胚乳 4有胚乳種子(胚乳種子)

5胚球 6胚柄(はいへい)

7幼芽 8子葉 9胚軸 10幼根 11胚

12無胚乳種子

雌しべの胚珠の外側の皮「珠皮」は雌しべの体の一部(母方の体)で、これが受精などせず、そのまま「種皮」になる。

受精卵は2つの細胞に分裂し、上側の細胞からは将来胚になる「胚球」が、下側の細胞からは、胚と種皮の間に存在する「胚柄」となる。



1受精膜 2胞胚腔 3ふ化 4原口

★ウニとカエルの発生の相違点

A受精卵 
ウニでは受精膜がはっきり見えるが、カエルでは見られない(実際にはあるがみえにくい)

B8細胞期 
ウニでは第3卵割が赤道面であるが、カエルでは赤道と動物極の間(動物極寄り)
(カエルではこの時点で割球の大きさに動物極側と植物極側で差が出る)

C16細胞期
ウニでは動物極側は経割、植物極側は緯割だが、
カエルでは両側とも経割

(ウニではこの時点ではじめて割球の大きさに差が出る)

D胞胚(期) 
胞胚腔を取り巻くウニの細胞層は1層、カエルは2・3層
(胞胚腔はウニでは球状、カエルでは動物極側のみの半球状)

E原腸胚(初期)
(ウニでは原口が植物極にできるが、カエルでは植物極と赤道面の間にできる)

また図には描いていないがウニでは「ふ化」は胞胚期(B)であるが、カエルの場合、ゼリー層からとびでることをもって「ふ化」とみなすので「尾芽胚」である。


1動物極 2植物極 3灰色三日月 4原口背唇 5外胚葉 6中胚葉
7内胚葉 8神経板 9脊索 10神経管 11体節 12腎節 13側板 14体腔
15腸管

受精卵では動物極側は黒っぽく、植物極側は白っぽい。(図では灰色と黄色で示した)。また精子侵入点の反対側に3(灰色三日月)ができる。
 原腸胚初期になると原口のより動物極側に近い側に4(原口背唇)ができる。原口背唇はやがて9(脊索)となる。
 
 原腸胚後期には、原口から陥入した細胞層が原腸の天井に位置し「中胚葉」となる。動物極側の黒い細胞層は植物極側を含めて全体を覆い「外胚葉」となる。
 もともと植物極側に位置した白っぽい細胞層は、外胚葉に取り囲まれた上で植物半球側にそのまま残り「内胚葉」となる。
 卵黄が多く白っぽい植物極側細胞質は原口の近くでは外に出て、黒っぽい細胞層の中に「栓」のように残される「卵黄栓」(卵黄プラグ)と呼ばれる。

 4(原口背唇)は外胚葉に働きかけ(外胚葉を「誘導」し)、8(神経板)を経て10(神経管)となる。原口背唇はのちに9(脊索)になる。

 神経管は外胚葉由来であることを確認してほしい。
中胚葉は「脊索」「体節」「腎節」「側板」に4区分され、側板の隙間は「体腔」となる。
 
 内胚葉は原腸を取り囲み「腸管」となる。



★左図 原基分布図(予定胚域図)・フォークト
局所生体染色法(胚の各部を無害で拡散しにくい色素・ナイル青、中性赤などで染め分け追跡)


A神経 B表皮 C脊索 D体節 E側板 F内胚葉

解説
 図で灰色(AB)は外胚葉、オレンジ(CDE)は中胚葉、黄色(F)は内胚葉。
  右下に原口が位置し、その上部(背部)の5が原口背唇=予定脊索域であり、さらにそれに誘導されその上部の2から神経管が形成されるととらえ、中胚葉は右から順が上から順になると考えれば選べる。

