★設問1 化学進化過程の生命の起源状態の最初に自己増殖をした物質は、DNA,RNA,タンパク質のどれと考えられるか?その考えに基づきその物質でできた世界を何というか?
 またなぜその物質の自己増殖の世界が最初に広がったのか?


(考える)



RNA
RNAワールド仮説

DNAは塩基配列の遺伝情報をもつが、酵素活性をもたない。
タンパク質は、酵素活性をもつが、遺伝情報をもたない。
RNAは塩基配列の遺伝情報とともに、
酵素活性も持ち、自己複製・自己触媒で増殖していったと推定される。

★設問2 RNAの持つ酵素活性を何というか?
その活性をもつ根拠の1つをDNAのデオキシリボースとRNAのリボースの分子構造の違いを踏まえて説明せよ。


(考える)



リボザイム活性

DNAのデオキシリボースは水酸基を3つ持つが、上下のリン酸と塩基との共有結合に利用され、DNA分子内のデオキシリボースには水酸基がなく反応性に乏しい。
RNAのリボースは水酸基を4つもつので、上下のリン酸・塩基との共有結合に利用された上で、
反応性に富む水酸基がRNA分子中に1つ残る。これも酵素活性につながる反応性を増す理由の1つである。


図では以下のようになります。


なお現在ではRNAはセントラルドグマ「DNA→RNA→タンパク質」の「つなぎ役」となっていますが、
もともとは遺伝情報も(自己)触媒能力もあるので単独で自己増殖した時期(RNAワールド)があったと推定されています。