前期授業お疲れ様でした。一息入れて夏期タームに向かいましょう。
私の夏期講習は以下の通りです。
@8月7日、朝・午後 「がんと遺伝子」 市谷
 (通常タームの空き日の1日講座です)
A8月14〜17日 夜 ステップアップ生物1 お茶の水

@は遺伝子とがんの関係に突っ込んだ入試問題を演習します。
Aは普段やっていない「人体系」の内容です。

両方ともしっかりした冊子を作ります。

今からでもぜひお申込みください。

問 ある生物から取り出したDNAを2種の制限酵素A・B・A+B両方で処理した後、電気泳動すると以下左図にようになった。
 DNAの形状と制限酵素切断部位は右図@〜Cのどれか?
(2013年明治大学)




 




 






 












 
















A

解説
 試料DNAの形状は「線状」か「環状」である。
 真核生物のDNAは染色体構造を持ち、それを分断しても線状であることが多い。
 一方原核生物のDNAは本体DNAもplasmidももともとは環状である。(分断すると実験上は線状になることもある)。

DNAが環状か線状かで制限酵素切断した時の断片数が異なる。
1か所切断した場合、「線状」の場合は2断片、「環状」の場合は1断片となる。
 ヒモをはさみで1か所切ると2断片になるが、「輪ゴム」をはさみで1か所切っても1断片である。
 同じ箇所数切断した場合、断片は線状のほうが1本多くなる。

この実験ではBのみで切断した場合、断片数が10kb長の断片1つだけであることから「環状」であるとわかる。(線状ならば2断片できるはず。ただし同じ長さ、たとえば5kb断片が2つできた場合、電気泳動上は見かけ上1本に見える場合があるので注意)

すると選択肢は@かAに絞られる。
「A+B」で切断した場合は@Aとも1kb、3kb、6kbの3断片になるので区別がつかないが、「Aのみ」で切断した場合、
@ならば3と7に
Aならば4と6になる。

電気泳動結果は4と6なのでAとわかる。