 なお、予定原口が左に書いてあった場合は左右が逆になるので注意。

●右図(尾芽胚の横断面図)の解説
 生物T教科書にも載っていて、センターで未出題なので要注意である。左図(初期原腸胚)の1〜11の部分を局所生体染色した場合、それぞれが右図(尾芽胚)でどこに位置するかを聞かれる。

 カエル(ウニ)は原口が肛門になり反対側に口ができる。
 両図とも原口が右にあるので右側が肛門など尾部、左側が口など頭部である。
 右断面図の上の管は神経管、下の管は上部が脊索、下部が消化管に位置にまだ分岐しきっていない。

1234はそのままの位置で誘導され内部に入って神経管となる。
ちなみに1・2付近は脳、34付近は脊髄になる。



シュペーマンが行った実験

上2つの図は交換移植実験のイメージ

2種の胚の色の違うイモリ(スジイモリとクシイモリ)で予定表皮域の一部を予定神経域に移植した。
初期原腸胚ー神経に分化(移植先の運命に順応)
初期神経胚ー表皮に分化(出身場所の運命どうり分化)
つまり初期原腸胚と初期神経胚の間で外胚葉の運命は決定される。


右下の図は、二次胚ができた胚の断面図であり、
右下部分が移植した原口背唇によって誘導された二次胚、上部分がもともとの胚(宿主)自身の誘導でできた胚である。
 赤部分は移植片に由来する。つまり「脊索」と体節のうち脊索に近い側が移植片由来である。



1(羽毛)3(うろこ)
2(うろこ)4(羽毛)

解説
 この実験そのものが知識としては要求されないが、考察問題ではセンターの出題範囲なので知っておきたい。
 各設問の実験設定・結果からその都度読み取るのが正確であるが、一般論としては
・中胚葉が外胚葉を誘導し運命を決定する
・外胚葉も初期胚では運命未定で接触する内側の中胚葉の誘導を受けるが、もうすでに誘導を受け運命を決定した後は、内部に異なる中胚葉が接触しても運命を変えない。

 この実験では初期胚は真皮に誘導され、
1(羽毛)2(うろこ)となるが、後期胚の表皮ではすでに分離前に背中出身の表皮は羽毛、肢出身の表皮はうろこに分化しているので、内部に再結合した中胚葉の影響を受けない。

なお、内胚葉と中胚葉の関係では、内胚葉が誘導することが多い。より内側の部位がより外側を誘導することが多く、
誘導を受けて変化できる時期は一時期でそれを過ぎると誘導を受けても当初の予定を変化しないことが多い。
(あくまでも一般論であって、例外もありうるので、設問の実験条件に応じて判断すべきだが、センターで例外を出すと難化しすぎるので、もし出題される場合はたぶん一般論に従った出題がされるだろう)


浅島誠さんが行った実験。
両生類の胞胚の予定中胚葉域(赤道面付近)を切り出した上で、予定外胚葉域(動物極側、
帽子状なのでアニマルキャップともいう)・予定内胚葉域(植物極側)を分割し培養すると、
それぞれ外胚葉(表皮)・内胚葉が分化した。 
 両者を結合させて培養すると、植物極側(内胚葉予定域)は分離の時と同様、内胚葉となる。
アニマルキャップ(外胚葉予定域)は、内胚葉予定域との接触部が中胚葉に分化する。
「植物極側(内胚葉予定域)が動物極側の細胞を誘導し中胚葉に分化させる」ことがわかった。(これを中胚葉誘導という)



ニワトリ胚の体側にできる翼芽(翼の原基)は発達して翼となるが、翼には正常型のほかに二つの突然変異型がある。
 その一つは翼芽が異常に発達する多指型で、他の一つは翼芽がほとんど発達しない無翼型である。
図に示すように、翼芽の外胚葉には頂堤域(頂堤(ちょうてい)ができる範囲)があり、中胚葉の働きで頂堤になる。
このとき、多指型の中胚葉は広い頂堤域を保持し、大きい頂堤ができる。
これに対して、正常型の中胚葉は狭い頂堤域を保持し、小さい頂堤ができる。
 こうしてできた頂堤は中胚葉の翼への分化を誘導し、多指型、あるいは正常型の翼ができる。
 なお、無翼型の翼芽の外胚葉は頂堤になる能力を欠いている。

