以下のヒトの以下の代謝系の→は健康人においての物質変化の経路である。1〜4はそれに関わる酵素などが活性を失い疾患をおこすことを示している。
 1〜4の酵素の活性が失われることで起きる疾患や変化の名称を答えよ。
(2は2か所あるが、同じ疾病である)
また1・2の酵素名を書け。
 5(ドーパミン)欠乏によっておきる疾病名を書け。

 





 





(考える)



1フェニルケトン尿症(PKU,phenylketonuria)
酵素名 フェニルアラニン水酸化酵素
(PAH,phenylalanine hydroxylase)

2白子症(アルビノ)(albinism)
酵素名 チロシナーゼ(tyrosinase)

3アルカプトン尿症(黒尿症)

4甲状腺機能低下症

5パーキンソン病

解説
123はよく出てくるが、同じ流れの中で45も知っておきたい。

フェニルアラニン→チロシンが水酸基付加であり、この酵素はフェニルアラニン水酸化酵素という。

この過程が滞ると、フェニルアラニンが別の酵素でフェニルピルビン酸になり、それやその関連物質が脳に蓄積すると知的障害を
もたらしやすい。フェニルピルビン酸は過剰になると尿に検出され、フェニルケトンともいうので「フェニルケトン尿症」という。

アルカプトンは通常CO2とH20に分解されるが、この酵素が欠損するとアルカプトンが尿に多く出て、
それが酸化されると尿が黒くなるので「黒尿症」とも言われる。特に健康に影響はない。

チロキシン・ドーパミン(ノルアドレナリン・アドレナリン)・メラニンなどの結節点となっているDOPAとは
ジヒドロキシフェニルアラニン
(「d」ihydr「o」xy「p」henyl「a」lanine)
のこと。
フェニルアラニンに水酸基が二つ付加したという名称である。
 つまり、チロシンがフェニルアラニンに水酸基を付加したものなので、DOPAはチロシンに水酸基を付加したものである。

パーキンソン病は不随意の筋肉運動が起きるなどの脳神経系の難病であり、ドーパミン不足で起きる。

★設問2 新生児検査でフェニルケトン尿症とわかった場合、どのように対処するか?



(考える)



フェニルアラニンを含まない人工ミルクを与える。
(チロシンを補填する)

(ある年齢をすぎるとそのような処置をしなくても大丈夫となる)