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★2013年大阪大問題(改)

遺伝子X promotorと糖尿病との関連を明らかにするため一卵性双生児について
以下の解析を行った。一卵性双生児のpair2人のうち、1人が糖尿病を発症しているが
もう1人は健康であるpair10組(20名)を解析対象とし、それらの血中リンパ球から
DNAを精製した。
次にこれらのDNAでX promotor部位のS1〜S5の5カ所のCpG
それぞれについてmCの存在率(メチル化率)を解析した。結果は以下左図の通りである。
 また同じ20名の血中リンパ球において、遺伝子Xから転写されたmRNAの発現量を
測定したところ、糖尿病発症群は、健康群よりも非常に高い発現量を示していた。
X発現促進の転写調節タンパク質と抑制の転写調節タンパク質の結合箇所をを1つずつ選べ。



 








促進の転写調節タンパク質(略称「促進タンパク」)結合箇所
  −S5

抑制の転写調節タンパク質(略称「抑制タンパク」)結合箇所
ーS4

解説

まず遺伝子XのmRNA量が糖尿病の場合多いので、Xは糖尿病遺伝子である。ただ糖尿病につながる遺伝子は代表的なものだけでも20種類ぐらいあるので、糖尿病関連遺伝子の1つである。


グラフの問題は、結果に差異がある部分が注目点である。
S1〜S3は、DNAメチル化程度が中間(50%)であるが、更に重要なのは糖尿病と健常で差がほとんどない点である。
つまりS1〜S3部位は糖尿病遺伝子の発現の程度調節に関係ない。


S4・S5は健常と糖尿病でメチル化率に差があるので、糖尿病遺伝子の発現調節に関係する。

DNAがメチル化されるとタンパク質などが結合できなくなる。
逆にいうとメチル化されていない場所は調節(転写促進か抑制か)タンパクが結合できる。
健常な人はS4メチル化の%が低く、S4に糖尿病遺伝子発現を抑制する調節タンパクが結合できる。S4は糖尿病遺伝子発現抑制に関与する部位。

糖尿病の人はS5のメチル化の%が低く、S5に糖尿病遺伝子発現を促進する調節タンパクが結合できる。

S5は糖尿病遺伝子発現促進に関与する部位。