 頂堤ができる少し前に、正常型の翼芽の先端外胚葉を切り取り、それを正常型の他の胚の翼芽の先端外胚葉を除いたところに移植すると、正常な翼になる。
 このような移植実験を正常型の胚と突然変異型の胚との間で行い、翼芽の先端外胚葉と中胚葉とを上表のような組み合わせて発生させると、
ABCには「正常型」「多指型」「無翼型」のどれが生じるか。
(1989年・共通一次過去問)



(考える)




A正常型 B無翼型 C多指型

解説の前提
 センター試験は昨年から公式に「過去問の再使用OK」ということとなった。現に20年以上に及ぶセンター試験(本試験・追試験)の蓄積は膨大で、再利用したくなる気持ちもわかる。
更に21年以上前、更にはセンター試験の前身の「共通一次試験」までさかのぼると、更に膨大な良門の蓄積がある。
 赤本では「過去20年」が出版されていて、受験生も対策可能であるが、逆にいうと出版されていない「21年以上前の問題」は、出題者にとっては狙い目といえる。
 今の新課程の内容に適合した良問で21年以上前に出題されたこの問題を見ておきたい。

解説
ポイントは

「頂堤は中胚葉の翼への分化を誘導し、多指型、あるいは正常型の翼ができる。
 なお、無翼型の翼芽の外胚葉は頂堤になる能力を欠いている。」

という本文の記述である。

 頂堤という「キャップ」があると、「キャップ」の保護のもと、中胚葉は翼になるが、どの翼になるかは中胚葉の性質による。

外胚葉由来の「頂堤」は中胚葉が伸びることを「承認」する。
広い頂堤も狭い頂堤も「承認」するのは同じである。
頂堤は中胚葉の翼への分化を誘導し、多指型、あるいは正常型の翼ができる。
 なお、無翼型の翼芽の外胚葉は頂堤になる能力を欠いている。
が、「承認」された中胚葉が何に分化するかは中胚葉自身が決める。
  ただし「頂堤」の承認がないと中胚葉は伸びることができないので、中胚葉が何だろうと無条件で「無翼型」になる。

このように翼の種類を正常型か多指型になるかの主導権は中胚葉自身にあるが、
外胚葉も中胚葉の伸長を承認・拒否する能力があり、昨日述べたように、一般論でいう「外胚葉は中胚葉によって一方的に決められる」だけでなく、
「外胚葉が中胚葉に影響を及ぼす」こともある。


赤は分化した細胞が切断された部分で未分化に戻る「脱分化」により形成された「再生芽」
 脱分化してできた再生芽は接触部分(再生の場)の影響を受けて再分化する。1の実験では再生の場(接触部分)
が後肢なので後肢に、2の実験では再生の場(接触部分)が前肢の組織なので前肢の分化する。
 再生の場に更に奥の組織が異なっても関係ない。

 3ではイモリの前肢の切断面付近を、4ではプラナリアの切断面付近をX線照射した。
すると、イモリでは再生はおきず、プラナリアでは再生する。
イモリの再生は切断面での細胞の脱分化
による再生芽の形成と、再生の場による誘導によるのでX線照射すると再生できない。奥の細胞が移動してくることもない。
 プラナリアは未分化細胞は体中に散らばって存在し、
切断面まで自由に移動できるのでX線照射した切断面にも移動して再生できる。
(X線照射部分自身も、この再生組織で置き換えられる)




