本日(2月22日)11時〜20時、千葉校で質問待機します。よかったらおいでください。
さて、今日は、4年前のノーベル医学生理学賞の大隅良典教授のオートファジーを
「タンパク質リサイクル」の1つの方法であることを確認しながらおさえましょう。大きな図をできるだけスマホなどで読める程度に圧縮しました。問題形式ではなく、図を使った解説です。


私たちは1日300gのタンパク質を体内で合成しているがが、うち70gが毎日の食事から摂取されるタンパク質を消化管で分解吸収したアミノ酸に由来し、残り230gが体内にもともとあったタンパク質をアミノ酸に分解したものを再利用して合成している。この「タンパク質リサイクル」の2つの大きな方法の1つとして「オートファジー」がある。

 細胞内では@リボソーム(緑)で合成されたタンパク質(赤)はA分子やペロンできれいに折りたたまれ立体構造を形成する(フォールディング)。しかし、それに失敗したものはBUb(ユビキチン)という「不良品ラベル」を付けられ、それが付いたものはCプロテアソームで分解され、短いペプチドに切断され、最終的にアミノ酸に分解再利用される。
(ユビキチン・プロテアソーム系)

@リボソーム後、D小胞体に送り込まれたタンパク質は、小胞体やゴルジ体Eで糖付加などされ、F分泌小胞で細胞外に分泌される。(エキソサートーシス)

逆に細胞外の成分(ヒトでは体液などを浮遊しているタンパク質など)をHエンドサートーシス(細胞内に取り込む)や細胞外の構造物を取り込むファゴサイトーシス(I)という作用もある。
 これらはもともとはゴルジ体E由来の膜が分泌小胞とならずにGリソソームとなったものに取り込まれ、加水分解酵素で、タンパク質ならばアミノ酸にバラバラにされていく。

 大隅良典教授の研究したオートファジー(自食)とは、このリソソームによる分解の流れに合流するもので、もともとは細胞膜由来の膜にミトコンドリアや不要な細胞内成分を取り込み自食胞(オートファゴソーム)をつくる。これがリソソーム(G)と合体に、やはりタンパク質はアミノ酸まで分解してリサイクルされる。
 大隅教授は酵母菌(真核生物・単細胞)をもとにこれを明らかにした。これは人を含む真核生物に共通のしくみである。