本日、10時京王線新宿駅改札集合で高尾山プラナリア・水生生物観察会します。小雨でも実施します。(午後の登山は天気によっては中止します)

問1 DNAを短時間に大量に増幅する方法を何というか?






PCR法(polymerase chain reaction、ポリメラーゼ連鎖反応)

問2 PCR法の際、容器(マイクロチューブ)に入れる物質をすべて挙げよ。







・増幅したいDNA部分を含むDNA
・DNAprimer2種類(2つの鎖それぞれに相補的な短い一本鎖DNA。20ヌクレオチドぐらいが多い)
・DNA合成の素材(dATP,dCTP,dTTP,dGTP)
・DNApolymerase(DNA合成酵素)


解説 
DNAの新しい鎖が伸長する時、それぞれ相補的な塩基(ATGC)とデオキシリボース+3リン酸のものが素材となり、結合する時は2リン酸がとれてリン酸1つのみが組み込まれる。
 デオキキシリボース(d)とリン酸3つと、塩基ATGCのいずれかが結合した物質を
dATP・dTTP・dGTP・dCTPという。


問3 DNApolymeraseはどのような生物から取り出したどのような性質を持つものか?






耐熱性細菌から取り出して、耐熱性があり熱変性しにくいDNApolymerase
(実験過程で高温での変化が続くため、通常の生物のDNApolymeraseでは
変性してしまう)

問4 PCR法でのDNA増幅1サイクルでの温度変化の推移も含めて
その1サイクルの原理を説明せよ。






図にあるように
@95℃で加熱し、二本鎖DNAを一本鎖にほどく
A60℃にし、DNAprimerをそれぞれの鎖に結合させる。
B72℃にし、DNApolymeraseによる、DNAprimerの位置を起点にそれぞれの鎖の合成が進む。

@ABあわせて3分ぐらいのサイクル。

問5 PCR1サイクルを3分と考えた場合、理論上は30分でDNAは何倍となるか?




答 1024倍
解説 1サイクルで倍化するので、30分=10サイクルならば2の10乗で1024倍(約1000倍)になる。
但し、実際は、各プロセスが理論どうり100%にはいかないので収量はもっと少ない。それを差し引いても短時間にDNAを増幅できる画期的な方法である。