1樹状突起 2(神経)細胞体 3軸索
4シナプス 5無髄 6有髄 7髄鞘 
8シナプス小胞 9ミトコンドリア
10神経伝達物質 11レセプター


1受容器(感覚器) 2感覚神経 3背根
4介在神経 5腹根 6運動神経 7効果器(筋肉)
8白質 9灰白質(かいはくしつ)


 細胞体が脊髄の中でなく外側にあり、細胞体から末端側と脊髄側両方に軸索が伸びている(二股プラグのような)細胞が感覚神経である。
・興奮は背側(背根)から入り腹側(腹根)から出る。
・細胞体が多い側が「灰白質」、軸索が多い側が「白質」となる。

●脊髄と大脳は2重に位置が逆転している。
・灰白質が脊髄では内側(髄質)、大脳では外側(皮質)である。
・左右も延髄でクロスし、逆になる。左半身の情報や指令は右脳が分担している。



1静止電位 2活動電位 閾値(いきち)


・神経が興奮していない場合 細胞内ー
・興奮した場合    細胞内+
・細胞膜のNa+透過性が増大し、Na+が細胞内に流入する。

微細電流は「細胞内では興奮部から隣接部に、細胞外では隣接部から興奮部に流れる」
(物理学の約束で電流の定義は「+→ー」に流れる約束にしているので、細胞内では興奮部から隣接部に、細胞外では隣接部から興奮部に流れる」ということになる。)

 神経細胞1個に関して、興奮するかしないかのどちらかである「全か無かの法則」があり活動電位の大きさは同じでも、興奮の頻度(インパルス頻度)で興奮の強さの程度差を示

 また神経細胞の束で考えれると閾値が異なる神経細胞が束になっているため、ある刺激に対する興奮を起こす神経細胞の本数に差があり程度差を示すことができる。



1大脳 2間脳 3中脳 4延髄 5小脳
1判断・随意運動・感覚の中枢
2恒常性の中枢
3眼の反射・姿勢保持
4だ液・のみこみ・せき・くしゃみ反射の中枢
 心拍・呼吸運動の中枢
5平衡の維持

A新皮質 B辺縁系 C視床下部 D脳下垂体

6前頭葉 7頭頂葉 8後頭葉 9側頭葉

10判断・思考(前頭葉)
11随意運動(前頭葉)
12体性感覚・皮膚感覚(頂頭葉)
13視覚
14聴覚(記憶)

  間脳・中脳・延髄を「脳幹」といい、生命維持の根幹的な働きをしている。中脳は眼に近く眼の反射が、延髄は口・鼻に近く、口・鼻などの
反射中枢がある。
 なお「眼の反射」は中脳、「視覚」は大脳新皮質後頭葉なので注意。

なお小脳は平衡をつかさどるとともに、大脳の命令をもって行う随意運動の際も、運動の微妙な動きのバランスをつかさどる。
 感覚・機能の対角線の位置に中枢があると考えるといい、目(視覚)の対角線は後頭葉、耳(聴覚)の対角線は側頭葉、背中に位置する筋肉(随意運動)の対角線に位置するのが、
ぎりぎり前頭葉の後部、体性感覚(多くは前面から来る)の対角線は少し後ぎみの頭頂葉である。
 (なお、発音は運動機能をともなうため、随意運動と同じ前頭葉である。)



これは右目である。目から脳へ情報を送る視神経は、一旦左右の中間の位置にある「視神経交叉」を目指す。
つまり図では12(視神経)は左側に傾いて脳に情報を送ろうとしているのでこの目は右目。(逆に視神経が右側に傾いて脳に情報を送ろうとしている場合は左目)

1角膜 2虹彩 3瞳孔 4レンズ(水晶体)
5ちん小帯 6毛様体(毛様筋)
7ガラス体(硝子体) 8網膜 9強膜
10黄斑 11盲点(盲斑) 12視神経


 角膜は眼の外側を保護していた胸膜の延長であるが光を入れるため透明となった。
 虹彩が光をさえぎり、その隙間の瞳孔から光が入る。光はレンズで屈折して網膜(とくに黄斑)に像を結ぶ。網膜には光を感受する視細胞がある。
 網膜と強膜の間に脈絡膜があるがセンターでは無視する。

 視神経が網膜側から目の外に突き出す位置である11(盲点)には視細胞がない。



1視神経細胞 2錐体細胞 3かん体細胞 4色素細胞
5毛様体(毛様筋) 6チン小帯

光は左から、盲点は下

 網膜の断面図では視神経細胞は光の来る側にあり、光から一番遠い側に色素細胞があり、その中間に光を感受する視細胞がある。
視細胞は核のある部位の形は似ているが、
それ以外の部分は円錐状の「錐体細胞」(青・赤・緑の色彩を感受)と棒状の「かん体細胞」とがある。
 視神経細胞が視細胞にいたる光の通り道の途中にあると「光をさえぎってしまってじゃまではないか?」と思うかもしれませんが、細くて透明に近いので問題ありません。
 網膜全体の視神経は集まってそこから脳側に網膜をつき出ます。そこが「盲点」となるので図では視神経が下側に集まりつつあるので下側に網膜をつき出る部位が存在し、そこが盲点です。

左図で
毛様体(毛様筋)が収縮すると、チン小帯が弛緩する。するとレンズが自らの弾力で丸みをおびる。
 レンズが丸みをおびると図の赤の線のように近くから広がり気味に来た光がよく屈折し、網膜で像が結ぶようになります。
 毛様体(毛様筋)はレンズ側にたぐり寄せられるように収縮します。よって毛様筋が収縮すると、チン小帯はゆるむのです。
 毛様体とチン小帯の動きが逆であることに注意してください。

遠くを見るときは逆で「毛様筋弛緩→チン小帯緊張→レンズが薄く引き延ばされる」です。遠くからの平行に近い光は、薄いレンズでゆるやかに屈折してちょうど網膜の位置に像を結びます。

 


盲点検出試験から
網膜上での「盲点ー黄斑」間距離(xmm)と試験紙上で見えない範囲の14mmからまた「盲点自体の広がり」の直径(y mm)は計算する計算式


解説
中学の図形の相似の比例関係で
48:6=24:x

14:480mm=y:24mm

これを解いて
x(「盲点ー黄斑」間距離) 3mm
y(盲点の広がり直径) 0,7mm



1外耳 2中耳 3内耳 
4鼓膜 5耳小骨 6耳管(エウスタキオ管)
7(三)半規管 8前庭 9うずまき管(蝸牛)
10前庭窓
11おおい膜 12聴細胞 13基底膜
14コルチ器

音波の流れ
(耳殻)→外耳道→4→5→10→前庭階
→鼓室階→13→14(11→12)

半規管ー回転・速度感覚
前庭ー平衡感覚
うずまき管ー聴覚

3つの共通性
・リンパ液で満たされる
・有毛細胞(感覚毛)を持つ



1筋束(きんそく) 2筋線維(筋細胞)
3筋原線維 
4ミオシンフィラメント(太いフィラメント)
5アクチンフィラメント(細いフィラメント)
6Z膜
7暗帯 8明帯 9筋節(サルコメア)

(センターでは用語知識として要求されないが、構造は聞かれるので知っておいたほうがよい。
なお筋線維が筋細胞に相当し多核を含む細胞である。
筋原線維は細胞小器官に相当する。)



収縮した時、

アクチンフィラメント・ミオシンフィラメント・暗帯ー不変
明帯・筋節ー短くなる。

アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの中に滑り込むだけで、それぞれの長さは変わらない。アコーディオンをイメージするとよい。



1単収縮(れん縮) 2不完全強縮 3強縮
4潜伏期 5収縮期 6弛緩(しかん)期

強縮・不完全強縮の振幅(波の高さ)は単収縮より大きい
不完全強縮は波形の上部がギザギザとなる。

筋肉は筋線維の束なので刺激頻度が増すと反応する筋線維が多くなり、振幅(波の高さ)は大きくなる。

記録計に音さの振動を記録させているのは,筋収縮記録のグラフと音さの振動を同じ紙に記録させ、音さの振動回数から筋収縮にかかった時間を知るため。
 
 筋肉を直接刺激すると興奮まで2ミリ秒(つまり潜伏期が2ミリ秒)、Aを刺激すると8ミリ秒、
Bを刺激すると10ミリ秒を要したとする。
 神経での伝導速度と神経筋接合部での伝達に要する時間を求める時は次の流れとなる。

収縮までにかかる時間は
「ア(伝導)+イ(伝達)+ウ(筋収縮の潜伏期)」
である。

A点刺激では
ア(14cm)+イ+ウ=10ミリ秒・・・α

B点刺激では
ア(10cm)+イ+ウ=8ミリ秒・・・β

αーβより

ア(4cm)=2ミリ秒

速度=距離/時間
  =4cm/2ミリ秒
  =0,04m/0,002秒
(このようにしてm/秒に換算し直す)
  =20m/秒

伝導1ミリ秒で2cmなので、αに代入して
ア(14cm=7ミリ秒)+イ+ウ(2ミリ秒)=10ミリ秒

したがって
イ(伝達)=1ミリ秒

伝導速度 20m/秒
伝達に要する時間 1ミリ秒



1肝動脈 2(肝)門脈 3肝静脈
4胆管 5胆のう 
6すい臓 7十二指腸

酸素が多い血管は1(肝動脈)グルコースが多い血管は2(肝門脈)、尿素が多い血管は3(肝静脈)。

・肝臓が消費する酸素は心臓由来の肝動脈から供給される。
・小腸を通過した血液は食物を消化吸収したグルコースを多く含む。
その血管が集まって肝臓にいたる(肝)門脈となる。したがって、(肝)門脈は、
食物から消化吸収したグルコースが未処理で最も多く存在する。
肝臓を通過するうちに余分なグルコースはグリコーゲンに貯蔵されるため肝門脈ではグルコースは少なくなる。
・タンパク質が体内で分解されるとアンモニアが生じる。
これが毒性があるため肝臓で低毒性の尿素に変えられ、腎臓で尿に濃縮され体外に捨てられる。
よって肝臓での処理を受けた肝静脈が肝臓で作られたばかりの尿素が含まれ尿素が多い。




1補償点 2光飽和点
3見かけの光合成速度 4呼吸速度 5光合成速度
6さく状組織 7海綿状組織

( )は人間の生活にたとえたもの

みかけの光合成速度
(貯金)
=光合成速度(収入)−呼吸速度(生活費)

 
光合成速度>呼吸速度 ならばグルコース収支は「黒字」となり、生存・成長可能である。
  光合成速度=呼吸速度 ならば、短期的にはギリギリ生存可能であり、そうなる光の強さを補償点という
  光合成速度<呼吸速度 ならば「赤字」となり、植物は枯死する。

光が多い所のみで生育可能な陽生植物に対して、森林の林床
など光が不足する所でも生育できる陰生植物は、「呼吸速度」「補償点」「光飽和点」が小さいことに注目。生育可能な呼吸量と同じ光合成量を生みだせる補償点は陰生植物のほうが小さい。林内の「木漏れ日(こもれび)」でも生育可能となる。


設問5 CO2吸収量換算で「光合成速度」1時間10、「呼吸速度」1時間4の植物を、
昼間10時間、夜14時間の昼夜条件で、CO2を入れた密閉容器内で育てた。1日当たりの密閉容器でのCO2減少量(吸収量)はどうなるか?

昼のみかけの光合成量ー夜の呼吸量
=1日あたりの光合成でのグルコース増加量

平日(月〜金)に日雇い払いの仕事があり、土日は仕事がなくなる人の一週間あたりの「貯金」は

・平日の貯金=平日の収入ー平日の生活費
・平日の貯金ー土日の生活費=1週間あたりの貯金

(この問題はセンター試験出題範囲のグレーゾーンである。普通この設問は二次試験ではCO2量をグルコースに換算して計算させる形で出題されるが、
センターではグルコース換算の化学式の比を出すことは許されない。
しかし上記のように曖昧にCO2量換算そのもの
・あるいは最初から設問設定自体がグルコース換算してあり、
その形で出題されることはありうる。)




1根毛 2表皮 3皮層 4道管 5師管

図で1の部位と4(付近)の部位を比べると4(より内側)の細胞のほうが浸透圧が高いので、根ではそれに基づき内側に水が移動(つまり吸水)しやすい。
 根の周りの外液が高張液すぎると脱水されて根は吸水しにくい。


吸水ルートには
・図A(細胞壁の部分を通り細胞に入らず移動)
・図B(細胞内に吸収され、植物細胞どうしの間に孔があり、連絡をとっている部位(原形質連絡)を通じて細胞内を移動していく)
の両方がある。
 Bの場合、細胞内に吸収され、植物細胞どうしの間に孔があり、連絡をとっている部位(原形質連絡)を通じて細胞内を移動していく。

(Aルート(細胞壁ルート)であっても、内皮(カスパリー線)を通過する時には細胞内に入る)





2001・2003年出題された遺伝の論点。

スイートピーの花色。
2遺伝子の相互作用。[AB]が紫、[Ab][aB][ab]が白である。つまりAとBの両方がないと紫になれない。図では赤色が紫を示す。
設問が「突然変異の系統」を前提にした問題の場合、「突然変異の系統」はAAbbかaaBBかaabbのどれかである。

この中で交配して紫を生じるのは
AAbb×aaBBでAaBbを生じる時のみ。

AABBまで含めると純系は4パターン
(AABB,AAbb,aaBB,aabb)

となります。その場合どの組み合わせの交配でF1,F2でどうなるかを一覧にしたのが上記の図です。

多くの場合はF1F2ともに白のみが生じる。

図中1・2・3の場合は紫を生じうることを示しています。

なお青で書いた部分は「相補性」といいます。
お互いの優性遺伝子でお互いの突然変異を補って優性形質が発現するのです。

似たパターンの出題の可能性も否定できないので、この図をしっかりイメージしておきましょう。




★上左図 共通一次の時代の有名な出題(再出題ありうる)

ABO式血液型について、かつてメンデルの法則の2遺伝子雑種によって決定され、[AB]がAB型、[Ab]がA型、[aB]がB型、[ab]がO型という説があった。これを「旧説」という。
しかしその後の研究・調査を経て、ABO式血液型は複対立遺伝子であることがわかった。これを「新説」という。
 AB型とО型の両親からはどの型の子どもが生まれるかについて、
・旧説(ニ遺伝子雑種) AB型、A型、B型、О型
(AB型の親がAaBbだった場合で考えると最も多様な子が生まれる)

・新説(複対立遺伝子) A型 B型





★上右図(未出題・上記の類似出題ありうる)
 染色体上の1つの遺伝子座にA遺伝子、B遺伝子が一緒に乗っているcisAB型という特殊なAB型の人がまれにいる。
 cisAB型の人とO型の人の間で生まれうる子どもの血液型は何がありうるかを考えると「AB型(cisAB型)、A型、B型、O型」全てとなる。


右上図を見ていただくと
cisAB型(もう1本にはOをもつ)とO型の間には
cisAB型とO型の子が生まれるということがわかると思います。

ただしcisAB型の人がもう1つもっている相同染色体のもう1本にはOだけでなくAやBもあることがあります。
もう1本がAだと、A型が生まれ
もう1本がBがと、B型が生まれます。
したがって全部の血液型が出現する可能性があります。






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